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2020年11月21日土曜日

24)フユのその後

 シナモン文鳥のフユちゃんがこの家にきて3週間になる。元気で人懐こい感じはピポを思わせる。鳥かごの位置もちょうど同じだ。ピポと、いまもこの家にいるシナモン文鳥のチーが一緒にそこにいた。もうすぐ11歳3か月になるチーは、このまま新しい年を迎えられるかもしれない。

 ところでフユはスーとすっかり仲良くなり卵を産んだ。1週間前頃から産み出して、いま6つの卵を温めている。卵といえば隣の鳥かごのピヨもまた卵を温めているけど、まだ孵ったようすはない。

 ピヨとフユはけっこう仲良しで、鳥かごから出たとき一緒にえさを食べていたりする。オス同士はなかなかそうわいかないが、こんな光景を見ると、昔、フーとピポが仲良く遊んでいたことを思い出す。もうあれから11年になる。ピポがいなくなったのは2015年の11月14日だった。生きていれば11歳4か月ということになるけど、もう天国に行っているだろう。

 


2020年10月11日日曜日

(21)長生きの秘訣?

 


 11歳を過ぎたシナモン文鳥のチーちゃんは、相変わらず元気に過ごしている。といっても、ほとんど眠っているけれど・・・。

 文鳥の寿命はふつう7~8年ときくから、チーはかなり長生きということになる。この家で9歳以上生きたのはパぴ、マイ、るみだけど、10歳を超えたものはチーと昔飼っていたピーちゃん(12年生きた)の2羽しかいない。そしてチーは、11歳を過ぎている。

文鳥は繊細な鳥だから、精神的に安定していることが長生きするには大事なことだろう。けれども時にはとこかにぶつかるなどで怪我をすることも多いから、そればかりでも難しい。やはりそれぞれが持っている運命というものがあるのかもしれない。

 それでもチーを見ていると、これが長生きの秘訣かなと思えることがある。一つには、あまり周りにきをつかわずにマイペースで過ごすこと。それからチーは大食漢ではなかった。どちらかといえば小食で細身で過ごしてきた。さらには、あまり冒険をしない。巻き上げカーテンの昼寝場の場所取りも妻のピポに任せていて、自分はピポに取ってもらった場所にあとから行って、そこにもぐって悠々と昼寝をしていた。まあ、それはピポがいなくなってからは、できなくなってしまったのだけど、それまではピポのお陰で、けっこういい思いをしていた。そして今は文鳥たちの中で一番大事にされている。何しろ1日3回は抱き上げられて食べさせてもらい、手の中で眠り、ときには水浴びまでさせてもらっているのだから、決して悪い暮らしではないはずだ。もしかしたら、もうすでに極楽にいるつもりかもしれない。眠っている間には、別れた妻のピポに会っている可能性だってありそうだ。毎日が極楽、極楽。

2016年5月10日火曜日

(三十一)文鳥たちの動画―②

② 文鳥3兄弟のさし餌
 さし餌をしてもらうラン、スー、ミー。大きなお口でパクパクパクパク。このころは、こんなに仲がよかったのに・・・

2016年5月9日月曜日

(三十一)文鳥たちの動画

① 文鳥3兄弟の水浴び
 仲良く水浴びをするスー(白文鳥)とラン(クリーム文鳥)。ミー(シナモン文鳥)も一緒に入りたいのに、ランに追い払われてしまう。でも、なんとか入ろうとするミー。そして、やっと入れたけれど・・・

2016年4月10日日曜日

(三十)きょうは3羽の誕生日

 ラン、スー、ミーが生まれたのは、ちょうど1年前のきょう。あっという間に過ぎた1年だった。3羽を産み育てたチビは4か月前に死んでしまったけれど、そのことを彼らは、どう受け止めたのだろう。すでに親離れしてからのことだったから、とくに変わったようすはなかったけれど。
 夫のクリとは違うのかもしれない。クリはいまだに寂しそうで気の毒だ。
 いま3羽はそれぞれ別の鳥かごで暮らしていて、放鳥するとスーとランが以前のように一緒に水浴びをしたりする。スーは、そのほかに水道の蛇口に飛んできて手のひらのプールに入っているけれど、蛇口だとマイと場所の取り合いになるから、ソファーの上の水入れのほうが気楽そうだ。ランとはヒナのときから仲良く入って浴びているから争うことはない。
 ミーとランが一緒に水浴びをすることはいまでもないものの、2羽の関係は少し変化してきていて〝ランの反撃〟などで紹介したとおり。それでもランがミーを好きになったとは思えないから、このままだとミーは〝悲しいピエロ〟になってしまいそうだ。
 ランはフーやピポのように頭のいいメスのようだけど、ひとりで人間に触れる機会が少ないから、少し愛情不足で育ってしまったかもしれない。あのころとは違い、いまは文鳥の数が多いから、ランを充分に可愛がってやる機会がなくなっている。文鳥も人間の子どものように、満たされないと周りを困らせて気を引きたくなるのかもしれない。
 スーの場合は積極的にあやさんや夫のところに寄ってくるから、可愛がり安井のだけど、ミーとランはかなり勝手に育っている。そのほうが文鳥にとっていいように思っていた。でもやはり繊細な文鳥さんのことだから、もっと頻繁に接してやったほうがよかったのかもしれない。
 とはいえ、3羽は無事に立派に育っている。チビも天国から見て喜んでいるだろう。
 とにかく、スーちゃん、ランちゃん、ミーちゃん、お誕生日、おめでとう!
 (それからグーグルさん、先月はママの誕生日祝い、ありがとう)

