2020年3月11日水曜日

(7)文鳥のカップル



 今年もまた3月11日がやってきた。未曽有の甚大な被害をもたらした東日本大震災から9年経ったことになる。あの恐ろしい揺れた日々を知っている文鳥は、もうチーだけになってしまった。復興はまだまだで、被災者の多くはいまだに大きな負債を背負ったままでいるようだ。もう少し何とかならないものかと、この国の優しくない政治に憎しみを新たにする。

 ところでチーは今月末には10歳7か月になるけれど、あの9年前のことを覚えているだろうか。そして、5年前にいなくなってしまった妻のピポのことを覚えているだろうか。文鳥の記憶はどれほどか知らないが、チーが少なくとも1年以上、ピポを想って寂しそうにしていたことは確かだ。そして、スーも先に逝ってしまった妻のトビを想っていまだにさびしそにしている。鳥かごから出ても独りだから、チーにえさを食べさせているあやさんのところに来て足に乗ったり肩に止ったりすることが多い。チーもそうだった。マイを抱いてえさを食べさせているあやさんの背中に乗って丸まったりしていた。

 文鳥は、隣の鳥かごのものには、結構意地が悪いような行動をするが、自分のパートナには、仲間としての特別の思いがあるようで、一緒になると、年々仲睦まじくなっていく。そういう意味では非常にセクト的な生き物のような気がする。

 

  写真は10歳半を過ぎたシナモン文鳥のチー
 
 

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