2020年12月29日火曜日

(27)さよなら2020年

 


 今年は酷い年だった。世界中で多くの人が苦しんで亡くなった。このパンデミックは本当はもっと早くに人類の叡智を結集すれば、かなり防げたのではないか。これほど多くの人々が亡くなることはなかったのではないか。そんな気がする。

 そう思うと悔やまれるが、これによって見えてきたものもある。最初にあぶりだされたのは、富の偏在による貧困の多さと、多くの国の政治指導者たちの無能ぶり。そして人間社会の脆弱さ。いまや「今だけ、金だけ、自分だけ」の社会は行き場を失って、少しずつだが、これまで片隅に追いやられていた本来的な価値に光が当たってきたように思う。「鬼滅の刃」が多くの共感を呼んでいることからみても、人々が大事にしたい思いが何なのかがわかる。人は誰かの奴隷であってはならない。

 文鳥の世界では、格差などほとんどない。新しい仲間がやってくると、何となく落ち着かなくなるけれど、それは新しい仲間への興味であって、おおむね歓迎しているのだと思う。

 この国では「自己責任」などという変な言葉が流行った。そういって、苦しんでいる人に手を差し伸べない社会を認めるかぎり人間社会は、最低でおぞましい社会になってしまう。これを機に「今だけ、金だけ、自分だけ」の社会と決別し、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息を願って、8羽の文鳥たちとまた新しい年を迎えたいと思う。

 皆様も、どうぞ良いお年をお迎えください。

2020年12月13日日曜日

(26)12日はルミが生まれた日

 

10年前の12月12日、シナモン文鳥のルミがこの家で生まれた。いま生きていれば10歳になったわけだが、9歳の誕生日を過ぎて1か月もしないうちにこの世を去ってしまった。

この家のメス文鳥では最も長く生きたが、年明けそうそうに、夫だったマイの元に行ってしまったのだ。ルミはこの家で生まれて病気になったり怪我をしたこともないから、病院に行くなどして家から外に出たことはなかった。つまり生涯この家で過ごしたわけだ。運動神経の良い世話の焼けない子だった。

そして2月には8歳になったばかりの白文鳥のトビも姉のルミを追いかけるようにこの世を去った。2羽とも寿命だったから仕方ないと思えたけれど、5歳余りでこの世を去ってしまったクリーム文鳥のランは可哀そうだったと思う。

 つまり今年は3羽のメス文鳥が天国へ行ってしまったのである。

 5年前にも似たようなことがあった。やはりメスばかり、フー、ナナ、チビが亡くなり、ピポが行方不明になった。メスはオスに比べて短命なのかもしれない。何しろ、卵を産むことを考えただけでも大変なのだから、そうなるのも不思議ではない。

 それでも10月にはシナモン文鳥のフユが来て、スーと一緒になったので、文鳥たちの活気も戻ってきた。こうして世代交代とともに月日が流れていく。

 写真は1年前、9歳のルミ

   


2020年12月3日木曜日

(25)あれから5年


 12月1日は、3羽のヒナを産み育てながら1歳9か月という短い生涯を閉じてしまった桜文鳥のチビの命日だった。あれから5年になるが、チビの残した女の子、クリーム文鳥のランも今年、亡くなってしまった。男の子のスーとミーは元気だけれど、ランは事故が元で死んでしまったから、チビに申し訳ないような気がする。

 寂しくなったあやさんちだったが、そこにスーのフィアンセとしてシナモン文鳥のフユが来たので、最近は、また活気が出てきた。

 フユはオテンバで人懐こくて好奇心が強い。メス同士はほとんど喧嘩はしないで、仲良くえさを食べたりしているが、フユは先日、年齢の近いモカを連れて、あやさんの部屋にきた。フユはもちろんだが、モカがこの部屋に入ってくるのは初めてだ。

 モカがフユに連れられてきたのだろうが、入ってきたのはよかったものの、さて、ドアのある入り口からはなかなか出ていけない。2羽はしばらく仲良く並んで高い場所に止まっていた。フユは手を出すと乗ってくるものの、すぐに逃げてしまって、部屋の中をぐるぐる回って額の上など高い所に止まる。モカは、もう逃げまくって部屋の隅に落ちてしまう。そして、どちらもなかなか居間にもどれない。フユは身軽だけれどモカは丸々していて動きがにぶい。。

 どの文鳥も一度はあやさんの部屋に紛れ込んでスムーズに出られない経験をしているが、メグにはそんな経験がないような気がする。メグは威張っているけど、けっこう用心深く、臆病なところがある。一口に文鳥といっても、それぞれ違った性格があって面白い。

2020年11月21日土曜日

24)フユのその後

 シナモン文鳥のフユちゃんがこの家にきて3週間になる。元気で人懐こい感じはピポを思わせる。鳥かごの位置もちょうど同じだ。ピポと、いまもこの家にいるシナモン文鳥のチーが一緒にそこにいた。もうすぐ11歳3か月になるチーは、このまま新しい年を迎えられるかもしれない。

 ところでフユはスーとすっかり仲良くなり卵を産んだ。1週間前頃から産み出して、いま6つの卵を温めている。卵といえば隣の鳥かごのピヨもまた卵を温めているけど、まだ孵ったようすはない。