2016年3月23日水曜日

(二十九)白文鳥のスーだよ

 ボクの名前はスー。お父さんはクリーム文鳥のクリでお母さんはチビっていう名の桜文鳥だった。ボクはクリーム文鳥のランとシナモン文鳥のミーと一緒に育ったんだけど、ボクの家族ではボクだけが白文鳥なんだ。それでも、おばあさんとひいおばあさんは白文鳥なんだけどさ。ボクは白文鳥といっても、まだまっ白じゃないんだ。尾羽は黒いし背中に模様があるんだよ。ママなんか、
「スーちゃんて、模様があるからわかりやすくていいわ」なんていってるよ。でも、この模様はそのうちに消えてしまうかもしれないんだって。
 ボクたち3兄弟は去年の4月に生まれて一緒に育ったんだけど、1年たったいまではみんな別の鳥かごで暮らしている。でも水浴びはいまでも同じ白い入れ物でしているよ。それでもランは最近、メグのまねをして鳥かご内の水飲みでしているみたいだけど。ボクなんかマイみたいに水道の蛇口に行って浴びることもあるんだ。ママの手のプールなんだけと、最初はちょっと入るのが恐かった。でも、いまはマイに負けないで浴びているんだ。だからボクの水浴び場は2か所もあるんだよ。ママの手では独りで浴びているんだけど、入れ物では、たまにランと浴びるんだ。だけど、それもだいぶ少なくなった。
 兄弟といっても近ごろはバラバラで、子どものころがなつかしいな。ランはもうメグのお嫁さんになっちゃったから、なんとなくよそよそしいんだよな。ボクも相手が欲しいけど、こうオスばかり多くちゃ難しそうだな。独身のメスといえばトビとユウしかいないんだから。どちらもだいぶ年上だしな。もう新しいヒナは生まれないのかな? もっとも生まれてくるのがオスじゃしょうがないけど。
 

2016年3月18日金曜日

(二十八)シナモン文鳥のミーだよ

 ボクはランとスーと一緒に生まれたんだ。小さいとき、ランとよくケンカをしていた。ランのやつ、ボクの頭をこずいたりして、生意気な女だった。スーが間に入って止めてくれたけど、なんであいつ、あんなだったんだ?
 いま思うと不思議だけど、ボクもランもまだ子どもだったからな。それにしてもランは、あのころから気になるやつだった。ランのやつ気が強いのに、スーとは仲良くしていたからな。もしかしたらボクのこと邪魔だったのかもしれない。
 そうか、ボク、ちょっかいかけて、こっちを向かせようとしたんだな、きっと。そしたら怒って、ボクがそばに行くと追い払ったんだ。あいつおませなんだ。
 それで、ずっと年上のメグとなんか一緒にされちゃってさ、かわいそう。
 でも、なんだかこのごろ、ランのやつ、ボクが近づいても怒らないし、優しくなって、ボクに気があるみたいなんだ。 この前なんか自分の鳥かごにもどらないで、ボクのところに入ってきた。それで、しばらく一緒にすごしたんだよ。楽しかったなあ。もうボクの頭をこずいたりしないし、メグがきても着いて行かなかった。いっそのことボクのお嫁さんになればいいのにって思ったんだけど、またメグのところにもどっちゃった。
 メグなんかよりボクのほうがずっと優しいし、もうすぐケンカもこっちの方が勝つようになるのにさ。
 けど、よく考えてみればランはボクのえさを食べると出て行っちゃうんだよな。もしかして、あいつ可愛い顔してるくせに、ただの大食いなのかな?

