2024年8月24日土曜日

(16) 老齢なメグ

 

 8月22日、朝からメグの具合が悪かった。朝、ツボ巣からなかなか出てこないので、ツボ巣に手を入れてメグを取り出すと、ぐったりした様子だった。鳥かごから出して手で温めてからえさを食べさせる。けれどもあまり食べずに手の中で眠った。リンゴジュースをなめさせてからまたツボ巣に戻し、様子をみることにした。

 1時間半程経ってから鳥かごをのぞくと、自分でツボ巣を出て、いつものように鳥かごの床にいたので安心したものの、何しろ高齢なので気にかかる。

 メグは昼頃になっても元気がない様子で、えさもあまり食べていなさそうだった。ぐったりしている。、手の中で眠らせて時々リンゴジュースを指に付けてなめさせたが、食欲はないようで、えさはあまり食べなかった。

 それでも夕方には脱糞し、えさを食べだしたので、また少し安心するものの、なんといっても11歳7か月の高齢だから、このまま天に召されてしまってもおかしくないと覚悟した。

 夜中には夫がメグの面倒を看ていたようだったが、23日の朝になって鳥かごの布を外したとき、メグはツボ巣の中にいた。

 恐る恐るツボ巣に手を入れてメグに触ると、まだ暖かかったので、ホッとシテ手に取り、えさを食べさせることにした。

 メグはリンゴジュースをなめてから少しえさを食べると手の中で眠り、やがて水っぽい糞をだした。脱糞後、またえさを食べさせると、今度はたくさんのえさを食べた。大食漢とはいえ、少し心配したものの、これだけ食べられれば大丈夫だろうと思った。しばらくしてから鳥かごに戻して眠らせた。

 夫が心配して起きてきたので、たくさん食べたと話すと、夜中に固い糞をしたから水にオリゴ糖を溶かして飲ませたといった。それでお腹の調子がよくなって脱糞し、食欲が出たらしい。糞詰まりは鳥にとってよくないことは知っているが、高齢になると、やはりお腹の動きも悪くなるようだ。リンゴジュースとオリゴ糖は整腸には効果があるかもしれない。

 メグの生活は床だけの平面暮らしになってしまったけれど、暖房マットも部分的に入れたから、自力で何とか暮らせるようになった。

 そして24日の朝を迎え鳥かごをのぞくと、ピイピイと鳴いたので、大分元気になったと思った。鳥かごから出して、またリンゴジュースとえさを与えた。その後に鳥かご内をのぞくと、最近いることが多かった鳥かごの床のすみにいた。鳥かご内にはえさも水もあるのであまり心配していなかったが、午後になって、夫が掃除のために床に寝ているメグを抱き起して叫んだ。

「メグちゃんが死んじゃった」

受け取ると、メグはもうすでに冷たくなっていた。こわばった身体をなでてさする。もっと早く温かいうちに抱いてやれなかったことを後悔したが、少し経つと、気持ちが落ち着いた。

 なんといっても大往生だ。メグの寿命が尽きたのだと考えた。

 文鳥として威厳のある賢い鳥だった。折しも大谷翔平の40-40という偉業達成のグランドスラムに沸くその中で、メグは天に昇った。ざわつく気持ちの中で、多くの文鳥たちを見送ってきたメグらしい命日になったと考えた。

2024年8月11日日曜日

(15) 文鳥とテレビ番組

 

 外は毎日、灼熱の太陽が注ぎ、窓からの景色もまぶしい。文鳥たちは室内にいてまあまあ快適に過ごしているようだけど、退屈そうにも見える。家の中は平和でも、ひとたびテレビを点けると騒々しい世界が広がってくる。オリンピックの賑やかさは結構なものの戦争や地震の報道には心が痛む。

 居間にあるテレビは当然、文鳥たちも見たり聞いたりしているから、彼らもそれなりに何か感じているかもしれない。もっとも彼らはテレビの画面そのものより、それを見ている人間の反応のほうが気になっているのかも。文鳥たちがよく反応するテレビ番組がある。内容というよりも始まりの音楽だと思うが、気象情報が始まると、たいてい反応してピッピッピとさえずる。こちらに気象情報が始まったことを教えているようにも思う。元々は夕方、彼らの就寝前にテレビの気象情報があり、そのイントロの特徴的なメロディーが自分たちの就寝を知らせるものだと記憶したところに始まったのだろう。彼らには毎日のルーティンが正しく行われることが大切なのかもしれない。それが原因で、昼間に似たような音がテレビから流れても反応するようだ。、やはり文鳥たちは想像以上に手ルビから何かを吸収している。

 そんな彼らがテレビを通じて人間たちをどう思っているのかも興味部会。とにかく彼らはこちらが考えている以上に賢いのだから。