2017年12月30日土曜日

(42)今年もあとわずか

  酉年も終わりに近づいている。今年はヒナの誕生はなく、桜文鳥のユウが5歳を目前に他界してしまったから、今あやさんちの文鳥は11羽になっている。クリとピヨ。スーとトビ、メグとラン、この3組のカップルがきょうも卵を温めているものの、おそらくこれらの卵がかえることはないだろう。
 それは、すでに20日以上温めているのに、何の変化もないからだけど、夫は、このところの乾燥した気候のせいではないかといった。そして途中から加湿器を出してきたり、霧吹きで水をかけたりし出したものの、ちょっと遅かったようだ
 彼らが卵を抱いている期間は、放鳥しても交代で鳥かごから出て、すぐに鳥かごに戻るから、あまり手間がかからない点は都合がいいけれど、一生懸命に温めているのに1羽も生まれないのは気の毒だ。

 放鳥の順番が最後ということもあって、独身のミー(シナモン文鳥・オス・2歳8か月)だけが、いつまでも鳥かごに戻らないで、相変わらずメグとランのいる鳥かごに行って、いやがらせをしている。困ったものだが、それでもあやさんが叱ると、慌てて自分の鳥かごに戻るから、かわいいところもある。ともかくいまだに独身だから、幼稚なのは仕方ないのかもしれない。

 あと2か月足らずで9歳を迎えるパピは、すっかり飛べなくなってツボ巣に入っていることが多いけれど、1日おきには平たい水入れで水浴びもして、よくえさも食べているから、無事に新しい年を迎えられそうだ。チーは8歳4か月だけど元気で、飛ぶにも不自由がないようだ。それに比べるとマイは7歳7か月で、そろそろ飛ぶのが頼りなくなっている。足が悪いこともあって、鳥かごの中でも下に落ちることもある。それでも妻の7歳になったルミと一緒に手のひらのプールで水浴びをしているから、気持ちは若そうだ。

 まあ老鳥も多いけれど、とにかくこのまま無事に新年を迎えられそうでよかった。

2017年12月12日火曜日

(41)ルミも7歳

 12月12日はシナモン文鳥のルミの誕生日。ルミはいま、あやさんちにいるメス文鳥の中では最年長で、オスのパピ、チー、マイについで4番目に年寄りだ。夫のマイは7歳半ということになり、間に子孫は残せなかったものの、ずっと仲の良い夫婦。もともと足の悪いマイをルミは立てていて、マイは威張っているけど、水浴びのときにはルミを呼ぶなどと、けっこう優しい。
 あやさんちでは白文鳥がモテルようだから、シナモン文鳥のルミが、ほかのオスに言い寄られたようすはない。ルミとマイは、どちらも、この家で生まれてあの大震災を経験し、その後に一緒になってからずっと仲良し。

 数日前、あやさんが外出からもどると、夫がいった。
「きょうは、ルミがカーテンの糸に足を引っかけちゃって大変だったんだ」
 糸をほどくのに夫ひとりで苦労したようだけど、ルミは無事で、爪が伸びていたために切ったといった。
  みんな元気にしていても、いつ何が起きるかわからない。日々の平穏を祈るばかり。

(貫禄のルミ)

2017年12月4日月曜日

(40)短命だったチビ

 12月1日は桜文鳥のチビの命日だった。チビは生まれつき身体が弱かったにもかかわらず、3羽の子どもを残して2年前に、この世を去った。1年9か月の短い一生だった。

その子どものラン、スー、ミーは、いまも元気であやさんちにいる。ひとり残された夫のクリは、その後、年上でやはり桜文鳥のココと一緒になったものの、ココにも先立たれてしまった。そしていまは若いシルバー文鳥のピヨと暮らしているけれど、ピヨの産んだ卵は、いまだにかえっていない。
 
3兄弟は、ランとミーの関係が相変わらずで、ランは年上のメグと暮らしているけれど、ミーの気持ちは変わらないようで、ややこしい。、ミーは、ときどきメグたちの鳥かごにくっついて、いやがらせをしている。
 先日などは、ランが鳥かごにもどったのにメグがなかなかもどらなかったため、ミーがランの鳥かごに入って出なくなってしまった。こんなとき、メグは案外、気が弱くて自分が鳥かごに入って、ミーを追い出したりできない。
 夫は仕方なく、ミーが入ったまま、とびらを閉めて出かけてしまったが、ミーは、それなりにランに気を遣っているようで、借りてきた猫のようにおとなしかった。ランと仲良くえさを食べていて、ミーはランが自分に気がないのをよくわかっているようだった。
「それでも、ボクはランがすき」ということなのだろう。いちばん問題なのは、メグがしっかりしないことだと思うけど、メグは長い間、独身だったせいか、あまり家庭的な夫には見えない。いまでもたまに、よその奥さんのトビを追いかけている。父親のチーの血を引いて、どうも白文鳥が好みのようだ。そして、自分勝手かもしれない。

2017年11月15日水曜日

ポエム⑤


    「できなくっても いいんだよ」

   さかあがり

できなくっても だいじょうぶ

そのうち きっと できるから

もし、ずっとできなくても

それはそれで いいんだよ

でも、がんばるキミは すてきだよ

 

             とびばこ

        とべなくっても だいじょうぶ

        そのうち きっと とべるから

        もし、ずっととべなくても

        それはそれで いいんだよ

        たいせつなのは ちょうせんさ

 

    べんきょう

わからなくっても だいじょうぶ

そのうち きっと わかるから

もし ずっとわからなくても

おとなになれば かんたんさ

かんじんなのは 明るい気もち

2017年11月1日水曜日

(39)ピポ? いつきたの?