 ピヨとフユはけっこう仲良しで、鳥かごから出たとき一緒にえさを食べていたりする。オス同士はなかなかそうわいかないが、こんな光景を見ると、昔、フーとピポが仲良く遊んでいたことを思い出す。もうあれから11年になる。ピポがいなくなったのは2015年の11月14日だった。生きていれば11歳4か月ということになるけど、もう天国に行っているだろう。

 


2020年11月8日日曜日

(23)フユちゃんがきた  

10月31日、ハロウィンの日にフユちゃんが夫に連れられて、この家にやってきた。シナモン文鳥のフユちゃんは11月18日が誕生日で、もうすぐ3歳になる女の子だという。5歳半のオス文鳥スーちゃんの相手には、ちょうどよさそうだ。

 果たしてお互い気に入るかどうか、それが問題だ。

けれどもスーは関心を示して、鳥かごから出ると、すぐにフユの入っている鳥かごのそばに飛んで行った。といっても鳥かごに乗ったわけではなく、近くのイーゼルなどに止まって、高い位置から見下ろした。そして、いい声で、さえずった。 フユちゃんも安心したように鳴いて、この日は終わった。翌日、スーはフユの鳥かごに行って、ツボ巣に入ったが、フユに追い出された。あまりずうずうしいと、嫌われる。

そして、次の日、フユも鳥かごから出してみると、勢いよく飛んだが、まだどこに止まっていいのかわからない。スーが心配そうに声をかけていた。この日、フユとスーはフユの鳥かごに入って、そのまま一晩を過ごした。

 ここに来てから3日目には、スーと一緒に夫の手に乗って、スーの鳥かごに入り、そこがフユの居場所になった。

フユは小ぶりで元気な鳴き声のメス文鳥。人懐こいスーと、もうすっかり仲良くなったようだ。一安心。

写真はスーとフユ 



 


2020年10月24日土曜日

(22)ピヨちゃんも4歳


 シルバー文鳥のピヨちゃんが今月15日で4歳になった。先日、卵を1つ産んだが、ツボ巣から下に落ちていた。またそろそろ産卵の季節がやってきたようだが、ピヨの産んだ卵でかえったものはない。ピヨに限らず、モカが産んだ卵もかえらないから、もうここ5年以上、この家ではヒナが生まれていない。

 今年になって3羽のメス文鳥が亡くなった。シナモン文鳥のるみ、白文鳥のトビ、それにクリーム文鳥のランで、ルミとトビは寿命だったけれど、ランはまだ5歳だった。いまはメス文鳥が2羽だけになってしまい、独り身のオスが3羽。

 そのうちチーとメグはもうお爺さんだからいいとしても、スーはまだ5歳、このまま独り身では気の毒だということで、夫が相手を探している。

 スーは最近、ピヨに気があるようで、鳥かごにいるときは、よくピヨのいる鳥かごを覗いている。ピヨも鳥かごから出たときには、スーのそばに寄って行ったりしているから、まんざら気がないわけでもなさそうだ。クリとの間がややこしくならないうちにスーの相手が見つかってほしいと思う。

写真はピヨとクリ                

  



2020年10月11日日曜日

(21)長生きの秘訣?

 


 11歳を過ぎたシナモン文鳥のチーちゃんは、相変わらず元気に過ごしている。といっても、ほとんど眠っているけれど・・・。

 文鳥の寿命はふつう7~8年ときくから、チーはかなり長生きということになる。この家で9歳以上生きたのはパぴ、マイ、るみだけど、10歳を超えたものはチーと昔飼っていたピーちゃん(12年生きた)の2羽しかいない。そしてチーは、11歳を過ぎている。

文鳥は繊細な鳥だから、精神的に安定していることが長生きするには大事なことだろう。けれども時にはとこかにぶつかるなどで怪我をすることも多いから、そればかりでも難しい。やはりそれぞれが持っている運命というものがあるのかもしれない。

 それでもチーを見ていると、これが長生きの秘訣かなと思えることがある。一つには、あまり周りにきをつかわずにマイペースで過ごすこと。それからチーは大食漢ではなかった。どちらかといえば小食で細身で過ごしてきた。さらには、あまり冒険をしない。巻き上げカーテンの昼寝場の場所取りも妻のピポに任せていて、自分はピポに取ってもらった場所にあとから行って、そこにもぐって悠々と昼寝をしていた。まあ、それはピポがいなくなってからは、できなくなってしまったのだけど、それまではピポのお陰で、けっこういい思いをしていた。そして今は文鳥たちの中で一番大事にされている。何しろ1日3回は抱き上げられて食べさせてもらい、手の中で眠り、ときには水浴びまでさせてもらっているのだから、決して悪い暮らしではないはずだ。もしかしたら、もうすでに極楽にいるつもりかもしれない。眠っている間には、別れた妻のピポに会っている可能性だってありそうだ。毎日が極楽、極楽。

2020年9月24日木曜日

(20)文鳥の爪

 


 文鳥たちの爪は細くて尖っているので、時々短くしてやらないと危険だ。ツボ巣をからげている糸などに引っかかって逆さ吊りになり大怪我をしてしまうこともある。

 そこで夫がたまに文鳥を捕まえて、それぞれの爪を切ってやることになるのだが、文鳥たちはそれを喜ばない。ギュッと抑えられて動けずにいる間に爪切りが終わり、やっとの思いで逃げ出すと、すぐには夫のそばには寄り付かない。そしてしばらくはそれを憶えていて、夫が捕まえようとしても逃げてしまう。

