2016年9月30日金曜日

(8)水道のパッキング

(5)の家電の寿命で、水道の蛇口を交換した話を書いたが、こんどは風呂場の水とお湯の混合栓が水漏れ状態になった。住んで十年も経つといろんなところが傷んでくるらしい。これは水道の蛇口に比べて単純ではないような気がして、ハウスメーカーに電話して、業者にきてもらった。そして、きょう直してもらえたのだけど、その折に、これまで思い違いをしていたことがあるとわかった。
 前回は、台所の水道の水漏れでパッキングを交換してもらうつもりだったのに、蛇口ごとそっくり交換され、いまはそんなふうになっているものとばかり思っていた。それが今回、パッキングだけを交換してくれた業者と話していて、前回の業者には騙されたような気がしてきた。
 今回の業者は電話の段階からパッキングを交換するといったので、安心して直してもらい、修理代を払いながら、
「水道の蛇口みたいに、そっくり換えなくてもいいのね。よかったわ」といったら、業者が不思議そうな顔をした。
「いまどき、水道の蛇口はパッキングを交換するんじゃなくて全部、取り換えるでしょ?」と、続けると、
「いいえ」とこれまた腑に落ちないようす。いろいろ聞いているうちにわかったことがある。
   いまでも、パッキングだけを取り換えることができるということ。
   水漏れにすぐに対応してくれる業者の中には、多種のパッキングの用意はできないから、そっくり取り換えてしまう。
   そのほうが簡単だし利益も大きい。
 どうもそんなことになっているらしい。やはり、いまでもパッキングだけ取り換えればいいのだとわかって、前回、蛇口を2つも取り換えて大金を払ったのが悔やまれる。小鳥にうつつを抜かしている老人だと思ってバカにしたのなら許せない。ジジやババは怒ると怖いんだぞ!

2016年9月25日日曜日

25、朝がきて、また文鳥さん

 麻、鳥かごの布を外す順番は決まっている。最初に長老のパピ、つぎにチー。
「パピちゃん、おはよう」
「チーちゃん、おはよう」
 と名前を呼んで1羽ずつ挨拶をしていくのだけれど、反応はそれぞれだ。
 パピは最近まで黙って顔を向けるだけだったが、ここ数日は小さな声で鳴いて応えている。チーなどは必ず「ぐるるるう」と遠慮のない声で鳴いて応えるから、パピも真似をするようになったのかもしれない。ただ、パピの鳴き声はチーとは違い、ほかの子たちのように「ピッピッ」といった可愛い声だ。
 つぎに、3つ並んでいるペアの鳥かごだ。もっともユウとトビは姉妹だけど、いちおうペア。
「ユウちゃん、トビちゃん、おはよう」「チチ」「ピピ」
 鳥かごの布を外すと、トビとユウもそう応えるはずだけど、今朝は黙っていた。こういうことはときどきあって、メスのほうが反応が悪い。
「マイちゃん、ルミちゃん、おはよう」「チュンチュン」「ピピ」
「メグちゃん、ランちゃん、おはよう」「ポピ」「チュン」
 それから居間の反対側にあるスーの鳥かごの布を外す。
「スーちゃん、おはよう」「ホッホッ、ホチョチョンホチョチョン」
 パピのお株を奪ったいい声で鳴きだす。すると向かい側のクリとココが待ち切れずに鳴きだす。
「ポピポピ」「チュチュチュン」
 その布を外し 隣のミーの布も外して挨拶する。ミーはいつも
「ブルルルウ」と唸っていたけど、
「ミーちゃん、チュンチュンでしょ」と教えていたら、唸るのをやめて、スーに似たいい声で鳴くようになった。
 文鳥たちは、オスのほうが反応がいい。それにミーとパピを除けば、すぐにあやさんのところにくる。チーとスーは、あやさんがソファーに座るとすぐにくるし、続いてマイ、クリ、メグもやってくる。ルミは夫のマイと一緒に飛んでくることが多いけど、ほかのメスは誰もいないときにちょこっときたり、遠巻きにいて、たまにくるだけ。
 スーやクリにすぐ追い払われてしまうからかもしれない。フーがいたときにはピポもきて、メスのほうが優勢だったけれど、いまは若いオスが多いから、いろいろと難しい。
 ところで参考までに、上記の名前のうち、オスは7羽、メスもフーとピポを加えると7羽になる。