2016年3月14日月曜日

(二十七)ラン反撃のその後

 ランがミーの鳥かごに入ってからも、メグはトビを追いかけている。トビはといえばメグよりも同じ白文鳥のマイのほうが好きらしい。メグの放鳥は最後になるため、マイとトビが鳥かごから出ている時間が長く重なっている。ただマイはトビに気があるもののメグと違って妻のルミに気を遣っている。フーとパピの子だけあって優しいのだろう。
 そして、ランの反撃から数日たった夕方のこと、またランがミーの鳥かごに入った。ミーと一緒にしばらくえさを食べていたから、お腹が空いていたのだろう。食べ終わったら鳥かごから出るかもしれないと思い、とびらをあけておいたけれど、ランはそのまま居座った。夫も、
「また寝る頃になって暴れるんじゃ困るな」といって、とびらを閉めないで、ランが出てくるのを待った。
 するとしばらくしてランが鳥かごから出てきて、ミーも着いてくる。また、メグとランとミーがメグたちの鳥かごの上に止まり、それから面白いことが始まった。自信をつけたミーがランのそばにきたメグを追い払おうとしたのだ。メグも負けていないからケンカになった。それを見た夫がいう。
「ランは悪いヤツだなあ。まるで魔性の女みたいだ」
 でも、あやさんはいい返す。
「だけど、悪いのはメグよ。ランは頭がいいのよ」
 夫は「まあ、そうだな」といったものの、かなりミーに同情しているようす。
 たしかに、1番の被害者はミーのようだけど、あやさんはさらにいった。
ミーちゃんだって、ランにちょっとだけどふり向いてもらえて、少しはよかったんじゃないの。自信もつけたようだし」
「そうだな」と夫の気のない声がして、静かになった文鳥たちの就寝のため居間の明りが消された。
 ランはその翌日も同じように夕方ミーの鳥かごに入ってえさを食べ、また自分の鳥かごにもどったものの、それ以後、ミーの鳥かごに入っていない。素直にメグに着いて自分の鳥かごにもどっているから、この数回の反撃が功を奏してメグが少しはやさしくなったのだろうか。
 と、思っていたら、きょうもランがミーの鳥かごに入って仲良くえさを食べていた。???

2016年3月10日木曜日

(二十六)わたしもクリーム文鳥よ

 わたしの名前はラン。お父さんと同じクリーム文鳥なの。お母さんは、わたしたち兄弟を育ててから、去年、死んでしまったの。スーとミーと一緒に育ったんだけど、ミーとはケンカばかりしていたから、去年の秋にわたしはメグのところに移されてしまったのよ。メグはもう大人だから、しばらく平和に暮らしていたんだけど、最近わたしメグのことで頭にきている。
 それでこの前、ついに仕返ししてやったわ。わたしメグのいる自分の鳥かごにもどらなかったの。それでどうなったかですって? 
 それは夕方だったけど、メグとミーとわたしの3羽が鳥かごにもどらなかったらママに叱られて、まずメグが鳥かごに入ったの。それでもわたしは着いて行かなかった。するとメグがまた出てきたわ。わたしがミーと一緒だったから、少しは気になったんでしょうね。そこでわたし、ミーに着いて行ったの。ミーの鳥かごに入って一緒にえさを食べだしたら、メグはあきらめて、自分の鳥かごにもどったみたい。
 そのまましばらくミーと暮らすって手もあったんだけど、パパが布をかけるとき、やっぱり自分のところにもどらなくちゃって思ってね。けっきょくメグのところにもどったわけ。
 これでメグにわたしの気持ちが伝わったかどうかわからないけど、少しはこりて、トビを追いかけなくなればいいのに。でも多分、ダメよね。だけど、わたしはちゃんと意思表示したんだから。
 ほかにパートナーにしてもいいようなオスが何羽もいるし、わたしメグになんか負けないわよ。

