2023年8月26日土曜日

(十六) 外は猛暑

 

8月24日はピーちゃん(白文鳥・オス)、フーちゃん(白文鳥・メス)、そしてチーちゃん(シナモン文鳥・オス)の誕生日だった。といっても、もう3羽ともとっくに天国へ行ってしまっている。そしてこの誕生日は正確なものではない。3羽とも生まれてからこの家にもらわれてきた。ピーとフーは1歳くらいでペットショップから、チーは生後半年くらいで飼い主からゆずってもらった。だからこちらで勝手に決めた誕生着だった。

 ピーは2歳足らずで死んでしまったから、チーとピーはお互いに知らないけれど、チーはこの家に来たときからフーに惚れていた。おそらく一目惚れだったのだろう。やがてピポとチーは夫婦になるものの、それでもフーを追いかけていた。ピポもフーが大好きだったから、そのことでピポとチーの間でもめるようなことはなかったが、チーはなぜかフーをよく追いかけていた。実は、チーがこの家に来た時、ほんの少し前にもらわれてきた同じくシナモン文鳥のパピというオスが、すでにフーの新しい夫になっていた。そんなチーを気の毒に思って、チーの誕生日をフーと同じ24日にしたことを思い出す。

 もう昔のことだけれど、彼らたちとの懐かしい日々が目に浮かぶ。

 いまこの家にいるのはチーとピポの子孫とよそからお嫁に来たメス3羽。10歳7か月のメグ(白文鳥・オス)はチーたちの子どもで、スー(白文鳥・オス)とミー(シナモン文鳥・オス)はチーの孫にあたる。父親のクリは先月、9歳4か月で天国へ召されてしまった。

だから、 いまこの家にいる文鳥は6羽になってしまった。この家で過ごした文鳥の数は20羽を超えている。2007年からのことだから、もう16年になるのだろうか。

2023年8月12日土曜日

(十五) 猛暑と虫

 

 クリーム文鳥のクリちゃんが9歳4か月の一生を閉じてから、もうじき1か月になる。ピヨは独りの生活に慣れてきたようだが、ときどき大声で鳴いているから、思い出したように呼んでいるのかもしれない。それでも放鳥時にはソファーに座っているあやさんの後ろにきて、肩に乗ったり降りたりする。クリがいない今、独りであやさんにくっついているのは、そうしたいものの何となくこわごわ、といったところのようだ。

 2週間ほど前のことだった。夫が鳥かご掃除のときに、小さな虫がゾロゾロいるといいだした。それがダニなのかシケムシなのかわからないが、ダニの可能性も考えられるので、鳥かごの下にダニ取りマットというものを敷いた。そういえばクリのよく寝ていたツボ巣の中に夫がなんだかわからない黒っぽい塊を見つけたことがあった。そのツボ巣はすぐに捨ててしまったが、いま考えるとそれがクリの血を吸ったダニだったという可能性もあるらしい。そう考えると、クリが死ぬ前に貧血状態だったのも、うなずけてしまう。もしそうなら可哀そうなことをしてしまったと思う。ほかの文鳥はきれいなピンク色のくちばしをしているから、クリのようなことはないらしいものの、やはり年寄りのメグは心配なので、水道に連れて行って水浴びをさせることになった。ほかの子たちはよく水浴びをしている。メグは最近、あまり水浴びをしていないので、強制的に洗っているというほうが正確かもしれないが、とにかくダニがついていたら落とさなければならないと思った。メグ自身はかなり元気だけど、年寄りに変わりはない。

 そしてメグのツボ巣内に敷いた白い紙にも夫が小さな虫を見つけたので、新しいツボ巣に換えた。

 ここ数日、虫は見かけなくなったそうだから、ダニ鳥マットが効き目を発揮しているのだろう。となると、やはりあれはダニだったのかもしれない。そして、夫はまた鳥かごを順番に洗い始めた。