 爪切りは結構難しく、あまりちゃんと切ろうとすると、つい深くまで切ってしまい出血したりする。そんなときは、慌てて火をつけた線香を仏壇から持ってきて、出血箇所を焼くことになるが、それは当の文鳥はもちろん、あやさんにとっても辛い瞬間になる。けれども文鳥は声を出さない。あまりの痛さにびっくりしているのかどうかわからないけれど、そういう目には誰だって合いたくない。

 だから、夫が文鳥たちの爪を切るときは、あやさんも文鳥以上に緊張する。そして、

「ちょっと切ればいいのよ。切りすぎないで」などと、騒いてしまうのだ。

 それでも中には、そんな面倒をかけない文鳥もいる。これまで一

度も爪を切ってやったことのない文鳥がピポだった。ピポは、現在11歳1か月になるチーの妻で6歳のときにいなくなってしまった白文鳥だが、全く世話の焼けない子だった。ピポは自軍で爪を短くしていた。嘴で噛んで短く削っていたのである。だから、ピポが手に止まるとギザギザした爪が手に当たって痛い感じがした。そして、ピポの子孫のクリもスーも自分で爪を短くしている。そういえばクリの妻のピヨも見様見真似でで覚えたのか、やはり爪がギザギザしている。この方がお互いにストレスがなくていいと思うけれど、マイのように爪が内側に曲がってしまっている場合は、自分で短くするのは難しい。

けれども、そうでないのになぜか夫に爪を切ってもらっているままの文鳥もいるから面白い。

2020年9月11日金曜日

(19)毎日が文鳥さん

 9月になっても暑い日が続いている。一時よりは減少傾向にあるとはいえ、まだまだコロナ感染は治まりそうにない。外出も控えめになり家にいることが多くなっている。ふつうならこんな生活が続いたら本当にうんざりしてしまうだろうと思うけど、それほどでもないのは、文鳥たちのお陰かもしれない。

 彼らと過ごしていると、一日があっという間に過ぎてしまう。ときには一緒に居眠りをして、全く平和な光景が広がる。

 毎日の鳥かご掃除や餌かえなど、面倒に思うこともあるけれど、それによって生活のリズムがうまくいっているのは疑いない。そう考えると、こちらが彼らの世話をしているだけではなく、けっこう彼らの世話になっていて、日々まあまあに過ごせていることに気づく。

 なにしろペットといると自然に優しい気持ちになれるから、そんないいことはない。世話が面倒に思えても、彼らの喜ぶ様子を見ると、やはりあまり手抜きはできない。それに彼らが言葉で表現できない以上、どうしても気を配ってやらなければならない。そして彼らはこちらの気持ちを裏切らないから、そこに信頼が生まれる。なんと幸福なことだろう。面倒なことは、とてもいいことなのかもしれない。そんなことを思う文鳥生活が続いている。


2020年8月24日月曜日

(18)チーちゃん11歳おめでとう




 ボク(チー)がこの家にきたのは、生後半年のときだった。だからボクはこの家にもう10年半もいることになる。ボクが来たとき、すでに3羽の文鳥がいて、みんな仲がよさそうだった。2羽の白文鳥は、どちらも女の子で、年上のフーちゃんと呼ばれている女の子はとてもかわいらしい目をしていたから、ボクはすぐに気に入った。もう1羽の女の子はピポという名で、ボクと同じ年ごろだったけど、オテンバで、まだ子供っぽかった。だからボクはフーのほうを好きになったんだけど、フーは、もうパピの奥さんに決まっていた。パピはボクと同じシナモン文鳥で、ボクより半年くらい年上だけど、パピがこの家に来たのは2週間前だって。ボクよりほんのちょっと早く来ただけだっていうのにさ。それになぜか飛び方も下手だった。ボクのほうがずっと恰好がいいのに、ほんのちょっと遅れてもらわれてきたせいで、もうフーの相手はパぴになっていた。そして、まもなくフーとパぴの間にマイという白文鳥が生まれて、ボクがフーに近づこうとすると、ピポとマイが一緒になって邪魔をした。

 それでもボクはずっとフーを追いかけていたから、フーに嫌われていた。そのうちにピポがボクに優しくなって、ボクとピポは結婚した。そして、ボクたちも子供を持った。それから長女のルミがマイの奥さんになった。ルミはボクと同じシナモン文鳥で、見た目はボクにそっくりだったけど、運動神経のよさはピポ譲りで、高低自在に飛び回っていた。

あの頃が、なつかしいなあ。

だけど、5年前にフーが死んでしまって、ピポまでいなくなってしまったときは、本当に辛かった。

そうか、あれからもう、5年になるのか。もうマイもルミも死んでしまって、ボクが一番長生きして11歳になったのか。それはけっこうすごいことらしい。そのせいか、いまではボクが、この家で一番大事にされている。  

  

