2022年3月11日金曜日

(6) 人間の恐ろしさ

 

 11年前の3月11日、東日本大震災の大地震が起きた。その日はまだ寒かったが、これから春になるという平和な日だった。けれどもいきなり始まった大揺れは長らく続き、大津波とともに原発のメルトダウンという恐ろしい災害をもたらした。たくさんの犠牲者が出て人々の普通の日々が失われてしまった。そしてその傷跡はまだ生々しい。

 いま、ロシアのウクライナ侵攻で突然、平和な市民の命と生活が理不尽に奪われ、原発までも脅威にさらされている。恐ろしいことだ。しかもこれは自然災害ではない。人間の悪意によってもたらされている。許されないことだ。人間社会は、時として自らの種を滅亡に追い込むようなことを招いてしまう。それも、つまらない感情によってである。おかしいではないか。

 文鳥たちがそんなことをするだろうか。彼らは自然のうちに種を大切にしている。ケンカをしても相手を傷つけたりはしない。同房を撃つ人間よりはるかに賢いのである。何よりも生命を大切にしている。

 もうすぐ9歳2か月になるメグはあまり飛べなくなった。それでも鳥かごから出してやると、床に広げた布に撒いたえさを歩き回って食べている。そばにほかの文鳥が寄ってくると、時々うなって追い払っているが、よく見るとそれは相手がオスの場合で、メスのフユやモカがそばにきても怒らない。おじいさんは娘たちにはやさしいようだ。

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