2019年8月5日月曜日

(十四)ルミが呼んでいる

 
白文鳥のマイがいなくなってから2週間になる。不自由な体で9歳2か月も頑張ったのだから、あっぱれだし、こちらもそろそろ限界だろうと思っていたので、マイの死は割合自然に受け入れられた。それでもときどき手の中にマイの温もりを感じるから、まだまだ遠い存在にはなっていないようだ。

 一方、マイの妻のルミにとって、マイの死は到底、受け入れられないことのようで、ときどきマイを呼んで鳴いている。文鳥にとっては「死」ということがどういうことなのか、おそらく理解の範疇にないのだろう。そのうちにあきらめるのを待つしかなさそうだ。とにかくふたりは長い間(8年間も)一緒に暮らしていたのだから。

 そして、いま、ルミの鳥かごの床ではチーが暮らしている、マイの代わりにチーがいるという感じだが、そんなことでごまかされるルミではない。

 それでもケンカをするわけではない。鳥かご内の上部がルミのスペースで下の部分がチーの生活スペースとなっていて、チーは飛べないし見た目もよく似た父娘だから、それほど仲が悪いわけもないはずだ。早くルミがこの環境に慣れてくれることを願うばかりである。 

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