2020年12月29日火曜日

(27)さよなら2020年

 


 今年は酷い年だった。世界中で多くの人が苦しんで亡くなった。このパンデミックは本当はもっと早くに人類の叡智を結集すれば、かなり防げたのではないか。これほど多くの人々が亡くなることはなかったのではないか。そんな気がする。

 そう思うと悔やまれるが、これによって見えてきたものもある。最初にあぶりだされたのは、富の偏在による貧困の多さと、多くの国の政治指導者たちの無能ぶり。そして人間社会の脆弱さ。いまや「今だけ、金だけ、自分だけ」の社会は行き場を失って、少しずつだが、これまで片隅に追いやられていた本来的な価値に光が当たってきたように思う。「鬼滅の刃」が多くの共感を呼んでいることからみても、人々が大事にしたい思いが何なのかがわかる。人は誰かの奴隷であってはならない。

 文鳥の世界では、格差などほとんどない。新しい仲間がやってくると、何となく落ち着かなくなるけれど、それは新しい仲間への興味であって、おおむね歓迎しているのだと思う。

 この国では「自己責任」などという変な言葉が流行った。そういって、苦しんでいる人に手を差し伸べない社会を認めるかぎり人間社会は、最低でおぞましい社会になってしまう。これを機に「今だけ、金だけ、自分だけ」の社会と決別し、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息を願って、8羽の文鳥たちとまた新しい年を迎えたいと思う。

 皆様も、どうぞ良いお年をお迎えください。

2020年12月13日日曜日

(26)12日はルミが生まれた日

 

10年前の12月12日、シナモン文鳥のルミがこの家で生まれた。いま生きていれば10歳になったわけだが、9歳の誕生日を過ぎて1か月もしないうちにこの世を去ってしまった。

この家のメス文鳥では最も長く生きたが、年明けそうそうに、夫だったマイの元に行ってしまったのだ。ルミはこの家で生まれて病気になったり怪我をしたこともないから、病院に行くなどして家から外に出たことはなかった。つまり生涯この家で過ごしたわけだ。運動神経の良い世話の焼けない子だった。

そして2月には8歳になったばかりの白文鳥のトビも姉のルミを追いかけるようにこの世を去った。2羽とも寿命だったから仕方ないと思えたけれど、5歳余りでこの世を去ってしまったクリーム文鳥のランは可哀そうだったと思う。

 つまり今年は3羽のメス文鳥が天国へ行ってしまったのである。

 5年前にも似たようなことがあった。やはりメスばかり、フー、ナナ、チビが亡くなり、ピポが行方不明になった。メスはオスに比べて短命なのかもしれない。何しろ、卵を産むことを考えただけでも大変なのだから、そうなるのも不思議ではない。

 それでも10月にはシナモン文鳥のフユが来て、スーと一緒になったので、文鳥たちの活気も戻ってきた。こうして世代交代とともに月日が流れていく。

 写真は1年前、9歳のルミ

   


2020年12月3日木曜日

(25)あれから5年


 12月1日は、3羽のヒナを産み育てながら1歳9か月という短い生涯を閉じてしまった桜文鳥のチビの命日だった。あれから5年になるが、チビの残した女の子、クリーム文鳥のランも今年、亡くなってしまった。男の子のスーとミーは元気だけれど、ランは事故が元で死んでしまったから、チビに申し訳ないような気がする。

 寂しくなったあやさんちだったが、そこにスーのフィアンセとしてシナモン文鳥のフユが来たので、最近は、また活気が出てきた。

 フユはオテンバで人懐こくて好奇心が強い。メス同士はほとんど喧嘩はしないで、仲良くえさを食べたりしているが、フユは先日、年齢の近いモカを連れて、あやさんの部屋にきた。フユはもちろんだが、モカがこの部屋に入ってくるのは初めてだ。

 モカがフユに連れられてきたのだろうが、入ってきたのはよかったものの、さて、ドアのある入り口からはなかなか出ていけない。2羽はしばらく仲良く並んで高い場所に止まっていた。フユは手を出すと乗ってくるものの、すぐに逃げてしまって、部屋の中をぐるぐる回って額の上など高い所に止まる。モカは、もう逃げまくって部屋の隅に落ちてしまう。そして、どちらもなかなか居間にもどれない。フユは身軽だけれどモカは丸々していて動きがにぶい。。

 どの文鳥も一度はあやさんの部屋に紛れ込んでスムーズに出られない経験をしているが、メグにはそんな経験がないような気がする。メグは威張っているけど、けっこう用心深く、臆病なところがある。一口に文鳥といっても、それぞれ違った性格があって面白い。