2023年7月22日土曜日

(十四) クリちゃん、さよなら

 

 7月15日のことだ。クリは朝からぐったりした様子で鳥かごの床に横たわっていた。抱き上げてえさを食べさせてもあまり食べなかった。体も温かくない。このところ体が冷えてくちばしのピンク色も薄くなっていた。貧血症状のようだった。そして、床に水とえさを置いて床暖房を用意することにしたが、その途中で、クリはあやさんの手の中で真っ白い大きな糞を出して、そのまま息絶えた。9歳4か月の一生だった。この家で生まれ、ケガも病気もなく、見た目のきれいなクリーム文鳥だった。メグの子どもで、メグより先に天国へ行くとは思っていなかった。あとに残されたピヨは寂しそうにしていたが、2日後には、ときどきクリを呼ぶように鳴いていた。まだしばらくは、思い出したようにクリを呼んで鳴くかもしれない。それでも、きのうなどはえさを乗せたあやさんの手に恐る恐る近づいてきて、そっと乗ってえさを食べた。そして、クリを探しているようだった。文鳥は細やかな気持を持っているから心配になる。天国からは妻だったチビとココ、それから産んで育ててくれたトビとユウ姉妹が迎えにきたかもしれない。

 そして、きょう22日は9歳2か月で天国へ行った白文長のマイの命日である。文鳥は9歳以上生きられたら大往生といえるだろう。

 これで、あやさんちの文鳥は6羽になった。オスが3羽、メスが3羽。

2023年7月14日金曜日

(十三) 文鳥たちの部屋

 

 7月も半ばとなり、もうじき梅雨明けになるようだ。この辺では梅雨といっても雨の降らない暑い日が多いが、九州などでは大雨が続いて河川の氾濫や土砂崩れなどの災害に見舞われ人命も奪われてしまっている。近頃の雨の降り方は異常で恐ろしい。これから先、人々は自然との共存をもっと考えていかなければならないだろう。自然環境や地球のことに多くの人が目を向ける必要がありそうだ。これから猛暑日が続くだろうと考えると、うんざりするのは、文鳥たちも同じかもしれない。彼らも何年も繰り返してきて、経験的に知っているはずだから。最年長のメグ(10歳半)は最近、元気だけれど、9歳4か月のクリは、相変わらず元気がない。そして、よく寝ている。文鳥も人間同様に年を取ると居眠りが多くなると思うけれど、メグに比べて飛べないしぐったりしているので心配だ。毎日、鳥かご掃除のときには、手に抱いてえさを食べさせている。

 きょうから鳥かご内の敷物が変わった。部屋の模様替えのようなものだ。これまでは新聞紙の派手な写真や活字のない部分を抜き出して使っていた。だから比較的紙面のおとなしい地方紙を採っていた。ほとんど鳥かごのために必要としていたようなものだった。きょうからは無地の薄いピンク色の紙に換えた。このほうがコストも手間もかからないので、新聞やさんには悪いけど仕方ない。

文鳥にとってもこのほうがいいはず。こうやってまた新聞をとる家が減って行ってしまうのも複雑な気持。昔はみんなが新聞を読んで、そしてそのあとの新聞は、いろんなことに使った。その中には新聞紙で折った兜などもあった。これからは古紙回収に出す回数も減るだろう。 でも、文鳥さんは、きれいなので喜んでいるはず。