 大きな鳥かごが目の前にあった。まだ布がかかっていたので、外してやらなければと思う。布を外して明るくしてやると、数羽の文鳥が鳥かごから飛び出してきた。人なつこく近づいてくる白文鳥が1羽。ちょっといたずらっぽい目を向ける。

「ピポ!」
うれしくなって、さけぶ。
「ピポちゃん、いつ、帰ってきたの?」
 急いで夫に知らせようとして夢から覚めた。

今年も11月がやってきた。白文鳥のピポが行方不明になってから早や2年になろうとしている。生後8歳4か月になるから、もう死んでしまっているかもしれない。でもピポはいつまでも元気な姿のままでいる。8年前、ピーちゃんが死んでしまって、悲しみに暮れていたフーやあやさんたち夫婦を、茶目っ気たっぷりな振る舞いで慰めてくれたピポ。いまも愛しているよ。

2017年10月15日日曜日

(38)ピヨも1歳

 10月15日はシルバー文鳥のピヨちゃんの誕生日。あやさんちにきてから8か月になる。3歳7か月になるクリーム文鳥のクリと暮らして、もう10個以上卵を産んだけれど、まだ1つもかえっていない。そして、また新しく産んだ卵を温めている。
 ピヨは若くて子どもっぽいのに、体の大きさは1番。頭部が体の大きさの割には小さいので、人間でいえばファッションモデルのような体系。飛ぶときもバサバサと飛んでいて、ほかの子と少し違う。先日、カーテンレールの上でざわつく大きな音がしたので、だれかがカーテンにでもひっかかっているのかと思って慌てたら、なんと水浴びをしたピヨがブルルンと羽ばたいて水を切っている音。羽が大きい生か、羽ばたく音も違う。
 そんなピヨは、また年中ツボ巣にいて卵を抱いている。ときどきクリが交代しているものの、放鳥時に先に飛び出すのは決まってクリのほうだ。途中でクリが鳥かごに入って交代すると、ピヨが出てくるけれど、ときにはクリが遊びすぎてなかなか鳥かごに戻らなかったりするらしい。ピヨも遊びたい盛りだろうに、ちょっと気の毒だ。

2017年10月3日火曜日

(37)文鳥パピの水浴び

 パピの床での生活が始まってから1か月になるが、すっかり低い生活にも慣れたようで、いまではツボ巣に自由に出入りできる。えさもよく食べていて鳴き声もしっかりしているから、けっこう元気なようだ。今月で8歳8か月になるけれどいまでも毎日、水浴びをしている。
 水浴びは、パピの鳥かご掃除のとき、一時的に入る鳥かご内でしている。水を入れた浅い透明な容器に入れてやると、ちゃんと浴びる。もう日課になっていて、いやがるようすはない。浴び終わると容器のフチに止まっているから、自分で中に入れるだろうに、夫に水に入れてもらうのがすっかり当り前のように思っているらしい。ここで水浴びをすれば自分の鳥かごはびしょ濡れにならないから好都合ということか。

 一方同じシナモン文鳥のおじいさん(8歳1か月)チーは、相変わらず鳥かごの水飲み容器で1日に数回浴びている。夫の食事が終わると、そろそろ放鳥してもらえると思うのか、いつも水飲み容器に入ってカラカラと音を立てる。まるでお出かけ前に身だしなみを整えている若者のようだ。

2017年9月20日水曜日

(36)クリとピヨ メグとラン

 シルバー文鳥のピヨは、先日の卵2つに加え、その後に産んだ卵が5つ。合わせて7つの卵を温めている。写真はクリーム文鳥の夫・クリと、鳥かごから出て、つかの間の休息。仲がいい。

 

 白文鳥のメグとクリーム文鳥のランも近頃は仲良しだ。メグが追いかけていた白文鳥のトビにスーという夫ができたから、メグもあきらめたらしい。このようにペアになれば落ち着くのだけど、若いシナモン文鳥のオス・ミーの相手はまだいない。だから、いまでもときどきメグとランの鳥かごの上や横にくっついて嫌がらせをしている。困ったものだ。

2017年9月7日木曜日

(35)パピは床の生活

 8歳半を過ぎた老齢のオス文鳥・パピちゃんは、もう止まり木にも上がれない。そのため低い位置に取り付けたツボ巣にも入れなくなった。ときどき、そのツボ巣の下でじっとしている。このままではえさ入れのえさも食べられないので、平べったいお皿にえさや水を入れることにした。すると、パピはときどきえさの入ったお皿にちょこんと乗っている。これだと、足の納まりがいいのかもしれない。

