2020年6月4日木曜日

(13)メグがフランコに



 ランがいなくなってしまったことは、メグだけでなくほかの文鳥たちにもわかっているようだった。メグはもちろん寂しそうだったけれど、ランを捜して鳴くようなことはなかった。メグは7歳4か月になるから、ランがもう帰ってこないことがちゃんとわかるのだろう。ただ静かにブランコに乗っている。これまでは、そこがランのお気に入りの場所だった。ランがいるときには1つのブランコを彼女に譲っていたようだが、いまは遠慮なくポツンとブランコに止っている。
ランの死は兄弟のスーとミーにも衝撃だったようで、スーはトビを亡くしてランも死んでしまったので、本当に寂しそうだ。けれどもそれにもまして寂しそうなのがミーで、ランのいた隣の鳥かごばかりを眺めている。いまはモカという奥さんがいるミーだけど、以前はランを追いかけて、メグの鳥かごに嫌がらせばかりしていたミーだから、もしかしたら、メグ以上にショックを受けているのかもしれない。
 そんなランがいなくなったせいか、夫は文鳥たちを放鳥する順番を気にしなくてよくなった。相変わらず最年長のチー(10歳9か月)が最初に鳥かごから出て、水浴びなどさせてもらっているけれど、あとは、ほとんど一斉に放鳥されるようになったのだ。
 こうしてみると、やっぱり、クリーム文鳥のランは、この家で、けっこう華やかな存在だったようだ。

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