2016年3月7日月曜日

(二十五)ランの反撃

 近ごろ、メグがしつこくトビを追いかけている。去年ランと一緒に暮らしだしたころは、借りてきた猫みたいに静かだったのに、また独身時代にもどってしまったように乱暴だ。いまは1年年上の姉のトビを追いかけているけれど、夫によれば前はよく母親のピポを追いかけていたらしい。ピポがいなくなった日は家の点検が終わってからだったため、いっせいに放鳥していた。みんなで飛びまわって騒いていたから、そのときメグはピポを追いかけていたかもしれない。ピポは夫が傘をとりにもどってきたとき、逃げて行ってそのまま外に飛び出した可能性もあると夫がいう。たしかにそれも考えられるものの、だからといってメグを責められない。すべては飼い主に責任があるのだから。
 それにしてもメグは、トビが気の毒なくらい執拗に追いかけている。ときどきユウがトビの加勢にいくけれど、ほかのメスには見向きもしないから、白文鳥に関心があるようだ。
 メグに追われてトビはしばしばあやさんの部屋に逃げてくる。ところが最近はメグまでトビを追ってあやさんの部屋にくるようになった。このありさまに夫は怒ってメグの放鳥はしないといった。
 それでもランが同じ鳥かごにいるから、メグだけ閉じ込めておくわけにもいかず、最後に鳥かごを開けることになった。
 この前などは、メグがトビを捕まえて上に乗ると、それを見たスーが何を思ったか、さらに上に乗り3段になっていたという。もちろんメグは怒ったようだけど、スーは見かねて行動をしたのだろうか。
 そして、いよいよ腹に据えかねたランが反撃に出た。それは、ほとんどの文鳥たちが鳥かごにもどった夕方だった。メグとラン、それにミーの3羽がまだメグたちの鳥かごの上にいた。あやさんが叱ると、メグは自分の鳥かごに入った。と思ったら、またすぐに出てくる。ランが入らずにミーといるから気になるのだろうと思った。
 けれども、ランがメグに着いて鳥かごに入ろうと思えば簡単に入れるはずで、ミーにそれを邪魔するほどの力はない。何かおかしいのだ。どうもランはメグについて鳥かごにもどりたくないようすで、ミーのそばにいる。あやさんは3羽をそのままにして夕食の準備を始めた。
 少しして静かになったのでメグの鳥かごをのぞくと、だれもいない。なんとミーの鳥かごにランとミーが入っていた。えさを食べていたので、そのままとびらを閉めてメグをさがすと、自分の鳥かごに入ったものかどうかとウロウロしている。ランは落ち着いたようすで、この日、メグに愛想をつかしてミーを選んだようだった。ランはあんなにミーをきらっていたのにと、あやさんはランの変化に驚き、2羽の成長を感じていた。
 ランはよそのメスを追いかけているメグよりも、自分のことを想い続けてくれるミーのほうがよくなったのではないか、だとしてもメグは自業自得だからしょうがないと思った。
 ところが、この夜、テレビから気象情報が流れて夫が鳥かごに布をかけだすと、新たな展開があった。
「ランが暴れ出して鳥かごから出たがったんだ」と夫。鳥かごをあけると、ランが飛び出して部屋の中を逃げ回ったという。メグの鳥かごをあけてやると、メグも出てきて2羽で飛びまわっていたものの、けっきょく元のさやに納まりメグと一緒に自分の鳥かごにもどったのだ。
 これで少しはメグもこりたかどうか、これからが楽しみだけれど、それにしてもミーは〝いいつらの皮〟で、ぬか喜びだったと、さぞがっかりしたことだろう。

2016年3月3日木曜日

(二十四)ボクはクリだよ

 ボクはクリーム文鳥だからクリっていう名前なんだ。この家でクリーム文鳥が生まれたのはボクが最初だって。ボクのお母さんはトビとユウだけど、お父さんがだれだか、よくわからないんだ。でも、いつかママとパパが話してたな。
「やっぱりメグかしら。マイってこともあるけど」なんて。
 ボクとしては、だれがお父さんでもいいんだけど、育ててくれたのはユウとトビだから、お母さんはふたりもいるんだ。
 ボクが生まれたのは2年前。一緒に生まれ育った桜文鳥のチビとの間に子どもを3羽も持った。だけどチビのやつ、体が弱くてボクを残して死んでしまったんだ。チビは体は小さかったけど、優しくて気のつくやつだった。いつもボクに気を遣ってくれたから、いなくなってしまってボクは寂しいよ。
 それでもチビが産んでくれた子どもが3羽もいるから、ボクは何とか元気になれた。子どもは白文鳥のスーとクリーム文鳥のラン、それにシナモン文鳥のミーで、チビと同じ桜文鳥はいないんだ。この家では去年チビのほかにも桜文鳥が死んでしまった。ナナっていう名のおばさんだったけど、それでいまいる桜文鳥は、ココとユウの2羽だけになってしまった。桜文鳥は丈夫だと聞いたけど、そうとも限らないな。
 いまこの家で1番多いのは白文鳥かな? マイ、トビ、メグ、ユウだけど、あれ? シナモン文鳥のほうが多いのかな? パピ、チー、ルミ、ミーだから、同じ4羽か。あとはボクとランがクリームで桜と同数か。そういえば去年、白文鳥も2羽いなくなったからな。とにかく去年はチビも亡くなってしまい悲しい年だった。
 それでもボクをはじめ、パートナーを失ったみんな、いまは何とか元気にやっているよ。みんなで家の中を跳び回ったりしてね。