 ツボ巣はもう1つ、鳥かごの床に布で固定して置いた。これなら低いので、自分で出られる。けれども夜になって入るときは、夫が鳥かごに手を入れてパピをツボ巣に移している。
 そのときもそうだけど、鳥かごそうじのときも、夫はパピに手をかまれる。パピの鳥かごそうじのときは、別の鳥かごに移さなければならないけど、パピはバサバサして逃げようとする。それを夫が捕まえると、夫の手にかみつくらしい。
 パピはいまだに、人間の手はこわいようで、生まれてからしばらく手乗りでなかったことの後遺症はなかなか消えない。それでも、だんだん、やさしくかむようになったというから、反射的にかんでしまうのだろう。
 そんなパピの頭を夫がなでてやると、おとなしくなるという。

 鳥かごそうじのときに移る鳥かごに、低い透明な入れ物に水を入れておいたところ、きょうになって、ようやくそこに入って水浴びをした。3日ほど前には、ほとんど水の入らない平たい水飲み容器で浴びようとしたらしく、えさや辺りの新聞紙が濡れていた。飛べなくなっても、たまには水浴びがしたいようだ。

2017年8月28日月曜日

(34)チーも8歳

 シナモン文鳥のチーも先日24日で8歳になった。ということは同じシナモン文鳥のオスのパピは8歳半になったことになる。けれどもチーは半年前のパピに比べて、かなり若々しい。水浴びも飛び方も以前とあまり変わらないように見える。性格もそのままで、ときには青菜をセットするあやさんの手を突っついたりする。それも「ぐるるるうー」といいながら。
 思わず「チー、やめて、痛いわよ」と叱ってしまうけど、チーは甘えているつもりのようだ。歳をとっても変わらないということは、あまり成長していないということなのだろうか? 曾孫までいるおじいさんだけど、チーは相変わらず子供っぽい。。

(8歳になったチー)
 

 ピヨが産んだ初めての5つの卵はかえらなかったものの、おととい、きのうと続けてピヨがまた卵を産んだ。これからどうなるかわからないけど、まだあまり期待しないほうがよさそうだ。

(ピヨのたまご)
 

 

2017年8月21日月曜日

(33)ツボ巣をきれいに

 シルパー文鳥のピヨが産んだ5つの卵がかえることはなかった。もう、白文鳥のクリもピヨもすっかりあきらめたようすで、朝、鳥かごの布を外すと、2羽ともツボ巣から出ている。3日ほど前までは、朝はいつもピヨがツボ巣に入っていた。しばらくすると、クリが交代でツボ巣に入り、ピヨが盛んにえさを食べていたけれど、もう、かえらないとわかったらしい。
 きょう、いよいよ、鳥かご掃除のときに夫がツボ巣から卵を取り除いた。ピヨはまだ1歳にもなっていないから無理だったのかもしれない。
 桜文鳥のチビがクリと卵をかえしたのは、1歳1か月で、この家では1番若くしてヒナをかえした。いまでも、よくチビはあの小さい体で4羽のヒナをかえしたと関心するけど、ピヨには、これから何度もチャンスがあるだろう。

 ところで手のひらの水浴びは、予想通り、4羽が飛んできても、マイが威張ってスーたちより先に浴びている。スーとトビは、そのあとで、長々と浴びているけど、これはトビのためにスーが手のひらのスペースを空けたりしているからだ。トビはスーの横に恐る恐る入ったり、上に乗ってしまったりしながらだけど、一緒なら浴びられるようになった。あまり長く浴びていると、マイたちが戻ってきて、スーたちを追い出したりする。手のひらの水浴びは自分たちの特権とでも思っているのだろうか。文鳥さんは、けっこう意地悪だ。

2017年8月14日月曜日

(32)トビの水浴び

 白文鳥のメスで5歳半のトビは、これまで長年、鳥かご内の水のみ容器で水浴びをしていた。一方、一緒になった若いオスでやはり白文鳥のスー(2歳4か月)の水浴び場所は、前にも書いたように3か所で、どこでも自由に浴びている。
 最近トビは、スーとならソファーの上の容器で浴びることもできるようになったようだけど、手のひらのプールにはスーに着いてくるものの、まだ入れなかった。あやさんの腕まではくるものの、そこから先は怖いようで、スーが上げる水しぶきを受けるだけだった。
 そんなことが2か月ほど続いていたけれど、きょう、初めて、スーの横にトビが入って、両足をあやさんの手のひらにつけて、羽ばたくことができたのだ。 そして調子よく浴びていたら、常連のマイとルミが飛んできて、トビたちは追い出されてしまったけれと、頑固なトビが前進したのは、特筆すべきことだろう。 こうなると、またマイたち夫婦と浴びる順番争いが始まりそうだけど、スーはあまり争いを好まないから、マイが威張って先を取ることになりそうだ。
 チーは近ごろ、ひとりで浴びるのはつまらないのか、手のひらのプールにはこない。いつも放鳥前に鳥かご内で浴びていて、その後も何度か水飲み容器で浴びているから、チーの鳥かごのトレーはいつも水がたくさんたまっている。そのため水飲みの水は日に何回も取り換えることになる。

  写真はピヨの産んだ卵で、一生懸命に温めているものの、まだかえらない。
   


2017年8月7日月曜日

(31)ピヨちゃんの大きなフン

  いま卵を温めているシルバー文鳥のピヨちゃんは大変だ。朝に鳥かごの布を外すと、いつもピヨがツボ巣にいて卵を抱いている。クリもおなかを空かしたピヨがツボ巣から出てくると、代わりにツボ巣に入っているけれど、ピヨがツボ巣に入っている時間のほうがずっと長い。だからフンがたまっていて、大きなフンになる。それにしても大量だと、夫が驚いていた。
 とにかく真面目に抱卵しているようだけど、それでも今日のところは、まだヒナが生まれた様子はない。

