2019年10月15日火曜日

(十八)さらに大きな台風が



 10月12日、大型の台風19号が日本列島に襲来した。気象庁が早くから警戒を呼び掛けていただけあって、雨風ともにものすごい台風だった。通過後には大きな爪痕を残し、大雨で河川が氾濫して住宅が水没したり人命が失われたりした。広い地域が大災害に見舞われ、いまだに水浸しのところもあるようだ。この辺りでは雨の被害は少なかったけれど、ものすごい強風が吹き荒れて、早く通り過ぎないものかと願うばかりだった。それでも我が家では幸い停電も断水も免れた。

 強風は夜のことだったから、文鳥たちは当然、布をかけられて静かに鳥かごの中にいたのだけれども、風邪の音が聞こえていたのは間違いない。多分、恐ろしさを感じていたと思うが、そんなとき、彼らは必ず静かにしている。息をひそめてじっと様子を見ているのだろう。

台風が通り過ぎ朝を迎えたときには、辺りは静かになっていた。文鳥たちもいつものように布を外されて起きた。そのあと彼らはテレビ画面から見慣れない水浸しのいくつもの光景を目にしたはずだ。彼らにも何か尋常でないことが起きたらしいと、わかったような気だする。その日の午前中、彼らはいつもよりおとなしかった。もしかしたら、夜中は風の音でよく眠れなかったため、午前中はうとうとしていたのかもしれないが、彼らは結構いろんなことがわかっているのだと思う。

これからますます自然の脅威が増してくるとしたら、人間だけでなく動物たちも大変で、野鳥などは、なおさらたまったものではないだろう。

2019年9月24日火曜日

(十七)3羽のシナモン文鳥



 わが家にいる10羽の文鳥のうち、3羽がシナモン文鳥で、オスがチーとミー、メスがルミである。

 この3羽は外見が似ているので、目の悪いあやさんには見分けにくいのだけれど、正確や行動パタが違うため、あまり間違えることはない。

ところが先日のことだ。夕方になって、夫の帰宅が遅いため、まだ鳥かごに戻っていないミーとモカ(クリーム文鳥)のペアを鳥かごに入れようとしたけれど、この2羽は逃げ回っていた。仕方なく、そのままにして、チーにエサを食べさせるためにチーの鳥かごを開けた。ルミも出てきて、チー以外の3羽は、高い場所(カーテンレールの上)に止った。

チーにリンゴジュースとえさを与え、手の中で眠らせたあと、しばらくすると、テレビから気象情報の音楽が流れた。まもなく午後7時、文鳥たちの寝る時刻だ。何羽かがさえずって、布をかけてほしいようだったけれど、夫はまだ帰ってこなかった。

 そこで、あやさんがミーとモカを鳥かごに戻すため、チーを鳥かごのツボ巣に寝かせてから、4つの鳥かごの水入れの水を取り換える。そして出ている3羽に、自分の鳥かごに入るようにいうけど、頭の悪いミーとモカはいっこうにもどらない。

 ほかの文鳥たちは、早く布をかけて欲しそうなので、順番に布をかけ、まだ出ているミーとモカのところは、そのままにしておいた。

みんな眠る時間なので、居間の電気を消したが、夫はまだ帰ってこなかった。このややこしいミーとモカは、普段は夫がえさを乗せた手に2羽を止まらせて鳥かごに入れている。だから、あやさんには、あまり近寄ってこない。ほかの文鳥と違って、あやさんの手に乗ったり頭に乗ったりしないのだ。

2羽の文鳥を居間に残したままほかの部屋に行くと、居間から変な音が聞こえてきた。てーぶルの上でピシャピシャとまるで水浴びをするような音。あわてて電気を点けてみると、薬の袋が入っているカゴから1羽が飛び立った。直後にモカと思われる文鳥が台所に飛んでいき、あわてて戻ってカーテンレーるの上に止った。パニックを起こしているらしい。もう1羽の姿が見えないと思ったとき、こんどは食器戸棚の上あたりから1羽が出てきて、少し離れたカーテンレールの上に止った。

 電気を点けたので、自分で鳥かごに入ろうとすれば入れるはずだけど、何かおかしい。隣の鳥かごから、鳴き声がしたので、「もしや ?」と思って、チーの鳥かごをのぞくけど、スカイカフェにいつものようにルミがとまっている。

