2017年5月27日土曜日

(21)文鳥ピヨちゃんの進歩

 シルバー文鳥のピヨがこの家にきてから、もうすぐ4か月になる。生後7か月をすぎて、だいぶ環境に慣れてきた。1番の進歩は、自分の鳥かごに戻れるようになったことだ。それまでは暗くなるのを待って、夫がピヨを捕まえていたから、日没が遅くなると、ややこしくなった。ほかの鳥かごに布をかけてからピヨを捕まえる。だんだん逃げるのが上手になってきて、夫は何度も明かりを点けたり消したりして、やっと捕まえるありさまだった。
 それが数日前のことだ。いつものように7時ちょっと前、テレビから気象情報のメロディーが流れると、夫がピヨ以外の鳥かごに布をかけたが、そのあと明かりを消さずにピヨを放っておいた。
 さっきまで一緒に遊んでいたミーもいなくなりピヨだけが取り残されたまま、捕まえてもらえない。そこで、みんなを見習わなければと思いだしたのかもしれない。初めて自分で鳥かごに戻った。そして、それからは、ちゃんとひとりで戻れるようになった。ただ、相変わらず1番最後に戻っている。もっともそれは放鳥の順番が最後というせいもあるだろう。
 2週間ほど前には、あやさんの手に乗ってえさを食べた。ほかの文鳥の真似をしようとしているようだから、このままいけば手乗りに近くなるかもしれない。ミーとは鳥かごが隣同士で放鳥もほぼ同時だから、一緒に行動していることが多い。それもすでに鳥かごに戻っているメグやランの上に止まって、中のメグと唸り合っていたりする。ピヨは唸っていないようだけど、ミーを真似て同じようにメグたちに、いやがらせをしているようだから、2羽は仲がよさそうだ。
 そこで、夫が先日、ピヨの鳥かごにミーも入れた。そのまま静かに朝を迎えた2羽だったけれど、朝に布を外すと、大変。ピヨが自分のえさを奪われるとでも思ったのか、ミーを追い出そうとする。体の大きいピヨに追い回されるミーが気の毒で、すぐにミーを隣の鳥かごに戻した。まだ一緒に暮らすのは無理なようだ。

2017年5月19日金曜日

(20)ランとメグの子

 先日の母の日に生まれたメグとランの子ども。夫が見たときには頭をあげて、黒っぽい瞳でこちらを見たという。すると白文鳥か桜文鳥かと、その日一日中、あやさんの心は踊った。
 その翌日のことだ。夫が鳥かごの掃除をするときに、ツボ巣をのぞいていった。
「あれ? ヒナが動いてないぞ」
「寝ているんじゃないの?」というと、
「そうかも」と、頼りない返事。とにかくまだ鳴き声を聞いてないから心配だ。
 少したってもヒナはそのままのようだった。
「きのうは、動いてこっちを見たのに」といいながら、夫がツボ巣を鳥かごから出す。前からツボ巣にそのままになっている幾つかの卵をどけて、。
「かわいそうに。つぶされちゃったんだな」といった。小さな茶色っぽい塊を取り出して、あやさんに渡す。。
「メグかランが、小さいから踏みつぶしちゃったようだな」
 ふたりは恐らくメグだろうと離したが、なんでも、生まれてから4日くらいは、こういうことがあるので安心できないらしい。
「そういえばピポがルミを産んだときも、1つヒナの死体があったな」と夫がいったけれど、フーの子も最初のうちはそうだった。せっかく固い殻を自力で破って出てきたというのに残念だけど、こうして失敗をしながら親鳥はヒナの育て方を学んでいくのだろう。ランとメグの卵がかえることがわかったから、今後に期待が持てそうだ。
 次の日、夫はメグたちのツボ巣を新しいものに変えた。そしてメグが気遣うようにランに優しく接する光景が見られた。

 ランは今朝、何も入ってないツボ巣にいた。これからまた、卵を産み始めるのかもしれない。やはりメスは大変だと思う。

2017年5月14日日曜日

(19)生まれた?