けれども、きのうの朝、最長老のパピが久しぶりに「ホッホ、ホチョチョンホチョチョン」とさえずって、きょうの昼間も、けっこう元気な声をあげていたのが気になる。
 パピには新しい生命が誕生しようとしているのがわかるのだろうか?
 昔、パピの子どもが生まれるとき、ヒナが卵の殻を割るのを応援するように、鳴いていた。このところほとんど声をあげなかったパピが鳴いたのは、ピヨたちのヒナの誕生と関係あるのだろうか。
 ここ2、3日で、何かわかるかもしれない。

2017年7月28日金曜日

(30)ピヨのたまご

 シルバー文鳥のピヨちゃんが卵を4つ(5つかもしれない)産んだ。産み終わったら温めだしたものの、まだ頼りない感じ。夫のクリは、すでにチビとの間に3羽のヒナを育てた経験があり、こちらもときどきピヨに代わってツボ巣に入って温めているけれど、チビのときは、チビが小さな体で一生懸命にかえして育てた印象が強いから、クリもあまり当てにならない気がする。
 どこかぎこちないチームワークのように思っていたら、数日前、急に2羽が鳥かご内で暴れ出した。見るとクリがピヨに追いかけられて逃げ回っている。ピヨは体が大きいので、逃げ回るクリも大変そうだ。叱るといったん静かになったものの、また追いかけっこが始まって、行ってみると、今度はクリがピヨを追いかけている。お互い何か気に入らないようなのだ。あんまり暴れるので、この日は早めにピヨとクリの鳥かごを開けた。すると、2羽とも勢いよく飛び出して遊び回っていた。
 ピヨはまだ生後9か月だから、卵をじっと抱いているのは無理で、クリとの思い違いでケンカしていたのかもしれないと思ったが、夫に話すと、
「それは2羽で追いかけっこして運動していたんだよ」ということになった。
 あやさんには、遊びというよりもケンカそのものに見えたけど、本当のところはわからない。それでも、その後に、あのような追いかけっこはしていないようなので、やはり、あのとき2羽の間に何らかの行き違いがあって、ケンカをしていたのではないだろうか。
 このままいけば、8月上旬にはかわいい声が聴けるかもしれない。

2017年7月22日土曜日

(29)スーは平和的

 白文鳥のスーは2歳3か月でこの家のオスの中では、一緒に生まれたミー(シナモン文鳥)と共にいちばん若い。ミーはまだ独身で、相変わらずメグに攻撃的だけど、年上のトビと暮らしているスーは、争い事が嫌いなようだ。
 最近、スーの水浴びは3か所になっていて、ソファーの上の水浴び容器ではトビと一緒に入って浴びている。それから鳥かごの水飲み容器だけれど、こちらは1羽が入るのがやっとだから、それぞれ勝手なときに浴びている。もう1カ所は水道の蛇口下の手のひらのプールで、スーはもともと、よくここで浴びていた。そこへトビも飛んできて一緒に浴びようとするものの、なかなかトビは入れない。怖いのだ。手のひらのプールに入るには、それなりの勇気が必要なのだろう。蛇口から出る水を受ける手に乗るのは、用心深い文鳥にとっては簡単ではないのかもしれない。マイなどは、手のひらでしか浴びられないから、毎日そうして、すっかり慣れてしまっているけど、トビはスーが浴びる場所を譲ってプールから出てしまうと、ひとりでは入れない。スーと一緒に入るのならいいのだろうけと、モタモタしていてなかなか入らない。
 手のひらのプールでは、飛んできた順番に浴びれば問題ないが、なかなかそうもいかないで、オス同士は順番をめぐって争う。もっとも、ここにくるオスは、マイとスー、それにチーだけで、近頃ではチーはただ邪魔をするだけに飛んでくる。そしてチーは昔からマイにかなわない。けれどもチーはスーには強い。スーはチーにうなられると、すぐに飛んで行ってしまう。相手がひいじいさんだから、関わりたくないのか、スーは賢いから無駄な争いはしない。ミーとランとスーで一緒に暮らしていたときも、スーはいつもランとミーの間に入って、2羽のケンカを止めていた。文鳥でもやはり賢い者はやたらに争ったりはしないようだ。

2017年7月15日土曜日

(28)ダルマインコのタマ

 前回タマちゃんのことを思い出したので、タマちゃんについて、少し書いてみよう。体の大きさは文鳥に比べるとずっと大きくて尾が長かった。全体に緑色っぽいが赤い部分もあってカラフルな鳥、性格はけっこう凶暴で、母にしかなついていなかったように思う。くちばしが鋭くて、やたらに手を出すと、突っつくから大変なため、妹が母に代わって鳥かご内を掃除するときは、ゴム手袋をはめ、しかも先までは指を入れずに注意深くやっていた。
 そんなタマちゃんが32年半も長生きしたのは、何といっても食べ物がよかったからだろう。何しろ、毎日、何種類ものえさをもらって食べていた。覚えているだけでも次のようなものがある。

