2020年12月29日火曜日

(27)さよなら2020年

 


 今年は酷い年だった。世界中で多くの人が苦しんで亡くなった。このパンデミックは本当はもっと早くに人類の叡智を結集すれば、かなり防げたのではないか。これほど多くの人々が亡くなることはなかったのではないか。そんな気がする。

 そう思うと悔やまれるが、これによって見えてきたものもある。最初にあぶりだされたのは、富の偏在による貧困の多さと、多くの国の政治指導者たちの無能ぶり。そして人間社会の脆弱さ。いまや「今だけ、金だけ、自分だけ」の社会は行き場を失って、少しずつだが、これまで片隅に追いやられていた本来的な価値に光が当たってきたように思う。「鬼滅の刃」が多くの共感を呼んでいることからみても、人々が大事にしたい思いが何なのかがわかる。人は誰かの奴隷であってはならない。

 文鳥の世界では、格差などほとんどない。新しい仲間がやってくると、何となく落ち着かなくなるけれど、それは新しい仲間への興味であって、おおむね歓迎しているのだと思う。

 この国では「自己責任」などという変な言葉が流行った。そういって、苦しんでいる人に手を差し伸べない社会を認めるかぎり人間社会は、最低でおぞましい社会になってしまう。これを機に「今だけ、金だけ、自分だけ」の社会と決別し、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息を願って、8羽の文鳥たちとまた新しい年を迎えたいと思う。

 皆様も、どうぞ良いお年をお迎えください。

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