 きょうは5月14日、母の日だ。息子からは何もないものの、先ほど夫から、うれしいことを知らされた。
「メグとランのところに、もっと青菜をやったほうがいいぞ」
 夫にそういわれて、あやさんが、何? と思っていると、
「いま、ランのツボ巣をのぞいたら、ヒナが生まれたらしいんだ」という。
 だとしたら、耳を澄ましても鳴き声がしないから、まだ生まれたばかりのようだ。何といってもメグが鳥かごを開けても出てこない。ヒナを守っているようだ。
「ランの卵は、ずっとダメだったけど、最後に1つだけ生んでいたのがかえったらしいな」と夫はいう。
 すると4月の下旬に産んだ卵らしい。それも1つだけだったそうだから、充分に抱卵されたのだろう。
  今年になってユウが死に、4日前にはココも死んでしまったので、みんななんとなく沈んでいた。新しい生命の誕生となれば、みんなの気持ちが明るくなるだろう。ランちゃんもやっとお母さんになれる。このヒナがメスなら申し分ないけれど、そんな贅沢はさておき、とにかく無事に育ってくれればいい。

2017年5月11日木曜日

(18)ココちゃん、さよなら

 5月10日、桜文鳥のココは前日までは元気だった。その前日の8日には、久しぶりにソファーであやさんが手にえさをのせると、クリとココが飛んできてえさをついばみ、寄って来るほかの文鳥たちを追い払っていた。ココは長く陣取って、えさをよく食べていた。
 そして10日の朝も、いつもと変わらないようすだった。それが、あやさんが夕方、外出から戻ってくると、夫がいった。
「ココの様子がおかしいんだ」
 午後の放鳥時に鳥かごから出なかったという。
「ツボ巣の中で丸まっているけど、もうダメかもしれないな」
「どうしたのかしら?」
「あの卵管脱のせいで、ダメージがあったのかもしれないな。もう老齢だし」
 それでもあとで、あやさんが鳥かごをのぞいたとき、ココはツボ巣の中からこちらを見ていた。クリは心配そうにそばの止まり木でじっとしていた。鳥かごに暖房器を取り付けて布をかけ、そのまま寝かせた。
 それから1時間もたたないうちに、暗い居間から変な騒ぐ声がした。クリの声だった。夫が覆いの布を外して、中からスカイカフェに乗って動かなくなっているココを取り出した。えさを食べようとしてそのまま死んでしまったらしい。もう死後硬直が始まっていた。
 たしかにココはもう老齢だった。メスの中では最年長の6歳10か月で来月には7歳になるはずだった。同時に生まれた姉のナナは腫瘍がもとで2年前に死んでいる。ココはそれから2年も生きて、パピにもクリにももてて、クリと結婚した。ナナに比べれば晩年はいい人生だったかもしれない。けれどもあと1年余は生きると思っていた。ココだってそうしたかっただろう。あまり長く苦しまないで死んでいったことがせめてもの慰めだ。
「ココちゃん、ナナとフーのところで安らかに眠ってね。かわいかったよ」
 翌日のきょう、ココを七とフーたちの眠る庭の隅に埋葬した。桜文鳥ばかりが死んで、4羽いた桜文鳥がみんないなくなってしまった。メスばかりで、メスでこれまで1番長生きしたのは満身創痍のフーだった。フーはココの母親だけと白文鳥で7年半生きた。桜文鳥は文鳥の中では比較的丈夫って聞いていたけれど、その話は本当なのだろうか。
 またクリが独り残されて寂しそうだ。

2017年5月3日水曜日

(17)きょうはマイの誕生日

 きょう5月3日は憲法記念日だけど、マイの誕生日でもある。
 7年前、この家で初めて卵がかえって、マイが生まれた。白文鳥のフーとシナモン文鳥のパピとの間に生まれた白文鳥のオス。フーとパピが一生懸命にえさを食べさせていたのを思い出す。その後、次々に生まれたものの、マイの誕生は特別に感動的な出来事だった。
 やがてマイの足の指が内側に曲がっていることに気づいたが、それは治らないものだった。うまくつかんだりできないため鳥かごのブランコには乗れないし、止まり木にいるよりスカイカフェに入っていることのほうが多い。それでもずっと威張ってきたのは、自分が「最初に生まれた子」という自覚があったからかもしれない。そんなマイには優しいところがあり、妻になったルミとの間に子どもは誕生しなかったものの、いつもルミを気遣っている。2日前に夫がマイの爪が足の裏に当たっているのに気付いて、少し爪を切ったけれど、マイはまだ痛そうにしていて気の毒だ。

写真は1歳1か月のとき(上)と、きょうのマイ(下)