2020年8月10日月曜日

(17)7羽の文鳥たち


今日は8月10日、「山の日」だそうだ。毎日暑いが、文鳥たちは結構、活発に過ごしている。水浴びも盛んで鳴き声もよく聞こえる。

あと2週間で11歳になるシナモン文鳥のチーも鳥かごの中の水の入った浅井お皿に腹ばいになって度々バシャバシャしているが、聞こえる音は嘴がお皿に当たるチリンチリンという音だけだ。

チーを抱いてえさを食べさせていると、き、白文長でひ孫のスーや孫でクリー文鳥のクリ、それに子供で白文長のメグもやってきて、あやさんの手や肩や頭に止まるが、それぞれの性格が出ていて面白い。一番人懐こいのはスーで、とにかく鳥かごを出ると、すぶに挨拶ににくる。手の中のチーを見る者の何もしない。ところがクリが飛んできてスーを追い出すと、クリは反対の手の中で眠っているチーの上に乗り移ってつついたりする。すぐにあやさんい追い払われたりするものの、クリは息子のスーよりも、物分かりが悪い。メグだって威張っていてスーを追い払ったりするけれど、チーには何もしないのに。

クリのパートナーのシルバー文鳥のピヨは、クリと一緒に手に止まりたいように寄ってくるものの、クリがそれを邪魔したりする。ピヨはもともと手乗りでなかったから、独りで人の手に乗りのは少しためらわれる。スーのように気の利く夫だったらよかったのだろう。スーはピヨがえさを食べに近づいてきたら、自分の場所を移動して、あやさんの腕のほうにいったりもする。少しピヨに気があるのかもしれない。クリは最初の妻のチビのときも、チビが手の中のえさを食べていると、やってきて一緒に食べるどころかチビをおしのけていた。あやさんが反対の手にえさを乗せてチビがそれを食べ始めると、今度はそこに来てまたチビを排除した。クリは、ほかの文鳥と比べ、なんとなく多動で落ち着きがない。人間でいいえば発達障害児に属するのかもしれない。見た目はきれいな鳥だけど。

シナモン文鳥のミーとクリーム文鳥のモカは毎日ソファーに置いた水の入った容器で仲良く一緒に水浴びをしているが、どちらもチーを抱いているあやさんのところにはあまり来ない。ミーは独りだったころ、なかなか鳥かごに戻らないので、あやさんに追われていた記憶があるからかもしれない。

それにしても、もう文鳥は7羽になってしまった。

2020年7月24日金曜日

[16]文鳥のおじいさん[




7月22日はマイの一周忌だった。いまはマイの代わりにシナモン文鳥のチーを抱いてえさを食べさせている。マイとチーの抱き心地は少し違うが、どちらも不自由な老体をすっかりこちらの手の中に預けているのは同じであって、2羽が重なってなんとも愛おしい。

チーはあと1か月で11歳になるけど、鳥かごの中を歩いてえさを食べたり水を飲んだりできる。ときには水の入った平べったいお皿(いつもこれを飲んでいる)に乗って水浴びの真似事をして、鳥かごの床をびしょびしょにしてしまっている。

 マイはそんなこともできなかったから、水道の蛇口の下に連れて行って水をかけてやっていた。マイは素直でおとなしく従っていた。そして、そのあと身体を温めてやるとしばらく眠った。

チーは時々背中の方に水をかけて洗ってやるものの、自分でお皿に腹ばいになって浴びるほうが好きなようだ。そういえばチーはいつも自分の鳥かごにある水飲みの容器で水浴びをしていた。それもたいてい鳥かごを開けて訪朝してもらえる直前のことだったから、「チーは必ずお出かけ前にきれいにしている」などと思っていた。

 それにしても年を取るというのは文鳥さんでも大変なことのようである。  写真は
在りし日のマイちゃん

2020年7月7日火曜日

(15)メグのかわいそうな姿



 きょうは7月7日、七夕のはずだ。九州方面では大雨による大洪水でそれどころではない。九州にかぎらず日本中で雨模様の空が続いている。そのうえ新型コロナもまた感染者が増加傾向にあって、今年の七夕は、ほとんど忘れられているようだ。
 文鳥たちにとって七夕は関係ないことながら、梅雨とはいえ、このうっとうしい気候は、彼らにとっても気の晴れない日々だろう。
 特に最近、伴侶のランを亡くしてしまったメグにとって、気の重い日が続いていることと思う。メグの鳥かごは先日、夫がきれいに洗って、止まり木も2本にプチプチを張って幅を持たせた。やはりもうすぐ7歳半になるから、おぼつかない止り方をしていたので、これなら安心して止れる。
 とにかくメグは自分で胸の羽を抜いてしまったから、傷跡が見るからに痛々しい。その哀れな姿を写真に撮ったので、掲載しておこう。それでもメグは、まずまず元気だから、やがてはきれいになるだろうと思っている。


   

