じつは昨夜、これまでにはなかったことが起きた。マイとルミのペアと、ユウとトビの姉妹が4羽とも鳥かごではない場所で1夜をすごしたのだ。今年は5月から夏日がつづいていて、文鳥たちの換羽も、そろそろ終わりに近づいている。換羽中はみんな調子が悪いのか、放鳥してもそのうちに自分から鳥かごに戻っている。ところが、そろそろ換羽も終わりのようで、みんな夏の羽に変ってすっきりして見える。動きも活発になってきたせいか、なかなか鳥かごに戻らないものも出てくる。トビとユウは、おとといも鳥かごに戻らず、最後は夫に捕まえられていた。ときどき鳥かごに入ってえさを食べたり水浴びをしたりするものの、なかなかの知能犯で、1羽ずつ入り、もう1羽を夫が手に乗せて鳥かごに入れようとすると、えさを食べ終わったほうが逃げ出してしまう。ナナとココもそうだったけど、どうもメス同士だと、あまり鳥かごに戻りたくないらしい。ふつうオスのほうが、人間の様子に敏感に反応するように思う。それでも、ユウとトビは、この日に叱られてこりたのか、次の晩はちゃんと鳥かごに戻った。
それが昨夜は、なぜか4羽で戻らない。夫の話では、オスのマイは、いったん鳥かごに戻ったのに、ルミが入らないので、また出たらしい。そして、4羽で逃げ回り、とうとう7時になっても鳥かごに入らなかった。
文鳥たちの就寝の時刻になったので、夫は彼らの鳥かごの半分にだけ布をかけ、入口をあけておいたが、朝まで額縁やカーテンの上にとまっていた。まあ気候もいいし、鳥はそうやって眠るものなのだろうからあまり問題はないと思うけど、お腹がすいても何も食べられないから、朝になってもずっとそのままというわけにはいかないはず。鳥かごの布をはずすと、あわてて中に入った。
「ホッホッ、ホチョチョン、ホチョチョン」という鳴き声だけど、パピが鳴いているのかと間違えるほどだ。こうしてみると、オスの親離れを感じるけれど、これは偶然なのだろうか。パピは自分の真似する声を聞いて、どう感じているのだろう。うれしいのだろうか。それとも、「ちょっとそこが違うんだな」なんて、気になっているのかな。
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