   インコのえさ ②ボレー ③麻の身 ④ひまわりの種 ⑤小松菜 ⑥りんご ⑦クルミ⑧きゅうり ⑨水
 そのほか、ときどきパンのミミやカステラなどももらって食べていた。卵の黄身も少し食べていたように思う。とにかく栄養満点なのだ。
 放鳥は、体が大きくて、飛んだら家の鴨井にぶつかって落ちたため、その後はずっと鳥かごから出ない生活だった。それもケガをしにくいので、長生きに寄与したように思う。
 タマちゃんの生活は、家人や家に来る人々を観察して、結構楽しみ、歌をうたって、昼寝して、おいしいものを食べて、いじめられることもなく、平和な一生だったように思う。
 タマちゃんは家の電話が鳴ると知らせていたけど、朝いつまでも寝ている私に、起きろとばかりに、鳴いて寝過ごさないようにしてくれたこともある。やかんのお湯が沸騰しているのを妹に教えたり、タマちゃんなりに何かと気を遣っていたようだ。そして、タマちゃんが亡くなる前夜には雄たけびを上げたとも聞いた。
 晩年には少し呆けたものの、ほとんど病気もせず、大往生だった。まさか飼い主の両親より長く生存するなんて、当時はだれも想像しなかったはず。そんなタマちゃんの死を妹から知らされたとき、とうとうタマちゃんも両親のもとへ行ったかと感慨深く思ったものだ。多分、妹たちの様子を土産話に飛んで行ったことだろう。

2017年7月7日金曜日

(27)7月7日は七夕

 きょうは七夕。朝、文鳥たちの鳥かごの新聞を換えながら、

♪ささの葉 さ~らさら ♪~ なんて気分よく口ずさむ。

 もちろん文鳥さんには、なんのことかわかりっこないけれど、歌を聴くのは悪くない様子。ついでに 
 ♪天の川のあっちには~♪ と歌ってみたけれど、どうも正確な歌詞が出てこない。あきらめずに思い出す努力をする。思い出したら頭の中の伝達回路が通じるから、ボケ防止にいいらしいけど、やはり、そう簡単には出てこない。文鳥さんが相手なので安心して、お得意のデタラメソングとなる。
 代わりに思いだしたのは、長寿だったダルマインコの“タマちゃん”のこと。いまはダルマインコを過程で飼うことはできないようだけど、いまから40年以上前に、母がペットショップから生後3か月というダルマインコを買ってきた。タマちゃんと名付けられて、母や父が亡くなってもさらに、妹のところで飼われて32年半も生きた。このタマちゃんが妹の家で飼われていた晩年には、得意の歌の歌詞を途中までしか歌えなくなってしまっていた。

♪もしもし かめよ かめさんよ。世界のうちで おまえほど 歩みののろい者はない。(どうして)そんなに のろいのか♪

この歌の(どうして)の部分は最初からうまく歌えなかったものの、教えた当時はちゃんと最後まで歌詞を覚えて、長年そのまま歌えていた。
 それが、よる年波には勝てなかったようで、途中までしか歌えなくなった。それでも短すぎると思ったのか、「世界の内で」までくると、また最初に戻って「もしもし かめよ~」と繰り返していた。インコも人間も同じだと思うとみょうにタマちゃんがなつかしくなった七夕の日。お空にはタマちゃんの星もあるのだろうか。

2017年7月1日土曜日

(26)チーは白文鳥が好き

 シナモン文鳥のおじいさん、チーじいちゃんは、相変わらず白文鳥が好きなようだ。
生後半年でこの家にきたとき、メスの白文鳥が2羽いた。年上のフーと、チーと同い年のピポで、チーは年上のフーに一目ぼれしてしまった。やがてフーがパピの妻だとわかっても、ずっとフーを追いかけていて、フーには嫌われていた。そしてピポと一緒になっても、フーを追いかけるのは続いたが、ピポはフーが大好きだったから、それほど気になっているようでもなかった。
 そして、仲良く暮らしたピポが突然、失踪してしまい、ピポを想っての寂しい日が訪れた。それでも、ほかの文鳥たちには目もくれなかったチーだったけど、最近、白文鳥のトビに気がでてきた。トビはチーとピポの子どもで、白文鳥だけあってピポによく似ている。
 ところがトビにはいま夫がいて、白文鳥のスーと仲良く暮らしている。困るのは手のひらのプールで水浴びをするときだ。スーが浴びている横に一緒に入ろうと、トビが恐る恐る手のひらに下りてくると、一緒に飛んできてあやさんの肩に止まっていたチーまでも下りてくる。そして、スーとチーのケンカになって、トビは水に入れずに飛び去ってしまう。
 せっかくトビが手のひらのプールに挑戦し始めたというのに、チーはただ邪魔をしにやってくる。パピより半年若いせいか、チーはおじいさんといっても、まだまだ気は若く、あまり昔と変わらない。