2020年6月24日水曜日

(14) 梅雨空の下で



 夏至も過ぎて最長老のシナモン文鳥のチーちゃんも10歳10か月になった。もうすっかりヨボヨボした老鳥だけれど、えさの入ったお皿に首を突っ込んで自分で食べることもできる。朝起きてしばらくして水色のビニールマットの上を歩く音が聞こえてくると、きょうもチーが元気だとわかるので、安心するこの頃だけれど、チーがこんなに長生きなのは、毎日抱いて食べさせるときになめさせているリンゴじゅースのおかげもあるのではないかと思っている。リンゴジュースを与えているのは青菜が食べられなくなったことがきっかけで、チーは、その甘いジュースが大好きなのである。
 マイにも少しなめさせたことがあったが、マイは水のほうがいいようだった。
 長く生きるのもそれなりに大変なのだろうが、チーには無事に11歳のお誕生日を迎えて欲しいと思っている。妻のピポがいなくなってから、長い間寂しい思いをしていたようだったから、いまでもピポを待っているのかもしれない。でも、ピポが生きていればもうすぐ11歳になるはずだから、ピポはとっくに天国へ行ってしまって、あの世でチーを待っているだろう。
 最近、妻のランを亡くしたメグは、まだ換羽の中にいる。見るからにみすぼらしい恰好で、それに加えて胸の羽が抜けている。夫が、
「メグはランがいなくなってしまたので寂しくって、自分で胸の毛を抜いているのではないか」と心配していたが、もしかしたら、そうかもしれない。文鳥たちは、見かけによらずなかなか繊細な神経の持ち主なのだから。

2020年6月4日木曜日

(13)メグがフランコに



 ランがいなくなってしまったことは、メグだけでなくほかの文鳥たちにもわかっているようだった。メグはもちろん寂しそうだったけれど、ランを捜して鳴くようなことはなかった。メグは7歳4か月になるから、ランがもう帰ってこないことがちゃんとわかるのだろう。ただ静かにブランコに乗っている。これまでは、そこがランのお気に入りの場所だった。ランがいるときには1つのブランコを彼女に譲っていたようだが、いまは遠慮なくポツンとブランコに止っている。
ランの死は兄弟のスーとミーにも衝撃だったようで、スーはトビを亡くしてランも死んでしまったので、本当に寂しそうだ。けれどもそれにもまして寂しそうなのがミーで、ランのいた隣の鳥かごばかりを眺めている。いまはモカという奥さんがいるミーだけど、以前はランを追いかけて、メグの鳥かごに嫌がらせばかりしていたミーだから、もしかしたら、メグ以上にショックを受けているのかもしれない。
 そんなランがいなくなったせいか、夫は文鳥たちを放鳥する順番を気にしなくてよくなった。相変わらず最年長のチー(10歳9か月)が最初に鳥かごから出て、水浴びなどさせてもらっているけれど、あとは、ほとんど一斉に放鳥されるようになったのだ。
 こうしてみると、やっぱり、クリーム文鳥のランは、この家で、けっこう華やかな存在だったようだ。

2020年5月22日金曜日

(12)ランちゃんが天国へ


 

 5月19日のことだった。クリーム文鳥のランが5歳1か月で生涯を終えてしまった。ランはこの家で生まれた3兄弟のなかの女の子でここで生まれた最後のメス文鳥だっった。いまいるメスはピヨとモカの外からお嫁にきた2羽だけになり、独り身のオスが3羽になってしまった。多い時には14羽いた文鳥たちだけれど、今はその半数しかいない。

 ランの具合が変だと気づいたのは前日の18日だった。最初のうちは換羽のせいだと思っていだが、夫によると、その前日の17日に、ランが玄関のドアに当たって落ちるという事故があったらしい。ランが夫の頭に乗ることは珍しいことだけど、そのときランは頭に乗ったまま洗面所について行った。そして水の音に驚いて洗面所を飛び出してそのまま玄関ドアに当たったようなのだ。拾い上げて鳥かごにもどし、大勝負そうだったので、あんまり夫は気にしていなかった。

 ところが翌日に具合が悪そうにスカイカフェの上で首を曲げて眠っていた。夫は、

「あのとき頭をぶつけたのかもしれない。脳内出血を起こしたりしてないといいが・・・」と心配したが、やはりそのとおりになってしまったようだ。19日の朝、鳥かごの覆いを外したとき、ランはメグと並んでというより寄り添ってスカイカフェの上にた。何とか大乗ぐそうだと思って安心したものの、そのうちにふらふらしてきて具合が悪くなったようなので、抱いて温めてからツボ巣に入れた。メグが心配そうにツボ巣をのぞいていたが、やがてランはツボ巣の入り口に出てきてしばらくたっていた。何度か見に行ったが、そのままそこにいた。そして、メグが心配そうにツボ巣をのぞいたりもしていた。

 昼頃、あやさんが見に行くと、メグが鳴いた。ツボ巣を見るとランがいない。奥の報にへばりついていた。取り出して温めたが、もうダメだった。まだあと3年は生きられたのにと思うと、可哀そうでならない。21日に庭のお墓に埋めた。今年になってルミ、トビ、ランと3羽のメス文鳥が死んでしまった。ルミとトビは寿命だったと思うけれど、ランは、まだこれからだった。可哀そうで悲しい。

 写真はランちゃん

 
  

2020年5月13日水曜日

(11)新型コロナ禍のなかで


 

 文鳥たちは換羽が進んでいる。白い小さな毛が鳥かごの中や周りにたくさん落ちている。まだ当分つづきそうだ。コロナも政治も関係ない毎日だ。

 この国は、現政権下で、いくつものデータ改ざんが行われてきた。そのせいか、今回のコロナ禍では、そのつけがもろにでていて、人々は政府に対して疑いの目を向けざるを得なくなっている。すでにこの国の人々はもう政府が当てにならないことをこのコロナ対応で確信してしまった。

