2020年8月24日月曜日

(18)チーちゃん11歳おめでとう




 ボク(チー)がこの家にきたのは、生後半年のときだった。だからボクはこの家にもう10年半もいることになる。ボクが来たとき、すでに3羽の文鳥がいて、みんな仲がよさそうだった。2羽の白文鳥は、どちらも女の子で、年上のフーちゃんと呼ばれている女の子はとてもかわいらしい目をしていたから、ボクはすぐに気に入った。もう1羽の女の子はピポという名で、ボクと同じ年ごろだったけど、オテンバで、まだ子供っぽかった。だからボクはフーのほうを好きになったんだけど、フーは、もうパピの奥さんに決まっていた。パピはボクと同じシナモン文鳥で、ボクより半年くらい年上だけど、パピがこの家に来たのは2週間前だって。ボクよりほんのちょっと早く来ただけだっていうのにさ。それになぜか飛び方も下手だった。ボクのほうがずっと恰好がいいのに、ほんのちょっと遅れてもらわれてきたせいで、もうフーの相手はパぴになっていた。そして、まもなくフーとパぴの間にマイという白文鳥が生まれて、ボクがフーに近づこうとすると、ピポとマイが一緒になって邪魔をした。

 それでもボクはずっとフーを追いかけていたから、フーに嫌われていた。そのうちにピポがボクに優しくなって、ボクとピポは結婚した。そして、ボクたちも子供を持った。それから長女のルミがマイの奥さんになった。ルミはボクと同じシナモン文鳥で、見た目はボクにそっくりだったけど、運動神経のよさはピポ譲りで、高低自在に飛び回っていた。

あの頃が、なつかしいなあ。

だけど、5年前にフーが死んでしまって、ピポまでいなくなってしまったときは、本当に辛かった。

そうか、あれからもう、5年になるのか。もうマイもルミも死んでしまって、ボクが一番長生きして11歳になったのか。それはけっこうすごいことらしい。そのせいか、いまではボクが、この家で一番大事にされている。  

  

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