今年もあとわずかになった。
今月16日のことだった。夫が鳥かごを掃除しているとき、白文長のスーが元気がないようだといった。朝、鳥かごの覆いの布を外したら、いつものようにスーとフユがピピピとげんきな声で鳴いたので、その後におかしくなったのかもしれないと思いながら、スーを抱きかかえて温める。スーはしばらく手の中でおとなしくしていたが、そのうちに手から出ようと跳びはねて白い糞をだした。それから少しえさを食べたので、フユも呼ぶと2羽で手に乗って仲良く一緒にえさを食べた。鳥かごにもどすといつものようにスカイカフェの上に2羽で仲良く乗ってこちらに向かってさえずったので、ひとまずホッとする。
翌朝も布を外すと、いつもどおり元気に鳴いた。けれどもまた午後になるとスーは具合が悪くなった。ヒーリングをしてから床暖房のマットの上に寝かせて布で覆って温める。
やがて少し元気になり、水っぽい糞をした。そのあとフユと鳥かごに戻ったスーはえさを食べだしたので、鳥かご内の暖房器をふやして様子をみることになった。あまり飛べなくなっているため、止まり木から落ちても大丈夫なようにと下にも水とえさを置いた。
そして、翌18日の朝、鳥かごの布を外したとき、恐れていたことが起きた。鳴き声がしなかったのだ。中をのぞくとスカイカフェの上にいるフユだけが見える。フユはだまっている。もしやと思い、鳥かご内に手を入れて床をさがすと、スーの身体が水を入れた皿のそばにあった。まだ暖かったものの、死んでしまったとわかった、9歳8か月の一生だった。
ケガも病気もほとんどなく、人懐こくて賢い文鳥だった。この家で生まれて外に出たことは一度もなかった。残されたのは外からもらわれてきたメスの2羽だけになった。
フユはモカがミーを亡くしたときのように、スーを呼んでときどき鳴いている。文鳥には「死」は理解の外なのかもしれない。
年初には5羽いた文鳥が2羽になってしまった。寂しい年の瀬。そして、今年も間もなく終わろうとしている。。
先ほど庭のほうで小鳥の鳴き声がした。フユが鳴くので外を見ると、2羽の小鳥が飛んで行くのが見えた。小鳥の種類は分からなかったが、文鳥によく似た鳴き声だった。