文鳥も11歳半ともなると、かなりのおじいさん。飛び上がったりはできなくなる。ほとんどの文鳥が9歳をすぎるとよぼよぼした感じになってくるけれど、メグは11歳半を過ぎても鳥かご内の高いところにも上がってえさを食べたりできる。この家で生まれ大食漢でほとんど病気らしいことをしていないメグは、怪我といっても爪をツボ巣に引っかけたときの怪我ともいえないものぐらいで、丈夫な強い文鳥だ。
そんな彼でも寄る年波には勝てないようで、最近では鳥かごの床の隅にじっとしていることが多い。鳥かごの掃除のときに声をかけても動かないことがあるので、動かそうと手をだすと以前は逃げていたのに、最近ではおとなしく乗ってきたりする。手に載せて背中をやさしくなでてやると、気持ちよさそうにしておとなしくしているから、かわいらしくて愛おしい。
もう11年半以上も一緒に暮らしてきたのだ。メグの母親は白文長のピポだった。やはり白文長のピーが事故が元で2歳足らずで死んでしまったため、ペアで飼っていた残されたフーのために生後1か月でこの家にもらわれてきた白文鳥だった。すぐにフーと仲良くなって、頭のいい2羽はいろんな遊びを考え出して遊んでいた。そしてピポは、やがてシナモン文鳥のチーを夫に迎えて4羽の子孫を残した。最初がルミで、その2年後に生まれたのがメグだった。メグはよくピポを追いかけて遊んでいた。ある日、ピポが突然いなくなってしまったとき、夫のチーだけでなくメグもきっとショックだったに違いない。その後、メグは孫にあたるクリーム文鳥のランと暮らしたが、ランのほうが先に旅立ってしまった。しばらくは寂しそうに見えたメグだったものの、元々独り生活になれていたせいか、そのうちに元気になって現在に至っている。メグは誇り高くて威張っている。なんといっても最長老なのだから。
7月22日は9歳2か月で天国へ行った白文長のマイの命日でもあった。マイはフーの子どもだったが、みんなに愛される優しい文鳥だった。この家ではオス文鳥のほうが長生きのようだ。