2024年6月27日木曜日

(12) 梅雨の季節

 

 いつのまにか夏至が過ぎて6月も終わりに近づく。今年の梅雨は雨も時々降るもののそうでない日はムシムシと暑苦しい。夜間は窓を閉めるためエアコンが必要だけど昼間は海からの風に助けられる。

 文鳥たちも人間同様にぐったりしているのか比較的おとなしい。それでも鳥かごに近づくとぴっぴとかチュンとか鳴いて挨拶らしい声を出すから、やはり可愛いものだ。

 夫は今年もまた順番に鳥かごを浴室に運んで洗っている。止まり木やスカイカフェを付け替え新しいプチプチを鳥かごの周囲に貼っていく。2週間くらいかけてこの作業を終えるが、今では鳥かごの数も減り簡単になっている。いま居間に並んでいる鳥かごは5つで、そのうちの3つに文鳥たちが住んでいる。あとの2つは予備。以前は居間に所狭しと8つの鳥かごが並んでいた。どの鳥かごにも文鳥たちが入っていて、最多のときは14羽もいたと思う。あのころは毎日が文鳥たちとの時間でにぎやかだった。今思えばよくやっていたと思うものの、活気ある楽しい毎日だった。

 世の中はだんだん不便になって行くようだ。近くを通るお散歩バスの本数も減った。理由は運転手不足だというが、それに加えて燃料代の高騰もあるかもしれない。この国の経済が示す指標は世界でも下の方になった。人口は減少し経済は衰退している。貧しい人が多くなった。1年ごとに契約しなければならない労働者の数が多すぎる。安心してその仕事を続けられないということは、展望を持って仕事の内容を積み重ねて発展させることができないということになり、労働者にとっては勿論、社会にとっても大いにマイナスのはず。そんなことは誰でもわかるだろうに、なんでこの国は、そんな変な国になってしまったのだろうか。これも教育のせいだろうか。そんなことを考えるうっとうしい日々。

2024年6月11日火曜日

(11) リンゴジュースと文鳥

 

あやさんちでは毎日、文鳥たちのためにリンゴジュースを用意している。生協から配達される透き通ったもので甘くておいしい。これを毎日鳥かご内のスカイカフェに1時間ほど入れて置く。メグの場合は床のえさと並べて置くようにしているが、それはメグが以前にスカイカフェに入れて置いたリンゴジュースを水と間違えてそこで水浴びをしてしまったからだ。これでは羽がベタベタになってしまう。そんなことはスーにもあったそうだけど、いまは決まった時間だけスカイカフェに入っているので、それはなさそうだ。それどころか、スーはリンゴジュースを入れるとまるで「待ってました!」とばかりに飲み始めるという。

 夫によると、スーは元々はリンゴジュースはほとんど飲んでいなかったらしい。フユだけが喜んで飲んでいたが、いつのまにかスーがフユよりも先にその場所をとってリンゴジュースを飲みだしたらしいのだ。最近では、スーはまるで自分だけのもののように飲んでいる。「おいしいものは俺様のものだ」といわんばかりに。

 スーの兄弟だったミーもリンゴジュースが好きで妻のモカにはあまり飲ませなかったようだ。そして、クリの妻だったピヨもほとんど飲まなかったらしい。オスにはそんな威張った習性があるのかもしれない。

 昔、この家にピーとフーというつがいの白文長がいたときのことを思い出す。オスのピーは威張っていたけれど、新しいものには案外臆病で、先にフーに試させていた。フーはいわれたようにあまり恐れる様子もなくピーの指示通りにやっていたから、メスのほうが度胸がいいように思った。反対にオスは臆病のくせに威張っている。人間社会にも似たようなことがあるような気がする。ちなみにリンゴジュースは家族みんなで同じものを飲んでいる。