 

2016年2月28日日曜日

(二十三)白文鳥のメグだよ

 ボクが生まれたのは3年前。ユウとトビの1年後だ。そのとき生まれたのはボクだけだったから、お母さんのピポとお父さんのチーは大事に育てたらしいよ。そのうちボクがぐぜりだして、さえずるようになったら、やっとオスが生まれたといって、パパとママが喜んでいた。
 ボクはみんなに可愛がられてのびのび育ったんだ。ママなんか、
「メグちゃんていうと、ちゃんとお返事するのね」なんていって、よくほめていたからな。でも、ボクはずっと独身だったんだ。
 それが去年の秋にクリーム文鳥のランと同じ鳥かごで暮らすようになった。ランはボクの1年後に生まれたクリーム文鳥のクリの子どもで、生後まだ5か月だったけど、一緒に生まれたミーと仲が悪くて、早くに離されて、それでボクのところにきたのさ。おませで美人なんだけど、小さいくせに気が強い。
 まあ、ボクもさ、
「メグは乱暴なんだから。トビちゃんを追いかけてはいけません!」なんて、ママに叱られているからな、お似合いかもな。
 ランはもう、いくつも卵を産んだけど、まだ子どもはいないのさ。だからときどきトビを追いかけていると、パパやママに叱られるわけ。
 トビのやつ、母親のピポに似て逃げるのが素早いんだ。おもしろいんだけど、いつまでもトビを追いかけていると、ランがいい顔しないからな。それに、この前、ママが、
「ランちゃん、スーのところにもどしたほうがいいかしら」なんていうのが聞こえたから、このままじゃまずいかな。
 ランの父親のクリはトビとユウのところで生まれたんだけど、だれの子かわからない。ママとパパが、
「やっぱりお父さんはメグかしら?」なんていってたけど、ボクは知らないよ。
 いまもユウとトビのツボ巣には卵がいくつもあるみたいだから、またヒナがかえったら、パパとママがさわぐだろうな。
 でも、やっぱりボクは知らないよ。

2016年2月22日月曜日

(二十二)2・22はフーの日

 2・22は猫の日だと聞いた。でも、あやさんちではフーの日だ。白文鳥の彼女がこの世を去ったのは去年のきょう。それ以来、数字の2が並ぶと気になったりする。あやさんちにヒナのとき一緒にきたピーが事故がもとで2009年に死んでしまってから5年半、その間に文鳥たちの数は増えたけど、悲しい別れはひとつもなかった。考えてみれば奇跡的なことだったのかもしれない。それがフーが死んでからは、ナナとチビがこの世を去り、ピポまでがいなくなってしまった。去年はそんなひどい年だった。
 それでも新しい3つの生命が誕生し、あやさんちの文鳥たちは1年前と変わらない様子で、にぎやかにさえずり跳び回っている。
 文鳥の一生は人間の10分の1くらいの長さだろうか。いうまでもなく彼らにもそれぞれ違う一生があり、幸運、不運の違いもあるだろう。
 果たしてフーは運のいい生き方ができたかどうかはわからないものの、みんなにいちもく置かれた存在だったことは間違いない。それは彼女がほとんど飛べなくなってからも、そうだったように思う。フーにはある種の威厳ともいえるものがあった。ひとつにはあやさんちに1番長くいて可愛がられてきたということもあっただろうけど、何よりもフーが賢くて優しい文鳥だったことに起因しているように思う。
 フーは飛べなくなって上の止まり木に上がれなくなってしまっても、鳥かごのすみでじっと待っていた。夫のパピが心配そうにそばにいることもあった。ピポはフーをお母さんのように慕っていた。チーにとってはいつまでも〝憧れの人〟だったように思う。子どもたちは勝手だったけど、それでもフーにいちもく置いていた。飛べないのに可愛がられている特別な存在とわかっていたのだろうか。
 あやさんは以前、フーが死んでしまったらどれほど悲しいだろうかと心配したことがある。けれども実際にはほとんど悲しむ暇はなかった。ナナがすぐに出血したこともあったし、ブログを始めたこともあったからだろうけど、何よりも。フーは死んでも、ときどきあやさんのそばにきていると感じられるからだろう。