2017年6月23日金曜日

(25)パピはすっかりおじいさん

  シナモン文鳥のパピが8歳になってから4か月が経った。もうすっかり老鳥というふうで、ツボ巣のある最上段の止まり木まで上がれなくなってしまった。この前までは2つあるツボ巣に交互に入っていたのに、もう自力で入れない。その下の2段目の止まり木にいることが多く、それより低いえさ入れに続く止まり木にいたりもする。以前は、用事のあるときだけ使っていた止まり木だ。
 ときには鳥かごの下に落ちたりするため、夫が止まり木の高さを工夫した。
 写真のように、止まり木全体を低くしたら、ツボ巣の位置も下がり、これなら容易に中に入れる。それに止まり木から下に落ちても大したことはない。老齢のパピにはピッタリのレイアウト。パピも満足しているようで、またよくツボ巣に入っている。えさ入れや水飲み容器にもスカイカフェからスムーズに移動できる。元々不器用なパピだけど、こちらのいうことはよくわかって、
「パピちゃん、ちょっとどいて」などと青菜を換えるときにいえば、ヨチヨチと横ばいに動いて、ちゃんとよけてくれる。
 こうしてパピの不自由さは、かなり解消されたようだけど、もう、放鳥時にパピが鳥かごから出ることはない。

(右の鳥かごはチー)

2017年6月16日金曜日

(24)3羽のオス文鳥

 いま7つの鳥かごに11羽の文鳥が入っている。ペアで入っているのが4つ、あとの3つの鳥かごには1羽ずつ入っている。パピ、チー、ミーの3羽のオス文鳥がひとり身で、それもシナモン文鳥ばかり。
 パピとチーは、8歳4か月とまもなく8歳になる老齢で、伴侶に先立たれたりした身だから、しょうがないとしても、ミーはまだ2歳2か月で若い。
 そんなミーは、もうクリのところに行ってしまったピヨに、きのうあたりチョンチョンダんスをして、いい寄っていたそうだけど、いまさらおそいよ。やはりピヨに足をつつかれそうになっていたという。ドジといえばドジだけど、自分のことがよくわかっていないらしい。まあ、そのうちにはピヨかランの卵がかえって、相手にも恵まれるだろう。
 それにしても、桜文鳥のメスが4羽とも死んでしまったり、シナモン文鳥のオスがみんな独身になっていたりと、変に揃ってしまっている。偶然だろうが、桜文鳥は1羽もいなくなってしまった。シナモン文鳥はメスも1羽いる。マイの伴侶のルミだけど、ルミはいまメスの中で1番年長だ。6歳半になったルミは、もう卵を産まないようだし、マイがやさしいから、メスでも長生きできるかもしれない。

写真は、ひとりぼっちのミー。
 
 

2017年6月8日木曜日

(23)文鳥クリとピヨ

 

 

 
 上の写真はクリーム文鳥のクリとシルバー文鳥のピヨ。もう、すっかり仲良しになっている。ピヨは本当はシナモン文鳥のミーのお嫁さんになるはずだったのに、クリと一緒になってしまった。
 前回、書いたときは、クリはまだ寂しそうで、ピヨに気があるようには見えなかった。ところが、その翌日にはピヨに言い寄ったらしい。そしてあくる日の夜には夫の手にクリと一緒に乗って、クリの鳥かごに入った。予定を狂わされた夫は、
「せっかくミーのために連れてきたのに、ミーがボヤボヤしているからだ」と不満そうだったが、これもココが死んでしまったいま、そうなる可能性はあった。それに、クリのほうがピヨには合っているかもしれないと、あやさんは思った。ピヨはミーに比べて体が大きいし、かなり活発だ。またミーは曾祖父に当たるチーに似て、白っぽい文鳥が好きらしい。いまだにランに気があるようなのだ。
 とにかくクリとピヨは、もうすっかり仲良しになり、ミーもそれほど気にしていないようすなので、これでよかったような気もする。クリとピヨの子どもができたら、ミーの相手になるかもしれない。

2017年6月2日金曜日

(22)独身のオス文鳥4羽

 今年になって桜文鳥のメスが2羽、死んでしまい、また独身のオス文鳥が増えてしまった。
 最高齢のパピは今月には8歳4か月になる。ユウが死んでしまってからは、ほとんど鳥かごから出ない生活になった。換羽のせいもあるだろうけど、寄る年波には勝てないといった感じ。鳥かごのえさや水を換えるときも邪魔にならないように鳥かご内を移動するだけで、鳥かごからは出ない。
 たまには出してやりたいと思うのだけど、自分で鳥かごに戻れないし、ひとりでは手に乗ってこないから戻すのが難しい。それに、飛んでもうまく止まれなかったりするから、どこかに落ちたりぶつかったりする危険が伴う。何といってもパピ自身に自信がないせいか、あまり出たがらない。出ないほうが長生きできそうだ。やはり、成長期の生後1年間、放鳥されなかったツケは大きいようだ。
 パピに比べ、やはり老齢のシナモン文鳥であるチーは、最初からよく人になついていて、ピポがいなくなってからも放鳥すると、夫やあやさんにくっついていることが多い。あと3か月で8歳になるものの、パピと違って、若いオス文鳥と唸り合ったりもしている。もっとも、唸るのはチーのくせでもあったから、持ち前の性格そのままってことなのかもしれない。
 クリーム文鳥のクリは、ココが亡くなってしまったので、まだ少し寂しそうだけど、放鳥後はミーやピヨたちと一緒に飛んでいる。いまのところピヨに関心があるように見えないから、シルバー文鳥のピヨは1番若いシナモン文鳥のミーとそのうち一緒になるだろう。