「ルミ、ルミちゃんでしょ?」といって確かめるけど、文鳥は応えない。困ったあやさんは、そのままにして、夫を待った。

 結局、夫が帰宅してから文鳥たちは、それぞれの鳥かごに収まったのだけれど、じつは、チーの鳥かごに入っていたのは、ミーだったということがわかった。ルミにそっくりに見えたけど、何か違和感があったのは事実。ミーが勝手にルミに成り代わっていたから、ことはややこしくなったのだ。逃げ回っていたのは、自分の鳥かごに入れなくなってしまったルミと独り残されたモカだったのだ。あやさんの目の悪さに手伝って、ミーがあまり利口でないことで、こんなことになってしまった。

ルミとモカは、災難な目にあって気の毒だった。チーは、シナモン文鳥でも飛べないから、間違えることはなかった

 

2019年9月11日水曜日

(十六)恐ろしい台風



 先日の千葉県を直撃した台風15号は、この辺ではかつてないほどの強風を吹かせた。我が家では庭木が少し倒れたくらいの被害ですんだけれど、大きな送電線が倒れた地域もあったようだ。

すでに3日も過ぎるというのに、いまだに停電が続いいていて、この暑さのなか、冷房が使えないどころか、水も出ないところがあるという、もし、それが我が家だったら、と思うと恐ろしい。人間も大変で命にかかわる事態だけれど、我が家の場合は、まず文鳥たちが弱ってしまうだろう。特に高齢なチーなどはもちろん、8歳9か月になったルミや7歳8か月のトビなども弱って死んでしまうかもしれない。

8年半前の東日本大震災のときも水道が使えなくて大変だったし、電気も計画停電があって寒い思いもしたけれど、いま思えば熱中症になる心配はなかった。冷蔵庫が使えなくても大丈夫な気候だった。おまけに文鳥たちも若かったから、何とかやりすごせた。

そういえば、あの地震を知っているのは、もうチーとルミだけになってしまった。あのとき文鳥たちは、しょっちゅう揺れる環境に耐えていた。そんな苦難を超えて、この親子は長生きしている。それでも、いつも思うことだが、彼らの命は飼い主の無事いかんにかかっている

2019年8月24日土曜日

(十五)チーちゃん、10歳おめでとう



  


 8月24日はシナモン文鳥のチーの誕生日。10歳になった。この家で1番長生きしている。次が先月亡くなったマイ、そしてマイの父親のパピと続くが、どちらも10歳には遠かった。

 朝、鳥かごの覆いを外して、まず上部に止まっているルミに「おはよう」という。それから鳥かごの床に置いてあるツボ巣をのぞいて「チーちゃん、お誕生日おめでとう」と声をかけた。

 チーは、自分の誕生日だとわかったのかどうか、「グウルルぅ」と応えてツボ巣から出てきた。そしておぼつかない足で歩いてえさのお皿に近づいていった。チーはまだ歩けるのだ。飛ぶことは昨年からできなくなってしまっているものの、半年前に比べたら平衡感覚がよくなってきて、かなりまっすぐに歩けるようになっている。もちろん寝ている時間が長くはなってきたけれど、まだまだいきられそうに見える。

 彼の楽しみといえば、飼い主に抱かれてリンゴジュースをなめさせてもらい、ついでにえさを食べて、そのまま手の中で眠ることくらいだろう。チーは鳥かごから出されてリンゴジュースをなめると、クルリと向きを変えて眠るために頭を手の中に突っ込んでくる。とにかく抱かれたらえさを食べるより、少しでも早く手の中で眠りたいようなのだ。こちらが暇なら、30分もそのまま眠っている。ツボ巣に戻そうとすると、「グルるぅ」といって抗議する。仕方なく首から背中を撫ででやると、若い時のままのいい声でさえずる。なんとも極楽、極楽、といった感じで、とにかくずっと抱かれていたいようなのだ。。水浴びも1日おきくらいにしている。蛇口の下に連れていっても、あまり動かないであらってもらうだけだったけど、最近では手の中で少し羽ばたいている。チーは、もともと水浴びが好きだった。やはり近頃は少し元気になったのかもしれない。

 ルミは相変わらず、ときどき思い出したようにマイを呼んでいる。だんだん諦めてきたようでもあるけど、どうも鳥かごの下にいるチーが、とてもマイの代わりだとは思えないらしい。見た目も違うから、やはり無理なのかもしれない。

