2018年3月21日水曜日

六、シナモン文鳥のチー


  ボクはチーだよ。いま、このうちで1判年長なんだよ。もうすぐ8歳と7カ月。今年になってからパピが天国に逝ってしまったから、となりの鳥かごは空っぽで、ボクはホントにさびしいよ。8年前にボクがこの家にもらわれてきたとき、パピとフーとピポがいたのに、みんないなくなってしまった。だから、いまはボクが一番長くここにいることになる。妻のピポがいなくなってしまってからは、ずっと独身だし、隣にいた同年代のパピまでいなくなったんだもの、さびしくないはずないよな。

 でも、ボクは、いまのところちゃんと飛べるし元気なんだ。鳥かごから出たら、娘のトビのそばに行く。ピポと同じ白文鳥だから、ピポの面影があるからな。トビのほうは、あまりうれしそうじゃないけど、いやがられない程度についている。夫のスーもあまり怒らないから都合がいい。

 ボクは鳥かごの菜っ葉をママが取り換えてくれるとき、ママの指をかむんだ。すると、ママは、
「チーちゃん、痛い、痛い」っていうんだけど、ボクとしては、お礼の意味でそっとかんでいるつもりなのに、強すぎるのかなあ。そういえば、ボクは昔から、ぎゅっとかむくせがあったなあ。カーテンからパパに引っ張りだされていたとき、パパもいっていた。
「こら、チー、痛いよ」って。でも、頭をなでてくれて、ボクはおとなしくなった。それも、ピポがいたときの、なつかしい思い出。

 


2018年3月3日土曜日

五、クリ4歳


 きょうは3月3日、ひなまつりだって。すると、もうボク誕生日は過ぎたのかな。そう思っていたら、さっきママがきて、
「クリちゃん、すっかり忘れていた。4歳になったのね。お誕生日すぎちゃったけど、おめでとう」だって。まあ、思い出してくれたからいいけどさ。

 ボクが4歳ってことは、メグももう5歳になったはず。メグの誕生日は覚えていたのかな? このところ、パピが天国へ行ったりして、たてこんでいたからな。でも、ママは2月22日には何か騒いでいたな。
「きょうは、フーの命日」とかいって。フーのことはよく覚えているんだ、きっと。何しろずっと前から、この家にいたようだからな。飛べないのに可愛がられていた。フーが死んだのは3年前だった。チビはその年の12月に死んでしまったんだ。チビも生きていればボクと同じ4歳になったはず。市日がいなくなって寂しかったけど、そのうちココと一緒になれた。でも、年上のココも去年死んじゃった。

 だけどボク、いまは若いピヨと一緒に暮らしているから幸せ田。
「ホントはミーの相手にと思ったのに」なんて、ママがいっていたけど、ミーは相変わらずランしか見ていない。そこで、ボクが誘ったら、ピヨがボクのところにきたんだ。ミーのやつ、わが子とはいえ、ちっとも成長してないんだな。まあ、しょうがないか。ピヨもこのうちに来て、1年1か月だそうだ。まだ子供はできないけど、仲良く暮らしているから、天国のチビもココも安心してくれるだろう。