2016年2月20日土曜日

(二十一)桜文鳥のユウと白文鳥のトビよ

 わたしはユウ。わたしはトビ。わたしたちはチー父さんとピポ母さんの子どもなの。女の子なのに、パパとママが男の子みたいな名前をつけてしまって、そのままになってる。
 生まれたときからずっと一緒で、ふたりで協力して3羽の子どもを育てたのよ。それはちょうど2年前で、わたしたちは2歳だったから、いまはもう4歳。3羽の子どものうち、いまこの家にいるのはクリーム文鳥のクリだけ。桜文鳥のチビは去年、死んでしまったの。
 お母さんのピポがいなくなってまもなくだったから、悲しいことが重なってとても辛かったわ。わたしたちは同じ日に生まれたけど、羽の色も性格も全然違う。
「ユウちゃんは、ひとなつこいわね」っていわれるし、
「トビちゃんはけっこう気難しくて頑固だわ」っていわれてる。
 たまにはケンカもするけれど、普段は仲良しよ。何といってもわたしたちは交代で卵を温めて、3羽のヒナをかえしたんですもの。なかなかのチームワークでしょ?
 ヒナが生まれたとき、パパとママが小さな鳴き声がするっていって驚いていたみたい。まさかメスが2羽で住んでいるところにヒナが生まれるなんて思っていなかったのね。。面白かったわ。
 でも本当は、3羽のヒナを育てるのは大変だったの。特にチビはあまり口を開けなかったから食べさせるのに苦労したわ。それでも何とか育って子どもまで持ったからすごいのよ。だけど若くして死んでしまって、かわいそう。もう1羽のマミはシナモン文鳥だったけど、もらわれて行ってしまい、いまいる子どもはオスのクリだけだけど、元気な孫が3羽もいるから楽しみよ。
 いまはオスのほうが多くなって結婚相手をみつけるのは簡単になったはずだけど、なかなか適当な相手がみつからないわ。わたしたち、このままふたりで暮らすほうが落ち着くかも。
         (桜文鳥のユウと白文鳥のトビ)

2016年2月17日水曜日

(二十)木の上の桜文鳥

 きのうの夕方のことだ。夫と歩いて家を出て30メートルほどのところで、にぎやかな野鳥の声がした。戸建て住宅の並ぶこの辺りはよく野鳥の声がする。夫が近くの庭木を見上げていった。
あれ、あんなところに桜文鳥がいる」
「えっ、どこに?」
「あの木の上のほうにスズメに混じっていた。たしかにホオが白かったから桜文鳥だ」と、うなずく夫。
「どこ? どこへ行った?」
「もう飛んで行ってしまったよ」
 あやさんは自分の目がじれったい。
「元気だった? 保護しなくてよかったのかしら?」
「高いところにいて逃げて行ったから無理だよ」
 夫は探している人がいないか、あとで調べてみるといった。あやさんがその桜文鳥の姿にピポを重ねたのはいうまでもない。前日は低気圧がきて荒れた天気だった。それなのに小鳥たちはきょうも元気に飛んでいる。ピポもあんなふうにどこかの群れに入れてもらっているかもしれないと思うと、少し気持ちが明るくなった。。ピポなら高いところにもビューンと上がれるし、けっこう飛べるから、えささえあれば生きて行けそうだ。もしそうなら、いつか庭のえさ入れにスズメたちに混じってピポがくるかもしれない。
 あやさんは、もう外そうと思っていた庭のフェンスに取り付けた白いえさ入れを、しばらくそのままにすることにした。どうせ捨ててしまう文鳥たちの食べ残しを入れているのだ。スズメやオナガ、ハトなどがきて、毎日きれいに食べてくれる。
 ピポへの想いはつのるばかり。