 そんななか、この政権は、また、とんでもない法案を、こっそり国会を通過させようと出してきた。三権分立をも揺るがしかねない悪法案で、でものできないコロナ禍のなか、人々は新しい抗議の手段に出た。

「検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグのついたツイッターの投稿で、世界でのトレンドの1位になったほどの盛り上がりになった。

 政府はダメだが、国民はすてたものではない。この国の悲しいところは、政権を担う国会議員があまりにも粗末なことだ。もちろん優秀な国会議員も少なくはないが、、地盤看板を受け継いだ二世三世議員にいたっては、ほとんどがあまりに程度が低いので困ったものだと思う。これも国民全体がノー天気でマスコミもかなり政権に抑え込まれているからだろうが、その根っこにあるのは、これまで長年にわたって行われてきた知識偏重の教育の結果でもあるように思う。つまり「考えない」(主張しない)人間を生み出してきた。もともと日本語は、ものごとをはっきり言って意見をたたかわせるようにはできていない。「以心伝心」「阿吽の呼吸」「慮る」といった文化が多くの日本人には根付いている。ここから気遣いやおもてなしなどというものも生まれているのだと思うが、この文化からほど遠い「厚顔無恥」な連中とやり合うようにはできていない。

 文鳥だって仲間や人の心を感じて思いやれるのに、ただ金のためや自己満足のために、「ヘイトスピーチ」を平気でする者は、気の毒なものたちとはいえ、文かとはほど遠い存在だから、文鳥より遥かにやっかいだと思うこのごろだ。

2020年4月24日金曜日

(10)メグも換羽(かんう)



 この前、チー(10歳8か月)の換羽のことを書いたが、こんどは次に年寄りのメグ(7歳3か月)の換羽が始まっている。最近メグは飛び方もおぼつかないようすで、鳥かごには細かい羽毛が散らばっていた。やはり、どの文鳥も換羽のときは、それなりに具合が悪くなるようだ。

 これで、すっかり夏毛に生え変わってしまえば、身軽ですっきりするのだから、ここはがまんのしどころか。これをすぎれば体調もよくなるはずだ。そういえば冬毛の抜けたチーも、体は骨ばっているものの結構、げんきそうだ。このようすだと、まだ当分は生きられるだろう。

 ほかの文鳥たちも、少し体を痒がっているときもある。これから彼らも換羽が始まるのだろうが、このように換羽は年寄り順にやって来るものなのか。これまで気にしてみたことはなかったけれど、そうだとしたら新発見だ。

2020年4月10日金曜日

(9)ランちゃんたちも、もう5歳



 クリーム文鳥のラン、白文鳥のスー、シナモン文鳥のミー、この3兄弟たちも、4月10日に誕生日を迎え、5歳になった。彼らが生まれて以降、この家では、だれも生まれていない。この3兄弟はクリとチビの間に生まれた子どもだけれど、母親のチビは、彼らを育ててその年の12月に亡くなってしまった。いまクリはシルバー文鳥のピヨと暮らしていて、ピヨはいくつも卵を産んだけれど、まだ1羽もかえっていない。

一方、10歳7か月を過ぎたシナモン文鳥のチーは、最近体をかゆがっている、ぬるま湯で洗ってやると羽ばたいて、小さな白い羽毛がいくつも抜けた、そういえば少し前には尾羽も抜けて落ちていた。チーの尾羽は元々黒かったものが、白髪のようにすっかり白くなっているから、すぐにわかる。

 そろそろ換羽の季節なのかと思わせるけれど、ほかの文鳥たちは、まだのようだ。チーは老いたせいで特別に早いのだろうか。それにしても、こんなに歳をとっても換羽がちゃんとあるなんて、すごい。

2020年3月22日日曜日

(8)文鳥たちの春



 春分の日が過ぎて、いよいよ春めいてきた。例年より早い開花という桜のたよりも聞こえてくる。本来なら明るく活気ある季節なのに、日本だけでなく世界中が新型コロナウイルスの猛威で大変なことになっている。

とはいえ、あやさんちでは、今のところ、いつもながらの文鳥たちとの平和な生活が続いている。

 10歳7か月のチーは、相変わらず食べて眠るだけの生活だけれど、まだ食欲はちゃんとしている。ときどきツボ巣の下に潜り込んでいて、ハンカチを丸めたツボ巣を支えるための棒状の布の陰から尾羽をのぞかしている、まさに、頭隠して尻隠さずの格好だ。聞くところによると、なんでもだちょーは、怖いものを見ないようにと、頭だけを土の中に隠して隠れたような気になっているらしいが、チーも頭を隠していると安心できるということなのか。

 スーは、まだ独りぼっちなので、鳥かごから出ると、チーにえさを食べさせているあやさんの足や腕に止ったりしている。ほかの3つのカップルも、柔らかな陽光の射し込む居間で、それぞれ交代で卵を温めたり水浴びをしたりしている。そろそろ新しい命が生まれないものかと願うけれど、果たして結果はどうなるか。

