2016年2月20日土曜日

(二十一)桜文鳥のユウと白文鳥のトビよ

 わたしはユウ。わたしはトビ。わたしたちはチー父さんとピポ母さんの子どもなの。女の子なのに、パパとママが男の子みたいな名前をつけてしまって、そのままになってる。
 生まれたときからずっと一緒で、ふたりで協力して3羽の子どもを育てたのよ。それはちょうど2年前で、わたしたちは2歳だったから、いまはもう4歳。3羽の子どものうち、いまこの家にいるのはクリーム文鳥のクリだけ。桜文鳥のチビは去年、死んでしまったの。
 お母さんのピポがいなくなってまもなくだったから、悲しいことが重なってとても辛かったわ。わたしたちは同じ日に生まれたけど、羽の色も性格も全然違う。
「ユウちゃんは、ひとなつこいわね」っていわれるし、
「トビちゃんはけっこう気難しくて頑固だわ」っていわれてる。
 たまにはケンカもするけれど、普段は仲良しよ。何といってもわたしたちは交代で卵を温めて、3羽のヒナをかえしたんですもの。なかなかのチームワークでしょ?
 ヒナが生まれたとき、パパとママが小さな鳴き声がするっていって驚いていたみたい。まさかメスが2羽で住んでいるところにヒナが生まれるなんて思っていなかったのね。。面白かったわ。
 でも本当は、3羽のヒナを育てるのは大変だったの。特にチビはあまり口を開けなかったから食べさせるのに苦労したわ。それでも何とか育って子どもまで持ったからすごいのよ。だけど若くして死んでしまって、かわいそう。もう1羽のマミはシナモン文鳥だったけど、もらわれて行ってしまい、いまいる子どもはオスのクリだけだけど、元気な孫が3羽もいるから楽しみよ。
 いまはオスのほうが多くなって結婚相手をみつけるのは簡単になったはずだけど、なかなか適当な相手がみつからないわ。わたしたち、このままふたりで暮らすほうが落ち着くかも。
         (桜文鳥のユウと白文鳥のトビ)

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