2017年7月28日金曜日

(30)ピヨのたまご

 シルバー文鳥のピヨちゃんが卵を4つ(5つかもしれない)産んだ。産み終わったら温めだしたものの、まだ頼りない感じ。夫のクリは、すでにチビとの間に3羽のヒナを育てた経験があり、こちらもときどきピヨに代わってツボ巣に入って温めているけれど、チビのときは、チビが小さな体で一生懸命にかえして育てた印象が強いから、クリもあまり当てにならない気がする。
 どこかぎこちないチームワークのように思っていたら、数日前、急に2羽が鳥かご内で暴れ出した。見るとクリがピヨに追いかけられて逃げ回っている。ピヨは体が大きいので、逃げ回るクリも大変そうだ。叱るといったん静かになったものの、また追いかけっこが始まって、行ってみると、今度はクリがピヨを追いかけている。お互い何か気に入らないようなのだ。あんまり暴れるので、この日は早めにピヨとクリの鳥かごを開けた。すると、2羽とも勢いよく飛び出して遊び回っていた。
 ピヨはまだ生後9か月だから、卵をじっと抱いているのは無理で、クリとの思い違いでケンカしていたのかもしれないと思ったが、夫に話すと、
「それは2羽で追いかけっこして運動していたんだよ」ということになった。
 あやさんには、遊びというよりもケンカそのものに見えたけど、本当のところはわからない。それでも、その後に、あのような追いかけっこはしていないようなので、やはり、あのとき2羽の間に何らかの行き違いがあって、ケンカをしていたのではないだろうか。
 このままいけば、8月上旬にはかわいい声が聴けるかもしれない。

2017年7月22日土曜日

(29)スーは平和的

 白文鳥のスーは2歳3か月でこの家のオスの中では、一緒に生まれたミー(シナモン文鳥)と共にいちばん若い。ミーはまだ独身で、相変わらずメグに攻撃的だけど、年上のトビと暮らしているスーは、争い事が嫌いなようだ。
 最近、スーの水浴びは3か所になっていて、ソファーの上の水浴び容器ではトビと一緒に入って浴びている。それから鳥かごの水飲み容器だけれど、こちらは1羽が入るのがやっとだから、それぞれ勝手なときに浴びている。もう1カ所は水道の蛇口下の手のひらのプールで、スーはもともと、よくここで浴びていた。そこへトビも飛んできて一緒に浴びようとするものの、なかなかトビは入れない。怖いのだ。手のひらのプールに入るには、それなりの勇気が必要なのだろう。蛇口から出る水を受ける手に乗るのは、用心深い文鳥にとっては簡単ではないのかもしれない。マイなどは、手のひらでしか浴びられないから、毎日そうして、すっかり慣れてしまっているけど、トビはスーが浴びる場所を譲ってプールから出てしまうと、ひとりでは入れない。スーと一緒に入るのならいいのだろうけと、モタモタしていてなかなか入らない。
 手のひらのプールでは、飛んできた順番に浴びれば問題ないが、なかなかそうもいかないで、オス同士は順番をめぐって争う。もっとも、ここにくるオスは、マイとスー、それにチーだけで、近頃ではチーはただ邪魔をするだけに飛んでくる。そしてチーは昔からマイにかなわない。けれどもチーはスーには強い。スーはチーにうなられると、すぐに飛んで行ってしまう。相手がひいじいさんだから、関わりたくないのか、スーは賢いから無駄な争いはしない。ミーとランとスーで一緒に暮らしていたときも、スーはいつもランとミーの間に入って、2羽のケンカを止めていた。文鳥でもやはり賢い者はやたらに争ったりはしないようだ。

2017年7月15日土曜日

(28)ダルマインコのタマ

 前回タマちゃんのことを思い出したので、タマちゃんについて、少し書いてみよう。体の大きさは文鳥に比べるとずっと大きくて尾が長かった。全体に緑色っぽいが赤い部分もあってカラフルな鳥、性格はけっこう凶暴で、母にしかなついていなかったように思う。くちばしが鋭くて、やたらに手を出すと、突っつくから大変なため、妹が母に代わって鳥かご内を掃除するときは、ゴム手袋をはめ、しかも先までは指を入れずに注意深くやっていた。
 そんなタマちゃんが32年半も長生きしたのは、何といっても食べ物がよかったからだろう。何しろ、毎日、何種類ものえさをもらって食べていた。覚えているだけでも次のようなものがある。

