2020年5月13日水曜日

(11)新型コロナ禍のなかで


 

 文鳥たちは換羽が進んでいる。白い小さな毛が鳥かごの中や周りにたくさん落ちている。まだ当分つづきそうだ。コロナも政治も関係ない毎日だ。

 この国は、現政権下で、いくつものデータ改ざんが行われてきた。そのせいか、今回のコロナ禍では、そのつけがもろにでていて、人々は政府に対して疑いの目を向けざるを得なくなっている。すでにこの国の人々はもう政府が当てにならないことをこのコロナ対応で確信してしまった。

 そんななか、この政権は、また、とんでもない法案を、こっそり国会を通過させようと出してきた。三権分立をも揺るがしかねない悪法案で、でものできないコロナ禍のなか、人々は新しい抗議の手段に出た。

「検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグのついたツイッターの投稿で、世界でのトレンドの1位になったほどの盛り上がりになった。

 政府はダメだが、国民はすてたものではない。この国の悲しいところは、政権を担う国会議員があまりにも粗末なことだ。もちろん優秀な国会議員も少なくはないが、、地盤看板を受け継いだ二世三世議員にいたっては、ほとんどがあまりに程度が低いので困ったものだと思う。これも国民全体がノー天気でマスコミもかなり政権に抑え込まれているからだろうが、その根っこにあるのは、これまで長年にわたって行われてきた知識偏重の教育の結果でもあるように思う。つまり「考えない」(主張しない)人間を生み出してきた。もともと日本語は、ものごとをはっきり言って意見をたたかわせるようにはできていない。「以心伝心」「阿吽の呼吸」「慮る」といった文化が多くの日本人には根付いている。ここから気遣いやおもてなしなどというものも生まれているのだと思うが、この文化からほど遠い「厚顔無恥」な連中とやり合うようにはできていない。

 文鳥だって仲間や人の心を感じて思いやれるのに、ただ金のためや自己満足のために、「ヘイトスピーチ」を平気でする者は、気の毒なものたちとはいえ、文かとはほど遠い存在だから、文鳥より遥かにやっかいだと思うこのごろだ。

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