2018年4月12日木曜日

八、 ボクたち3歳

  ボクは文鳥3兄弟のひとりで、シナモン文鳥のミーだよ。一緒に生まれた白文鳥のスーもクリーム文鳥のランも、もうとっくに結婚しているのに、ボクだけまだ独身なんだ。4月10日に3歳になったていうのにさ。人間で言えば30歳だぜ。
 本当ならランかスーかクリのところにヒナが生まれて、ボクのお嫁さんになるはずだったんだけど、どうもうまくいかないみたいで、ランのところでかえったヒナも育たなかった。

 それで、パパがボクのこと気の毒に思ったらしい。(もしかしたら誕生日プレゼントかな?)。数日前に、このうちに新しい子を連れてきてくれたんだ。ボクの鳥かごと並べてその子の鳥かごを置いた、きっと、仲良くなるようにって意味だろうけど、相手はまだ子どもでね。

 名前はモカっていってね、ランと同じクリーム文鳥だっていうけど、なんといっても生まれて2か月少々だから、もしかしたらシナモン文鳥かもしれないんだって。しかも女の子かどうかもまだはっきりしない。だから、ボクは今のところ、あまり期待していないんだ。もし、モカがランと同じクリーム文鳥の女の子だったら、ボクも好きになるかもしれないけど、それでも、モカがボクのことを好きになるかはわからないからな。でも、まあ、これからどうなるか、ボクとしても少しは楽しみ。

(鳥かご内のモカとミー)
 

2018年4月1日日曜日

七、 マイの爪

 きょうは4月1日、エイプリルフールだそうな。でも、この話は嘘じゃないよ。

この前、ボク、ひどい目にあってさ、死ぬかと思ったんだよ。

 知ってのとおり、ボクの足の爪は、みんなと違って内側に曲がっている。その爪が、ちょっとしたはずみに鳥かごの金網にぶらさがったときに引っかかってしまったんだ。パパが見つけて助けてくれた。

 そこまではよかったんだけど、パパが「マイの爪を切らないと」といって、久しぶりにボクの爪を切った。そしたら、ひどいことに……。

「マイの爪を切りすぎちゃった。ママ、お線香持ってきて!」ということになって、ボクの出血している足先がお線香で焼かれたんだ。ボクは抑えられて抵抗はできないから、仕方なく熱いのを我慢していた。いったん血が止まって、パパが血だらけになったボクを洗った。そしたらまた出血して、またお線香を当てられて…ひどいのなんのって……・。

 ボクがぐったりしていたら、ママがパパを叱った。そして、ボクを手の中に入れて、温めてくれた。痛みがだんだん和らいできて、急におなかが空いてきた。栄養のあるえさを食べさせてもらったら、少し元気になったけど、そのあとも少し出血していて、パパが夜中に、ときどきボクの様子を見ていた。

もう、すっかり治ったようだけど、どうもあのとき、つまり金網に飛びついたとき、ボクの爪は取れちゃったようなんだ。それをパパが気づかないで切ったから、大変なことになった。気を付けてもらいたいよな。二度とあんな思いをしたくない。パパ、頼むよ。ゴクはもうすぐ8歳になる年寄りなんだから。