2020年3月11日水曜日

(7)文鳥のカップル



 今年もまた3月11日がやってきた。未曽有の甚大な被害をもたらした東日本大震災から9年経ったことになる。あの恐ろしい揺れた日々を知っている文鳥は、もうチーだけになってしまった。復興はまだまだで、被災者の多くはいまだに大きな負債を背負ったままでいるようだ。もう少し何とかならないものかと、この国の優しくない政治に憎しみを新たにする。

 ところでチーは今月末には10歳7か月になるけれど、あの9年前のことを覚えているだろうか。そして、5年前にいなくなってしまった妻のピポのことを覚えているだろうか。文鳥の記憶はどれほどか知らないが、チーが少なくとも1年以上、ピポを想って寂しそうにしていたことは確かだ。そして、スーも先に逝ってしまった妻のトビを想っていまだにさびしそにしている。鳥かごから出ても独りだから、チーにえさを食べさせているあやさんのところに来て足に乗ったり肩に止ったりすることが多い。チーもそうだった。マイを抱いてえさを食べさせているあやさんの背中に乗って丸まったりしていた。

 文鳥は、隣の鳥かごのものには、結構意地が悪いような行動をするが、自分のパートナには、仲間としての特別の思いがあるようで、一緒になると、年々仲睦まじくなっていく。そういう意味では非常にセクト的な生き物のような気がする。

 

  写真は10歳半を過ぎたシナモン文鳥のチー
 
 

2020年2月22日土曜日

(6)2020年2月22日



 きょうはフーの命日だ。あれから5年になる。フーの子のマイも昨年7月22日に9歳2か月で天国に召されたから、もうフーの子孫はいない。5年の間に何羽もの文鳥との別れがあった。

 けれども新しい文鳥も加わって今でも、それなりににぎやかだ。オスは全員チーの子孫で、みんなこの家で生まれたけれど、メスはランを除いてピヨもモカも外からお嫁にきた。

 チーは10歳半になった。この家の文鳥で1番長生きしている。

チーの子が白文鳥のメグで、その子がクリーム文鳥のクリ、そして、クリの子が白文鳥のスーとシナモン文鳥のミーである。

メスのクリーム文鳥のランもスーとミーと一緒に生まれたからチーの曽孫に当たるわけだ。

 メスたちはみんな今、卵を抱えているけれど、新しい命の誕生はあまり期待できない。そのため、夫は独り身にになってしまって淋しそうなスーの相手を探しているようだが、果たしてどうなるのだろうか。

写真は、シルバー文鳥のピヨ、クリーム文鳥のラン
 

 
 

 

2020年2月6日木曜日

(5)トビちゃんも天国へ


きのう2月5日午後2時過ぎだった。トビがあやさんの手の中で眠ったまま天国へ行ってしまった。6日前に8歳になったばかりだった。

 トビは急に飛べなくなって元気もなくなってきていた。ルミに比べればまだ1年も早いとおもうけれど、それぞれに寿命というのがあるのだろう。だから、トビは自分の寿命を全うしたような気がする。

 今月の4日からはトビ用にえさを下に用意した。5日の朝は覆いの布を外すと、ツボ巣から顔を出して、夫のスーと、鳴きあって何か話していた。

「おい、大丈夫かい」

「ええ、大丈夫よ。お腹がすいたわ」

 なんて、感じだった。それからトビは下に落ちて、自分のえさを食べていた。多分、水ものんだはずだ。

 そのうちに、あやさんがツボ巣にもどしてやると、またおとなしくツボ巣にいた。

 昼頃には、また下にいて、えさの入った丸井お皿の中で丸まっていた。チーをぬるま湯湯で洗ってえさを食べさせてから、トビを抱いてやると、また身を預けてしばらく手の中で眠っていた。そのうちに、とつぜん、ア~というような声を出して、手の中から飛び出したが、よろけてうまく立てなかった。そして、えさのそばに行っても食べられなかった。また抱き上げて、トビも好きになったリンゴジュースをなめさせようとしたけれど、なめずに静かに眠った。

 それから10分ほどしてもトビは静かに眠ったままで、やがて、お香の香りに似たいい香りがしてきた。

トビが死んだかもしれない、と思った瞬間だった。トビも一度も医者にかかることもなく、世話の焼けない可愛いメス文鳥だった。

 今頃は、一緒に生まれたユウちゃんに天国で会っているかもしれない。トビちゃん、さよなら、いい子だったね。

2020年1月31日金曜日

(4)トビの具合


 きのう1月30日に8歳になった白文鳥のトビだけど、最近はあまり元気がない。いつもは人の手に乗ってこない性格にもかかわらず、あやさんが抱き上げると、手の中でおとなしくしている。多分、温められると気持ちがいいのだろう。数日前には夫がトビたちの鳥かごを取り換えた。同じタイプの鳥かごだけれど、中の止まり木を工夫して幅を持たせてある。これは2本の止まり木をプチプチでつないで板のようにしたもので、これなら、少し足が悪くても、鳥かごのえさや水に簡単に移動できる。さらに、暖房器具もとりつけた。