2017年5月27日土曜日

(21)文鳥ピヨちゃんの進歩

 シルバー文鳥のピヨがこの家にきてから、もうすぐ4か月になる。生後7か月をすぎて、だいぶ環境に慣れてきた。1番の進歩は、自分の鳥かごに戻れるようになったことだ。それまでは暗くなるのを待って、夫がピヨを捕まえていたから、日没が遅くなると、ややこしくなった。ほかの鳥かごに布をかけてからピヨを捕まえる。だんだん逃げるのが上手になってきて、夫は何度も明かりを点けたり消したりして、やっと捕まえるありさまだった。
 それが数日前のことだ。いつものように7時ちょっと前、テレビから気象情報のメロディーが流れると、夫がピヨ以外の鳥かごに布をかけたが、そのあと明かりを消さずにピヨを放っておいた。
 さっきまで一緒に遊んでいたミーもいなくなりピヨだけが取り残されたまま、捕まえてもらえない。そこで、みんなを見習わなければと思いだしたのかもしれない。初めて自分で鳥かごに戻った。そして、それからは、ちゃんとひとりで戻れるようになった。ただ、相変わらず1番最後に戻っている。もっともそれは放鳥の順番が最後というせいもあるだろう。
 2週間ほど前には、あやさんの手に乗ってえさを食べた。ほかの文鳥の真似をしようとしているようだから、このままいけば手乗りに近くなるかもしれない。ミーとは鳥かごが隣同士で放鳥もほぼ同時だから、一緒に行動していることが多い。それもすでに鳥かごに戻っているメグやランの上に止まって、中のメグと唸り合っていたりする。ピヨは唸っていないようだけど、ミーを真似て同じようにメグたちに、いやがらせをしているようだから、2羽は仲がよさそうだ。
 そこで、夫が先日、ピヨの鳥かごにミーも入れた。そのまま静かに朝を迎えた2羽だったけれど、朝に布を外すと、大変。ピヨが自分のえさを奪われるとでも思ったのか、ミーを追い出そうとする。体の大きいピヨに追い回されるミーが気の毒で、すぐにミーを隣の鳥かごに戻した。まだ一緒に暮らすのは無理なようだ。

2017年5月19日金曜日

(20)ランとメグの子

 先日の母の日に生まれたメグとランの子ども。夫が見たときには頭をあげて、黒っぽい瞳でこちらを見たという。すると白文鳥か桜文鳥かと、その日一日中、あやさんの心は踊った。
 その翌日のことだ。夫が鳥かごの掃除をするときに、ツボ巣をのぞいていった。
「あれ? ヒナが動いてないぞ」
「寝ているんじゃないの?」というと、
「そうかも」と、頼りない返事。とにかくまだ鳴き声を聞いてないから心配だ。
 少したってもヒナはそのままのようだった。
「きのうは、動いてこっちを見たのに」といいながら、夫がツボ巣を鳥かごから出す。前からツボ巣にそのままになっている幾つかの卵をどけて、。
「かわいそうに。つぶされちゃったんだな」といった。小さな茶色っぽい塊を取り出して、あやさんに渡す。。
「メグかランが、小さいから踏みつぶしちゃったようだな」
 ふたりは恐らくメグだろうと離したが、なんでも、生まれてから4日くらいは、こういうことがあるので安心できないらしい。
「そういえばピポがルミを産んだときも、1つヒナの死体があったな」と夫がいったけれど、フーの子も最初のうちはそうだった。せっかく固い殻を自力で破って出てきたというのに残念だけど、こうして失敗をしながら親鳥はヒナの育て方を学んでいくのだろう。ランとメグの卵がかえることがわかったから、今後に期待が持てそうだ。
 次の日、夫はメグたちのツボ巣を新しいものに変えた。そしてメグが気遣うようにランに優しく接する光景が見られた。

 ランは今朝、何も入ってないツボ巣にいた。これからまた、卵を産み始めるのかもしれない。やはりメスは大変だと思う。

2017年5月14日日曜日

(19)生まれた?

 きょうは5月14日、母の日だ。息子からは何もないものの、先ほど夫から、うれしいことを知らされた。
「メグとランのところに、もっと青菜をやったほうがいいぞ」
 夫にそういわれて、あやさんが、何? と思っていると、
「いま、ランのツボ巣をのぞいたら、ヒナが生まれたらしいんだ」という。
 だとしたら、耳を澄ましても鳴き声がしないから、まだ生まれたばかりのようだ。何といってもメグが鳥かごを開けても出てこない。ヒナを守っているようだ。
「ランの卵は、ずっとダメだったけど、最後に1つだけ生んでいたのがかえったらしいな」と夫はいう。
 すると4月の下旬に産んだ卵らしい。それも1つだけだったそうだから、充分に抱卵されたのだろう。
  今年になってユウが死に、4日前にはココも死んでしまったので、みんななんとなく沈んでいた。新しい生命の誕生となれば、みんなの気持ちが明るくなるだろう。ランちゃんもやっとお母さんになれる。このヒナがメスなら申し分ないけれど、そんな贅沢はさておき、とにかく無事に育ってくれればいい。

