2016年3月14日月曜日

(二十七)ラン反撃のその後

 ランがミーの鳥かごに入ってからも、メグはトビを追いかけている。トビはといえばメグよりも同じ白文鳥のマイのほうが好きらしい。メグの放鳥は最後になるため、マイとトビが鳥かごから出ている時間が長く重なっている。ただマイはトビに気があるもののメグと違って妻のルミに気を遣っている。フーとパピの子だけあって優しいのだろう。
 そして、ランの反撃から数日たった夕方のこと、またランがミーの鳥かごに入った。ミーと一緒にしばらくえさを食べていたから、お腹が空いていたのだろう。食べ終わったら鳥かごから出るかもしれないと思い、とびらをあけておいたけれど、ランはそのまま居座った。夫も、
「また寝る頃になって暴れるんじゃ困るな」といって、とびらを閉めないで、ランが出てくるのを待った。
 するとしばらくしてランが鳥かごから出てきて、ミーも着いてくる。また、メグとランとミーがメグたちの鳥かごの上に止まり、それから面白いことが始まった。自信をつけたミーがランのそばにきたメグを追い払おうとしたのだ。メグも負けていないからケンカになった。それを見た夫がいう。
「ランは悪いヤツだなあ。まるで魔性の女みたいだ」
 でも、あやさんはいい返す。
「だけど、悪いのはメグよ。ランは頭がいいのよ」
 夫は「まあ、そうだな」といったものの、かなりミーに同情しているようす。
 たしかに、1番の被害者はミーのようだけど、あやさんはさらにいった。
ミーちゃんだって、ランにちょっとだけどふり向いてもらえて、少しはよかったんじゃないの。自信もつけたようだし」
「そうだな」と夫の気のない声がして、静かになった文鳥たちの就寝のため居間の明りが消された。
 ランはその翌日も同じように夕方ミーの鳥かごに入ってえさを食べ、また自分の鳥かごにもどったものの、それ以後、ミーの鳥かごに入っていない。素直にメグに着いて自分の鳥かごにもどっているから、この数回の反撃が功を奏してメグが少しはやさしくなったのだろうか。
 と、思っていたら、きょうもランがミーの鳥かごに入って仲良くえさを食べていた。???

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