2018年5月16日水曜日

十、わたしモカっていうの

 わたしがこの家にきたのは4月6日だったそうよ。生まれたのは1月末のはずだから、いま生後3か月半かしら。ここにも、すっかり慣れて、水浴びも毎日、水飲み容器でしているわ。となりの鳥かごにいるシナモン文鳥のミーは、しょっちゅうわたしのほうを見ているくせに、鳥かごから出て遊んでいるときに、わたしがチョッカイかけると、すごく怒るのよ。変なのよ。もしかしたら、つまらない気難しいヤツなのかしら? 。それとも、わたしが子どもだから、いろいろ教えているつもり? よくわからないけど……

 わたしがここに来たとき、パパとママがいっていた。
「モカちゃん、もしかしたらクリームじゃなくて、シナモン文鳥かもね」って。「それでも、メスならいいけど」とも心配そうにいっていた。

最近は、「やっぱりクリームみたい。メスは間違いなさそう」なんて話しているから、やっぱりわたしは、クリーム文鳥の女の子のようよ。だから、ミーの好みだって聞いたけど、本当にそうなのかしら? ミーったら、どうなの?
 まあ、ほかの文鳥たちは、みんなパートナーと一緒に仲良く暮らしていて、ひとりでいるのは、おじいさんのチーとミーとわたしだけだから、きっとミーとわたしは一緒になるんだわ。だったら、あんなにわたしに、うならなくってもよさそうなのに、ホントに変なミー。
  


2018年5月3日木曜日

九、マイも8歳

 ボクは白文鳥のマイだよ。きょう5月3日は「憲法記念日」なんだそうだけど、ボクの誕生日なんだ。ボクは、このうちで最初に生まれた文鳥だから、誕生日は性格だよ。もう母さんのフーも父さんのパピも妹たちもあの世に行ってしまったけど、パートナーのルミがいるから寂しくはないさ。ルミも、このうちで生まれたシナモン文鳥で、いま7歳5か月になったようだから、いいおばあさんだな。何しろボクだって8歳なんだから無理もないよ。

 ところで最近、ボクはあまり飛べなくなってしまい、蛇口での水浴びに、ひとりで飛んで行けない。それで、ママかパパが連れて行ってくれるんだけど、ルミはママが呼ぶと、ちゃんと自分で飛んでくる。ボクの水浴びはおぼつかないけれど、ルミと一緒に浴びるのは楽しいな。ときどきルミにはじかれて、ママの手からシンクに落ちちゃったりして、かっこ悪いんだけど、すぐにママが掬ってくれて、ソファーまで連れて行ってくれる。

 じつは、ボクの鳥かごの止まり木は、パパが工夫してくれて、幅があるんだ。お陰で下に落ちにくくなったけど、それでも夜中に下に落ちると、上がるのに苦労する。バサバサやっていると、パパが電気を点けて明るくしてくれるから、また止まり木に上がっているけど、頑張らないといけないんだ。父さんも母さんも歳をとったら飛べなくなったから、ボクもそうなってきたんだな。でも、元気だから、まだまだ生きられそうだ。チーなんか、ボクより8か月も年上なのに、まだ元気に飛んでいる。チーもピポがいなくなってしばらくは寂しそうだったけど、この頃は元気そうだ。水浴びもボクの前に蛇口で浴びている。

 最近ボクは、こんなふうにママの手の中にいることが多くなった。