 (写真は、10歳になったチー)


 
 
 
 
 
 
 


2019年8月5日月曜日

(十四)ルミが呼んでいる

 
白文鳥のマイがいなくなってから2週間になる。不自由な体で9歳2か月も頑張ったのだから、あっぱれだし、こちらもそろそろ限界だろうと思っていたので、マイの死は割合自然に受け入れられた。それでもときどき手の中にマイの温もりを感じるから、まだまだ遠い存在にはなっていないようだ。

 一方、マイの妻のルミにとって、マイの死は到底、受け入れられないことのようで、ときどきマイを呼んで鳴いている。文鳥にとっては「死」ということがどういうことなのか、おそらく理解の範疇にないのだろう。そのうちにあきらめるのを待つしかなさそうだ。とにかくふたりは長い間(8年間も)一緒に暮らしていたのだから。

 そして、いま、ルミの鳥かごの床ではチーが暮らしている、マイの代わりにチーがいるという感じだが、そんなことでごまかされるルミではない。

 それでもケンカをするわけではない。鳥かご内の上部がルミのスペースで下の部分がチーの生活スペースとなっていて、チーは飛べないし見た目もよく似た父娘だから、それほど仲が悪いわけもないはずだ。早くルミがこの環境に慣れてくれることを願うばかりである。 

2019年7月23日火曜日

(十三)さよならマイちゃん


 7月22日朝、マイが天国に召された。2010年5月3日にフーとパピの第一子として生まれたマイは、9歳と2か月半生きたことになる。両親より長く生きたが、生まれたときから足の爪が内側に丸まっていて、止まり木をつかめないからよく滑っていた。それでもけっこう威張っていて、優しい賢い文鳥だった。昨年末にはすでに秋当たりから伸びていた足に加えてもう一方の足も悪くなり床での生活を余儀なくされていた。新しい年を迎えられないのではないかと心配したほどだったけれど、それから7か月以上も頑張った。そしてついに力尽きたようだ。

その朝、鳥かごの布を外すと、マイは床に置いたえさの容器に顔をのせていたけれど、食べているようではないので、眠っているのかもしれないと思ったが、ほかの鳥かご布も外してからもう一度マイを見ると、まだそのままだった。ルミが鳴いたが、マイの声はしない。そこで、もしや? と思ってマイを抱き上げる。

 マイはまだ暖かかったが動かなかった。普通は持ち上げるとバタバタする。死んでしまったとすぐにわかった。

 不自由な体に加えて最近ではメモ見えにくくなっていた。というより目が明かなくなっていた。そんな状態でよく頑張ってきた。数日前にはくちばしの色も白っぽくなっていると夫がいっていた。

そしてついに力尽きたという感じだった。

「マイちゃん、偉かったね」と声をかけて、まだ温かいマイの体をそっとなでると、マイは眠っているようだった。そのままいつもマイの体を拭くときに使う柔らかいハンカチで包みみんなにお別れの挨拶をした。そして夫が起きてきたときには、マイの体は固く冷たいかたまりになってしまっていた。夕方には紙で包んで紙箱に入れて、庭の文鳥たちのお墓に埋葬した。

両親と姉たちのそばに行ったマイだけど、これでフーの血筋は途絶えてしまったことになる。

そして思うのは、 フーの死から、もう4年半になるということ。

 


2019年7月13日土曜日

(十二)モカは面食い

 
シナモン文鳥のミー(4歳3か月)も 夏毛がすっかり生えそろい、きれいになった。そのせいなのかどうかわからないけど、あまり奥さんのモカと喧嘩をしなくなった。最近では仲良くツボ巣に入っていたりする。夫曰、

「モカは面食いだな。ミーの頭がきれいになったら、嫌がらずに仲良くしている」。とか。 本当のところはわからないけれど、文鳥は見た目をけっこう気にするようだ。ミーにしても、シルバー文鳥のピヨはあまり好みではなかったようで、ピヨがこの家にきたときも、相変わらずクリーム文鳥のランを追いかけていた。最近ではモカがけっこうきれいなクリーム文鳥になったため、ランを追いかけることはなくなった。とはいえ、ときどきモカと一緒にメグとランの鳥かごの上に乗っていやがらせをしていたりする。文鳥は自分たちカップル以外には意地が悪い、良し悪しは別にして。文鳥とは、どうもそういう生き物のようだ。