   インコのえさ ②ボレー ③麻の身 ④ひまわりの種 ⑤小松菜 ⑥りんご ⑦クルミ⑧きゅうり ⑨水
 そのほか、ときどきパンのミミやカステラなどももらって食べていた。卵の黄身も少し食べていたように思う。とにかく栄養満点なのだ。
 放鳥は、体が大きくて、飛んだら家の鴨井にぶつかって落ちたため、その後はずっと鳥かごから出ない生活だった。それもケガをしにくいので、長生きに寄与したように思う。
 タマちゃんの生活は、家人や家に来る人々を観察して、結構楽しみ、歌をうたって、昼寝して、おいしいものを食べて、いじめられることもなく、平和な一生だったように思う。
 タマちゃんは家の電話が鳴ると知らせていたけど、朝いつまでも寝ている私に、起きろとばかりに、鳴いて寝過ごさないようにしてくれたこともある。やかんのお湯が沸騰しているのを妹に教えたり、タマちゃんなりに何かと気を遣っていたようだ。そして、タマちゃんが亡くなる前夜には雄たけびを上げたとも聞いた。
 晩年には少し呆けたものの、ほとんど病気もせず、大往生だった。まさか飼い主の両親より長く生存するなんて、当時はだれも想像しなかったはず。そんなタマちゃんの死を妹から知らされたとき、とうとうタマちゃんも両親のもとへ行ったかと感慨深く思ったものだ。多分、妹たちの様子を土産話に飛んで行ったことだろう。

2017年7月7日金曜日

(27)7月7日は七夕

 きょうは七夕。朝、文鳥たちの鳥かごの新聞を換えながら、

♪ささの葉 さ~らさら ♪~ なんて気分よく口ずさむ。

 もちろん文鳥さんには、なんのことかわかりっこないけれど、歌を聴くのは悪くない様子。ついでに 
 ♪天の川のあっちには~♪ と歌ってみたけれど、どうも正確な歌詞が出てこない。あきらめずに思い出す努力をする。思い出したら頭の中の伝達回路が通じるから、ボケ防止にいいらしいけど、やはり、そう簡単には出てこない。文鳥さんが相手なので安心して、お得意のデタラメソングとなる。
 代わりに思いだしたのは、長寿だったダルマインコの“タマちゃん”のこと。いまはダルマインコを過程で飼うことはできないようだけど、いまから40年以上前に、母がペットショップから生後3か月というダルマインコを買ってきた。タマちゃんと名付けられて、母や父が亡くなってもさらに、妹のところで飼われて32年半も生きた。このタマちゃんが妹の家で飼われていた晩年には、得意の歌の歌詞を途中までしか歌えなくなってしまっていた。

♪もしもし かめよ かめさんよ。世界のうちで おまえほど 歩みののろい者はない。(どうして)そんなに のろいのか♪

この歌の(どうして)の部分は最初からうまく歌えなかったものの、教えた当時はちゃんと最後まで歌詞を覚えて、長年そのまま歌えていた。
 それが、よる年波には勝てなかったようで、途中までしか歌えなくなった。それでも短すぎると思ったのか、「世界の内で」までくると、また最初に戻って「もしもし かめよ~」と繰り返していた。インコも人間も同じだと思うとみょうにタマちゃんがなつかしくなった七夕の日。お空にはタマちゃんの星もあるのだろうか。

2017年7月1日土曜日

(26)チーは白文鳥が好き

 シナモン文鳥のおじいさん、チーじいちゃんは、相変わらず白文鳥が好きなようだ。
生後半年でこの家にきたとき、メスの白文鳥が2羽いた。年上のフーと、チーと同い年のピポで、チーは年上のフーに一目ぼれしてしまった。やがてフーがパピの妻だとわかっても、ずっとフーを追いかけていて、フーには嫌われていた。そしてピポと一緒になっても、フーを追いかけるのは続いたが、ピポはフーが大好きだったから、それほど気になっているようでもなかった。
 そして、仲良く暮らしたピポが突然、失踪してしまい、ピポを想っての寂しい日が訪れた。それでも、ほかの文鳥たちには目もくれなかったチーだったけど、最近、白文鳥のトビに気がでてきた。トビはチーとピポの子どもで、白文鳥だけあってピポによく似ている。
 ところがトビにはいま夫がいて、白文鳥のスーと仲良く暮らしている。困るのは手のひらのプールで水浴びをするときだ。スーが浴びている横に一緒に入ろうと、トビが恐る恐る手のひらに下りてくると、一緒に飛んできてあやさんの肩に止まっていたチーまでも下りてくる。そして、スーとチーのケンカになって、トビは水に入れずに飛び去ってしまう。
 せっかくトビが手のひらのプールに挑戦し始めたというのに、チーはただ邪魔をしにやってくる。パピより半年若いせいか、チーはおじいさんといっても、まだまだ気は若く、あまり昔と変わらない。