 10歳5か月を過ぎたチーのところにも暖房器具を入れてあって、やはり年をとると、自分で温める力が少なくなってしまうようだ。

 子どもの頃はビューンと飛んで飛ぶことが得意だったから、「トビ」という名前になったのに、トビは高く飛び上がれなくなってしまった。自分の力で鳥かごに戻れないから、捕まえて鳥かご内に入れなければならない。それでも、これまでと違い、あやさんがトビを捕まえようとすると、ほとんど逃げなくなった。つかまっても構わないといった感じで、手に抱かれることが好きになったように見える。トビの姉のルミは9歳まで生きられた。果たしてトビもまた元気になって高く飛べるようになるだろうか。

2020年1月20日月曜日

(3)メグも7歳



1月15日はメグの誕生日だった。もう7歳だ。相変わらず元気だけれど、本当はいいおじいさんなのかもしれない。今月末にはトビとモカも誕生日を迎える。トビも8歳になるから、結構なおばあさんのはずで、以前より飛び方が頼りないことがある。。2歳になるモカは、まだこの家で一番若い文鳥だ。夫のミーとは2歳9か月違いのクリーム文鳥で、ふたりともいまだに子供っぽくて、よくケンカをしている。それでも一緒の鳥かごに入っていくから、仲が悪いわけでもなさそうだ。どちらも相手が自分の思うように行動しないことが気に入らないようにも見える。もしかしたらミーは相変わらず相手の気持ちを察するのが下手なのかもしれない。

(写真はもか、メグ、おばあさんになったトビ)

 






2020年1月8日水曜日

(2)さよならルミちゃん

 
 お正月そうそうの5日夜、ルミが天国に召された。9歳余の一生だった。ルミが生まれたのは東日本大震災の前年2010年の12月12日だった。ルミは生まれてからこのかた一度もこの家から出たことがない。医者に行くこともなく手のかからないシナモン文鳥だった。産んだ卵はかえらなかったが、夫のマイとはずっと仲良しだったから、7月にマイが天国に行ってしまってからしばらく、マイを探して呼んでいた。今頃はもう一緒にいるかもしれない。

 2羽とも9歳以上生きたのだから、大往生だというべきだろうが、さびしくなるのは間違いない。

 ルミはこの日の朝、下のツボ巣から出て、チーのそばで丸まっていた。死んでしまったのではないかと思って持ち上げると温かかったのでホッとして、暖房のきいたツボ巣に入れた、そしてチーにえさを食べさせてからルミを手に乗せて食べさせた。食べた量は少しだったがリンゴジュースも少しなめたので、上のツボ巣(ルミのツボ巣)に入れて寝かせた。

 昼過ぎに夫が鳥かごの掃除をするとき、チーと一緒にルミを出して手の中で温めたけれど、なんだか元気がなく、じっとしたままだった。そのうちに、糞詰まりかもしれないと思ってお尻をを触ると思ったとおり糞の塊が出口をふさいでいた。夫がそれを剥がしてからお尻を洗ってやると、詰まっていた糞が出た。ルミはそれで少し楽になったように見えたけれど、えさはほとんど食べなかった。そして、しばらくあやさんの手の中で眠ってから、暖房を増やしたルミの鳥かごのツボ巣に戻した。

 夕方6時過ぎになって、就寝前の食事を与えようとルミをツボ巣から出した夫が、ルミが冷たいぞ、といった。

 チーと比べてルミの体温はいつも低いので、温めてやらなければと思ったものの、あやさんはまだルミが死ぬとは思わなかった。

 けれどもルミは手の中でおとなしくしたまま、えさを食べなかった。そして、夫が手に取って水をなめさせると、それをなめて、飛び上がった。といっても手の中で羽ばたいただけで、残りの糞を出した。それから間もなくすると、夫がいった。

「ルミが動かなくなった。呼吸していない」

 あやさんが手に受け取ってみると、本当にルミは動かなくなっていた。ルミは詰まっていたたくさんの糞を出して、すっきりしたようだったから、それがせめてもの慰めになっている。スリムなきれいな文鳥で、ついこの前まで飛ぶことができたけれど、急に老いてマイのところに行ってしまった。

 その後、チーは夜は以前のように自分のツボ巣に入って朝を迎えるようになった。このところ自分のツボ巣に入って寝ていなかったのは、恐らくルミにその場所を譲るためだったのだろう。チーはマイペースでおこりん坊だけど、やっぱり優しいのだ。

2020年1月5日日曜日

(1)明けましておめでとうございます




 文鳥10羽と、また新しい年を迎えることができました。今年もよろしくお願いします。

念頭にあたり、まず10羽の文鳥たちを年長順に紹介します。

 

1、    チー・・・10歳4か月、オス、シナモン

2、    ルミ・・・9歳、メス、シナモン文鳥

3、    トビ・・・7歳11か月、メス、白文鳥

4、    メグ・・・6歳11か月、オス、白文鳥

5、    クリ・・・5歳10か月、オス、クリーム文鳥

6、    ラン・・・4歳8か月、メス、クリーム文鳥

7、    スー・・・4歳8か月、オス、白文鳥

8、    ミー・・・4歳8か月、オス、シナモン文鳥

9、    ピヨ・・・3歳2か月、メス、シルバー文鳥

10、 モカ・・・1歳11か月、メス、クリーム文鳥

ペアになっているのは、メグとラン、クリとピヨ、スーとトビ、ミーとモカ、そしてチーとルミは一緒の鳥かごにいるものの独り身どおし。高齢者も多いですが、どうぞよろしく。