2016年2月11日木曜日

(十九)シナモン文鳥のルミよ

 わたしはお父さんのチーとお母さんのピポの間に最初に生まれた子どもなの。お父さんとよく間違えられるくらい外見が似ているのよ。お母さんは白文鳥だけど、まだ行方不明なのでお父さんがさびしそう。しょっちゅうパパの腕やママの肩に止まっているけど、わたしはマイとの生活があるから、お父さんをかまってあげられないの。ホントにお母さんたら、どこへ行ってしまったの?
 もう3か月になるし、この前なんか雪が降ったとかですごく寒そうだったから、お母さんのこと心配だわ。
 3か月っていえば、わたしが生まれて3か月のころ、とても大きな揺れがあったのよ。鳥かごが動いて床に落ちそうになって、お母さんなんか、鳥かごの中を跳び回ってた。わたしはひとりで鳥かごにいて、どうしたらいいかわからなくてすごく恐かったわ。そのうちにパパとママが帰ってきたのでホッとしたのを覚えているわ。
 あれからもうすぐ5年になるってホントかしら。わたしも5歳をすぎたわけね。いままた卵を温めているけど、まだ子どもはいないのよ。でも妹のトビとユウのところに子どもが生まれて、その子が子どもを持ったから、わたしはおばあさん(ばあば)って呼ばれる世代になってしまったの。
 わたしのお母さんのピポは6歳半だというから、もう完全に〝ばあば〟なのに本当に心配だわ。
 妹のユウとトビは結婚していないのに、子持ち、孫持ちで、彼女たちの1年あとに生まれた弟のメグは孫のランと暮らしている。だから、夫のマイの家系より、わたしの家系のほうが大勢いる。若い子たちを見ているとたのもしい気もするけれど、みんな自分の天下みたいに暴れるから困るわ。オスが多くなってしまったから、鳥かごから出ても、なんだか落ち着かない感じ。お母さんがいたら、もっと心強いのに……
 わたしは長女だから、しっかりしないとね。

2016年2月4日木曜日

(十八)桜文鳥のココよ

 いま5歳7か月のわたしは、今年の夏至のころには6歳になるの。去年はいろいろなお別れがあって辛かったけど、いまはお父さんと一緒だから安心だわ。
 お母さんのフーを追うようにして、ずっと一緒に暮らしてきたお姉さんのナナは病気になって死んでしまったの。
 ナナは足のおできが大きくなって痛そうだったけど頑張っていて、ママの手の中で痛みが和らいだときなんか、、
「だいじょうぶよ」って、わたしにやさしくいっていたのに……。
 お父さんもひとりぼっちになって寂しそうだったから、一緒に暮らせるようになってよかったわ。いまではこの家で、わたしがメスの中で1番年上なの。お父さんのほうもオスの1番年長者なんだけど。
 本当は、となりの鳥かごに白文鳥のピポがいて、彼女がメスの1番年上のはずだったのに、去年11月に突然いなくなってしまったのよ。
 チーは、ひとりぼっちになってしまったから、やっぱりさびしそう。気の毒だけど、ピポは帰ってくるかもしれないから、チーはずっと待っていて、わたしやお父さんのように新しいパートナーを見つけるのは難しいかもね。だって、もしピポが帰ってきたら、ややこしいことになるでしょ。だから、パパとママが一生懸命に探しているみたい。この前、ピポを見た人がいるらしいっていって出かけて行ったけど、まだ見つからないようだわ。
 早く帰ってくればいいのに。
     (写真はメグとランの鳥かごをのぞく文鳥たち)

2016年1月31日日曜日

(十七)ピポの消息

 ピポが家を飛び出してから、もう2か月半になる。ピポらしい連絡は何もなかったので、周辺に貼ったチラシは年内にはがしていた。
 けれどもチーは相変わらずさびしそうにしているし、ユウやトビもよく玄関に行く。
 そこで、先週から範囲を広げて新しい迷子チラシを配りだした。だれか見かけた人がいるのではないかと思ったからだ。
 知り合いのかたたちも親切にいろいろ聞いてくれているが、これまでほとんど情報がなかった。それがきょうの夕方、初めてピポらしい白文鳥の情報が寄せられた。チラシに書いておいた夫のケイタイに電話があったのだ。それによると、昨年暮れに家から5、600メートル離れた明海大学のオープンカレッジ辺りに白い小鳥がいたという。数人が「あそこに白い鳥がいる」と騒いでいたらしい。知らせてくれた人は明海大に行ってきいたらわかるのではないかと教えてくれた。もちろん明日、早速行くつもりだ。
 それがピポだった可能性は高いように思われる。というのは、あの日、ピポが夫のあとを追っていったとしたら、明海大は夫の向かったスーパーのそばにあるから、その辺りまで着いて行ったとも考えられるのだ。夫はカサをさしていたというから、ピポに気がつかなかったのだろうけど、ピポには夫がわかっていたのではないだろうか。かなり遠くまで行っていることになるけど、運動神経のいいピポなら、ありうることだ。それはいったい何日のことで、その白い鳥がどうなったのか早く知りたい。
 どうか、あしたいい情報が手に入るようにと気がはやる。