2016年9月19日月曜日

24.文鳥の姉妹

 最初の姉妹は桜文鳥のナナとココだったが、2羽はフーとパピの子どもで、1日違いで生まれてきた。それから4年9か月、ナナが死んでしまうまでずっと同じ鳥かごで暮らしていた。ナナとココは見た目はそっくりだったものの性格は違って、ナナは姉らしく気配りがあった。ココは臆病で自分から手のひらのプールに入ることもできなかったくせに、やることは乱暴で大胆だった。2羽はつるんでいて、大きな顔で遊んでいた。ナナはずっと兄のマイのことが好きだったようだけれど、ココは誰でもいいようであった。
 いまいる姉妹はチーとピポの子で白文鳥のトビと桜文鳥のユウだけど、こちらも生まれてからもう4年8か月、ずっと2羽で暮らしている。
 夫によると、メス同士は同じ鳥かごでよいが、オスはそうはいかないらしい。そういえばナナとココもほとんどケンカをしなかったし、放鳥してもよく一緒に遊んでいた。ユウとトビも仲良く暮らしているようだけど、たまにすごい声で唸り合っていたりする。それもトビが怒ってユウを追いかけていることが多く、何か気に入らないことがあったらしい。この姉妹も性格がかなり違う。ユウはユーモアがあって最初から人懐こいが、トビは頑固で融通がきかない。おそらくユウがトビをからかったかしてトビが本気で怒っているのだろう。
 そんなことはココとナナにはなかったものの、たまにナナがココに怒っていた。けれどもこちらはナナの小言だけで終わっていて、ケンカになることはなかった。ナナの性格はフーに似て、ココはパピに似ているのかもしれない。そして、ユウは母親のピポに、トビはチーの系統のようだ。
 ところで、たしかにメス同士はずっと一緒に暮らしていけるようだけど、問題は離れてなかなかオスと一緒にならないことだ。
 もっともナナとココには当時、相手にできるオスがいなかった。それでもいまのクリとココのカップルを思えば、あとで生まれたメグを相手にすることもできたはず。けれどもナナもココもメグにはほとんど興味を示さなかった。それにメグが興味を示したのが姉の白文鳥のトビだったから、そのせいだった可能性もある。
 そしてトビはメグの子どもを産んでユウと仲良く子育てをして、やはり2羽が離れることはなかった。
 フーがいなくなってからは、たまにユウとトビがパピの鳥かごに入っているけど、パピは3羽で暮らすことは望まないらしい。鳥かごの中でよくユウを追い回しているものの、トビは離れようとはしない。長年暮らした姉妹が分かれるのは簡単ではなさそうだ。
   (写真はユウとトビ)

2016年9月12日月曜日

23、パピとチー

  パピとチーはどちらもシナモン文鳥のオスで、この家では1番の古株だ。彼らは、フーのために迎えたピポが卵を産んでメスだとわかったので、フーとピポのお婿さんとして2週間違いで、あやさんちにやってきた。
 それはいまから6年半前の2月。そのときパピは1歳、チーは成語半年だった。2羽の性格は対照的で、荒鳥のパピは人から逃げるばかりで手を焼いたけれど、それに比べてチーは人の手が大好きな甘えん坊だった。
 パピは年上のフーと暮らし、マイたちを育てた。チーはピポとルミたちを育てた。このパピとフー、チーとピポというシナモン文鳥と白文鳥の2つのカップルが大家族の始まりだった。そして文鳥たちは14羽になったけれど、もうフーとピポはいない。
 パピには姉のナナを亡くしたココが最近まで寄り添っていたものの、いまは隣の鳥かごのチー同様に孤高の老人ふうに鳥かごにいる。ココはあれから1週間ずっとクリの鳥かごに戻っているから、向こうに落ち着いたようだ。
 パピとチー以外のいまいる10羽の文鳥たちは、みんなあやさんちで生まれて夫のさしえで育ったことになる。
 かなり性格の違うパピとチーだけど、ピポがチーと結婚してからはほとんどケンカをすることはなかった。どちらも平和主義者なのだろう。それに比べ、マイ、メグ、クリ、スー、ミーのオスたちはときどきケンカしてうなっている。若いから元気なのだろうけど、マイを除けばほかはチーの子孫ということになる。メスのココもパピの子どもだけれど、ルミ、トビ、ユウはチーの子だ。でも、チーはいまでも「グルルルルー」と唸って、いつまでも子どもっぽいから、だれも父親とみなして接していないように見える。そんなチーにとって、やはりピポは頼りがいのある妻だったに違いない。
 ピポちゃん、いまでも元気でいるかい?

2016年9月5日月曜日

22、水浴びの前に

 白文鳥のマイとシナモン文鳥のルミ夫婦は仲良しで、手のひらのプールでする水浴びも、呼び合って飛んでくる。たまにどちらかだけが飛んできたときには、相手をさかんに呼んで待っている。そして一緒に水に入って浴びるのだけれど、腕に乗ったままなかなか水に入らないことがある。
 そんなときは、水浴びの前に、すっきりしておこうというわけで、まもなく白いものを腕に残して水に入る。
 マイとルミの水浴びに1歳5か月のスーがくると、ことは複雑だ。最近ではマイがスーを追い払ってルミを呼んでいることが多いけど、スーもある程度マイに従っている。ところがメスのルミには従わないで追い出そうとして、マイに自分が追い払われている。スーはオスだけど、ルミのようにマイと一緒に水浴びがしたいようだ。
 プールに入れてもらえないスーは、そばでウロチョロして待っているものの、ときどき待ちきれないでプールに突っ込み、2羽を追い出すこともある。それからひとりで浴びているけど、そんなとき「ククッ、ククッ」と、浴びながら甘えるような声を出しているから、スーなりに何か思うところがあるのだろう。
 ときにはスーが先にきて浴びているので、マイとルミが肩に止まって待っているが、こんなときは、肩のところにフンがついていたりするから要注意だ。夫に取ってもらうものの、歓迎できない。手や腕に落とすのは構わないけど、チーなどは、こんなことはしない。
 ところで、ココだけど、1週間前のパピの一件以来、夜はずっとクリのところに入っている。パピはもう、ココに捨てられちゃったのかしら? と、思っていたら、ナント今夜は久しぶりにパピのところに戻ったココ。いったい、どういうつもり?
(ココとクリ)

 
(パピとココ)