2019年11月16日土曜日

(20)ピヨちゃんも3歳


 シルバー文鳥のピヨが、また卵を産み始めた。1か月前に3歳になったのに、台風騒ぎですっかり彼女の誕生日を忘れていた。ピヨは体も大き目で元気だから、落ち着きのないクリの相手にちょうどいいように思う。ピヨは白文鳥のクリにとって、三人目の奥さんである。クリの最初の相手はチビだった。体の弱いくちばしの曲がっている小ぶりな桜文鳥だったけれど、ラン、スー、ミーの3羽の子どもを産み育てて若くしてなくなった。来月にはチビの命日がくるわけだが、あれから4年になるというのに、いまだにチビが手の中で苦しそうにして動かなくなったときの感覚を思い出す。本当に可哀そうだった。

 そういえば、ピポがいなくなってからも4年経った。あのときピポは6歳4か月だったから、いま生きていれば10歳4か月ということになる。夫のチーも10歳2カ月を過ぎたけれど、いまだ健在で、ヨボヨボ歩いている。たぶんピポはもうあの世に行ってしまっているとおもうけれど、チーはいまでもピポの帰りを待っているのかもしれない。考えてみれば、ルミだっていまだにときどき、7月に亡くなったマイのことを呼んでいる。

 文鳥は、人間同様、もしくはそれ以上に、繊細な心の持ち主なのだろう。

2019年11月2日土曜日

(十九)文鳥さんは賢い



 気が付いたら、もう11月だ。先月の台風のあとに、また大雨が降り、千葉県をはじめ被災地は大変なことになっている。まだ避難している人も多いようだが、これからの生活を考えると胸が痛いことだろう。この国は、災害にあった人々に優しくない。いつも「自分たちで何とかしろ」という感じで、ほとんど救済のお金がでない。

 そうでなくても、貧困家庭で食事も満足に食べられない子どもたちがたくさんいるという現状もあり、嘆かわしいばかりだ。

 文鳥たちは、そんなこととは関係なく、相変わらず元気に過ごしている。最年長のチーは10歳2か月を過ぎて寝ていることが多くなったものの、まだヨチヨチ歩ける。彼らは飼い主によって住まいを与えられて、一応、食べることには困らない。生きているのは狭い空間だけど、それなりに自由を楽しんでいる。

 こうしてみると、どちらに生まれたほうが良いか、わからなくなる。それは、もちろん人間だろうと、人はいうかもしれないが、それならもっと人々の基本的な生活がちゃんと守られなければならないし、多くの人々がお金によって苦しめられるような社会を変えなければ駄目だろう。

 そのためには、たくさんのいろんなことを知らないといけないと思ったりもするけれど、文鳥たちがそれほど多くのことを知っているとは考えにくい。だとすると、本来的に彼らのほうが賢いのかもしれない。

 それにしても自然の猛威は恐ろしい。