2016年1月28日木曜日

(十六)白文鳥のマイだよ

 ボクはマイ。この家で初めて生まれた文鳥だよ。父さんはパピで母さんはフーっていうんだけど、母さんは去年死んじゃったんだ。もう年だったからしょうがないけど、やっぱり少し淋しいよ。
 ボクは今年の5月には6歳になるけど、ボクが生まれたとき、みんなすごく喜んだらしいんだ。母さんなんか、ボクのさしえを人に任せきりにしないで、ずっと続けたらしい。そのようすが動画に撮ってあるんだよ。ふつうは、もう人にすっかり任せるときなんだってさ。でも、それを見ると、ボクも一生懸命に口をあけていて、かわいいよ。
 父さんとは子どものころはよく嘴で挨拶して仲良しだっだけど、ボクが結婚してからは、そうでもなくなった。ボクの相手はボクより7か月あとにピポとチーの間に生まれたルミ。シナモン文鳥のメスだ。
 それからボクにはボクの1か月半後に生まれた妹がいる。ナナとココで、桜文鳥だけど、ナナは去年、母さんのあとを追うように死んでしまった。子どものころは一緒によく遊んだ。ココとナナは見た目はそっくりだったけど、性格はだいぶ違って、ココは男みたいで、ナナはよく気がついて優しいやつだった。それが病気で死んでしまってかわいそうだったなあ。ナナは、いつもボクのあとを追っていたのに、ボクには奥さんがいるから、あまり遊んでやれなかったからな。ナナの相手が早く見つかるといいと思っていたのにさ……。
 妻のルミとは仲良くやっている。卵がかえらないのが残念だけど、まあ、あんまり文鳥が増えちゃっても、このうちも困るだろうからな。子どものことはそれほど気にしていないよ。ボクとルミは特別で、いつも蛇口で水浴びをしているんだ。台所が片付くと、
「マイちゃん、ルミちゃん、ぉ水浴びよ」って呼ばれるから飛んで行くんだよ。ときどきほかのやつも見にくるけど、ボクが追い払ってしまうんだ。ボクは足が少し変なんだけど、このうちでは、いちばんかわいがられているから、威張っているんだ。

2016年1月22日金曜日

(十五)シナモン文鳥のチーだよ

 ボクがこの家にもらわれてきたのは6年前、生後半年のときだった。2羽のメスの白文鳥と1羽のオスのシナモン文鳥がいて、年上の白文鳥のフーとシナモン文鳥のパピは一緒の鳥かごにいた。ボクと同年代のピポというメスの白文鳥は、活発で男みたいなやつだったから、ボクは寄ると触るとケンカした。
 だからボクが好きになったのは、ずっと年上のフーのほうだったけど、フーはもうパピと仲良くなっていて、ボクが近寄ると、ピポとパピに追い払われた。
 そのうちに、フーのところにマイ(白)というやつが生まれると、ボクの敵は4羽に増えた。だからボクは自分の鳥かごにいて、よく気晴らしにブランコの鈴を鳴らしていたものさ。
 ところがある日、気がつくと、マイはボクのあとばかり追いかけて真似をするようになっていて、ピポはなんだか優しくなっていた。ボクはもう、ひとりぼっちじゃないように思った。
 そして半年後にはピポと結婚し、その年の12月にルミ(シナモン)が生まれた。メスだったけど外見はボクにそっくり。翌年は大地震があって、ずっと揺れていたからピポは卵を産まなかったけど、年が明けるとユウ(桜)とトビ(白)の2羽が生まれた。メスばかりで少しがっかりしていたら、さらに1年後には白文鳥のオスが生まれたのさ。それがメグで、4羽の子どもを持ったわけだが、マイと結婚したルミのところには子どもが生まれていない。あとは独身者ばかりだから孫の顔は見られないと思っていたら、ユウとトビ姉妹の卵がかえって、びっくりしたよ。孫の名前はクリ、マミ、チビで、クリはこの家で初めてのクリーム文鳥だった。マミはシナモン文鳥だったけど、すぐに里子に出され、体の小さい桜文鳥のチビとクリが同じ鳥かごで暮らしていた。すると、そこにまた3羽の子どもが生まれたので、ボクは〝ひいじいさん〟と呼ばれる身分になってしまった。もう、若い連中とはつきあえない。ピポと仲良く暮らしていこうと思っていたのに、去年の11月、ピポが突然、いなくなってしまった。頼りがいのある利口な妻だったのに。あんないいやつはいないよ。
 それからまもなく、孫のチビまで死んじゃって、ボクはホントに寂しいよ。鳥かごから出てもカーテンの場所取りもできないから、人にくっついているんだ。そうしていると少しは気が休まるからな。
 ピポのやつ、どこかで好物の〝キクスイの文鳥専科〟食べさせてもらっているだろうか。ボクは心配でたまらない。毎日、なにもする気になれない。早く帰ってきておくれ。

        (写真はひとりぼっちのチー)