「あれ、これはユウじゃなくココか。パピの鳥かごに入ってえさを食べている」
また、ややこしいことにならなければいいけどと、あやさんが心配していると、ココは間もなくパピの鳥かごを出てクリのところに戻った。
「ココはパピのところを自分の鳥かごみたいに思っているようだ」と夫がいったように、もうココの気持ちがパピに向くことはなさそうだけれど、どうも文鳥には自分のところのえさは大事にとっておきたいという考えがあるようだ。
クリーム文鳥のメスのランも昨夜、久しぶりに兄弟文鳥のミーの鳥かごに入った。ひとつには夫の白文鳥のメグが自分の姉に当たるやはり白文鳥のトビをまた追いかけだしたこともあってだろうけど、ランはミーと一緒に鳥かごに入って、ひたすらえさを食べていた。そしておなかが満ちたころ、鳥かごから出せとばかりに暴れた。夫が鳥かごを開けて、ランは結局メグのところに戻ったものの、これではミーがあきらめるどころか、ますますランの気を引こうとするようになってしまう。困ったものだと思うと同時に、思い当たるのは、この時期、とくにメス文鳥はほかの鳥かごのえさを食べたりしている。産卵にいい季節を迎えておなかが空くので、なるべく自分の鳥かごのえさをとっておきたいと思うのだろうか。だからといって、毎日換えるえさがしっかり減っているわけでもないのだけれど。