2019年8月24日土曜日

(十五)チーちゃん、10歳おめでとう



  


 8月24日はシナモン文鳥のチーの誕生日。10歳になった。この家で1番長生きしている。次が先月亡くなったマイ、そしてマイの父親のパピと続くが、どちらも10歳には遠かった。

 朝、鳥かごの覆いを外して、まず上部に止まっているルミに「おはよう」という。それから鳥かごの床に置いてあるツボ巣をのぞいて「チーちゃん、お誕生日おめでとう」と声をかけた。

 チーは、自分の誕生日だとわかったのかどうか、「グウルルぅ」と応えてツボ巣から出てきた。そしておぼつかない足で歩いてえさのお皿に近づいていった。チーはまだ歩けるのだ。飛ぶことは昨年からできなくなってしまっているものの、半年前に比べたら平衡感覚がよくなってきて、かなりまっすぐに歩けるようになっている。もちろん寝ている時間が長くはなってきたけれど、まだまだいきられそうに見える。

 彼の楽しみといえば、飼い主に抱かれてリンゴジュースをなめさせてもらい、ついでにえさを食べて、そのまま手の中で眠ることくらいだろう。チーは鳥かごから出されてリンゴジュースをなめると、クルリと向きを変えて眠るために頭を手の中に突っ込んでくる。とにかく抱かれたらえさを食べるより、少しでも早く手の中で眠りたいようなのだ。こちらが暇なら、30分もそのまま眠っている。ツボ巣に戻そうとすると、「グルるぅ」といって抗議する。仕方なく首から背中を撫ででやると、若い時のままのいい声でさえずる。なんとも極楽、極楽、といった感じで、とにかくずっと抱かれていたいようなのだ。。水浴びも1日おきくらいにしている。蛇口の下に連れていっても、あまり動かないであらってもらうだけだったけど、最近では手の中で少し羽ばたいている。チーは、もともと水浴びが好きだった。やはり近頃は少し元気になったのかもしれない。

 ルミは相変わらず、ときどき思い出したようにマイを呼んでいる。だんだん諦めてきたようでもあるけど、どうも鳥かごの下にいるチーが、とてもマイの代わりだとは思えないらしい。見た目も違うから、やはり無理なのかもしれない。

 (写真は、10歳になったチー)


 
 
 
 
 
 
 


2019年8月5日月曜日

(十四)ルミが呼んでいる

 
白文鳥のマイがいなくなってから2週間になる。不自由な体で9歳2か月も頑張ったのだから、あっぱれだし、こちらもそろそろ限界だろうと思っていたので、マイの死は割合自然に受け入れられた。それでもときどき手の中にマイの温もりを感じるから、まだまだ遠い存在にはなっていないようだ。

 一方、マイの妻のルミにとって、マイの死は到底、受け入れられないことのようで、ときどきマイを呼んで鳴いている。文鳥にとっては「死」ということがどういうことなのか、おそらく理解の範疇にないのだろう。そのうちにあきらめるのを待つしかなさそうだ。とにかくふたりは長い間(8年間も)一緒に暮らしていたのだから。

 そして、いま、ルミの鳥かごの床ではチーが暮らしている、マイの代わりにチーがいるという感じだが、そんなことでごまかされるルミではない。

 それでもケンカをするわけではない。鳥かご内の上部がルミのスペースで下の部分がチーの生活スペースとなっていて、チーは飛べないし見た目もよく似た父娘だから、それほど仲が悪いわけもないはずだ。早くルミがこの環境に慣れてくれることを願うばかりである。