2017年5月11日木曜日

(18)ココちゃん、さよなら

 5月10日、桜文鳥のココは前日までは元気だった。その前日の8日には、久しぶりにソファーであやさんが手にえさをのせると、クリとココが飛んできてえさをついばみ、寄って来るほかの文鳥たちを追い払っていた。ココは長く陣取って、えさをよく食べていた。
 そして10日の朝も、いつもと変わらないようすだった。それが、あやさんが夕方、外出から戻ってくると、夫がいった。
「ココの様子がおかしいんだ」
 午後の放鳥時に鳥かごから出なかったという。
「ツボ巣の中で丸まっているけど、もうダメかもしれないな」
「どうしたのかしら?」
「あの卵管脱のせいで、ダメージがあったのかもしれないな。もう老齢だし」
 それでもあとで、あやさんが鳥かごをのぞいたとき、ココはツボ巣の中からこちらを見ていた。クリは心配そうにそばの止まり木でじっとしていた。鳥かごに暖房器を取り付けて布をかけ、そのまま寝かせた。
 それから1時間もたたないうちに、暗い居間から変な騒ぐ声がした。クリの声だった。夫が覆いの布を外して、中からスカイカフェに乗って動かなくなっているココを取り出した。えさを食べようとしてそのまま死んでしまったらしい。もう死後硬直が始まっていた。
 たしかにココはもう老齢だった。メスの中では最年長の6歳10か月で来月には7歳になるはずだった。同時に生まれた姉のナナは腫瘍がもとで2年前に死んでいる。ココはそれから2年も生きて、パピにもクリにももてて、クリと結婚した。ナナに比べれば晩年はいい人生だったかもしれない。けれどもあと1年余は生きると思っていた。ココだってそうしたかっただろう。あまり長く苦しまないで死んでいったことがせめてもの慰めだ。
「ココちゃん、ナナとフーのところで安らかに眠ってね。かわいかったよ」
 翌日のきょう、ココを七とフーたちの眠る庭の隅に埋葬した。桜文鳥ばかりが死んで、4羽いた桜文鳥がみんないなくなってしまった。メスばかりで、メスでこれまで1番長生きしたのは満身創痍のフーだった。フーはココの母親だけと白文鳥で7年半生きた。桜文鳥は文鳥の中では比較的丈夫って聞いていたけれど、その話は本当なのだろうか。
 またクリが独り残されて寂しそうだ。

2017年5月3日水曜日

(17)きょうはマイの誕生日

 きょう5月3日は憲法記念日だけど、マイの誕生日でもある。
 7年前、この家で初めて卵がかえって、マイが生まれた。白文鳥のフーとシナモン文鳥のパピとの間に生まれた白文鳥のオス。フーとパピが一生懸命にえさを食べさせていたのを思い出す。その後、次々に生まれたものの、マイの誕生は特別に感動的な出来事だった。
 やがてマイの足の指が内側に曲がっていることに気づいたが、それは治らないものだった。うまくつかんだりできないため鳥かごのブランコには乗れないし、止まり木にいるよりスカイカフェに入っていることのほうが多い。それでもずっと威張ってきたのは、自分が「最初に生まれた子」という自覚があったからかもしれない。そんなマイには優しいところがあり、妻になったルミとの間に子どもは誕生しなかったものの、いつもルミを気遣っている。2日前に夫がマイの爪が足の裏に当たっているのに気付いて、少し爪を切ったけれど、マイはまだ痛そうにしていて気の毒だ。

写真は1歳1か月のとき(上)と、きょうのマイ(下)

 

2017年4月22日土曜日

(8)テロ等準備罪「共謀罪」の法案

「これでは、日本がますます変な国になってしまう」
 これがこの法案の国会審議などを見て思ったことだ。そもそも担当大臣にすらよくわかっていない法が国会で承認されるようなことがあって良いのかということ。この状態をみただけで、国民に内容を知らせるつもりはないように見える。おそらくあまり知られたくないのだろう。
 わたしは法律に詳しくはないが、しかし、何も犯罪を犯さないうちに罪人をつくって罰することなどあっていいのだろうか。この考え方で行けば、権力を持ったものがその気になれば、自分たちと考えの違う者を簡単に取り締まれるということになるのではないか?
 もし、わたしたちの文芸サークルに過激な文章を書く人が入ってきて、一緒に活動していたら、どうなるのだろうか?
 そんな心配が沸いてきて、やたらグループには属さないほうが安全だということにもなってくる。社会がこんな風潮におおわれたら、人々は委縮し、ますますやる気をなくすだろう。そうなったら活力のある社会など、とても望めない。行きつく先は猜疑心に満ちた社会だと容易に想像できる。人としての自由がない社会ほど生きる価値が見い出せない社会はない。
 科学者や専門家の意見を軽視している政治屋のおじさんに、何がわかっているのかと、はなはだ疑問で、この法案の恐ろしさを多くの人に知ってほしいと思った。
 古くは「三鷹事件」もそうであったが、最近でもボランティア活動をしていたほとんど政治的に問題のない労組員が、たまたま労組の役員だったという理由で、子どもを保育園に送って行ったその場所で逮捕された事件をしっている。こうなると彼が罪を認めない限り家には帰してもらえなかった。どちらもおかしな内部告発者によってデッチアゲラレタ事件である。
 たった1人の組合員の密告で、罪のない数人の労組員が逮捕された事件だったが、このような事件はこれまででさえ数えきれないほど起きている。この法案が施行されれば冤罪の恩パレード、もしくは死んだような社会が生まれるだろう。だからこそ、これまでに何度も廃案になってきた。今度も廃案にしなければならない。