この家に引っ越してきてからずっと本棚の一角を占めてきたオーディオセットが片付けられた。もう何年も使っていない。主にCD用に使っていたがそのほかにもいくつかの機能があった。どれかが壊れてしまってからCDもかけなくなったような気がする。
昔、ピーちゃんとフーちゃんがこの家に来た頃、よく音楽をかけていた。頭の良い子に育つようにとモーツアルトのアイネクライネを聴かせていたら、オスのピーちゃんがいつの間にか歌い出した。
「ピーがアイネクライネを奏でだした。すごい!」といって喜んだものだが、それがオスとしてのピーちゃんならではのさえずりだったのだ。なつかしい日々が浮かぶ。でも、ピーはフーを残して短い一生を終えてしまった。そんな思い出のあるコンポがなくなり、本箱の一角はすっきりした。あと、鳥かごを3つたためば居間は広く感じるはずだ。スーとフユ、そしてモカのいる鳥かご2つだけが机の上にそびえるだけになる。そうしたら、もうすぐお正月。あっという間の1年間。そして年初に5羽いた文鳥たちは3羽になってしまっている。それでもモカの目が見えるようになったことは、うれしいことだった。昨年9月に夫のミーが亡くなってしまってから、寂しそうなモカだけど、時にはフユがモカの鳥かごに入って行ったりする。そのうちモカが怒ってフユを追い出しているらしいけど、隣にそんな仲間がいるというのも悪くはないだろう。フユはいたずらっぽいところがあるから、メスにしては珍しく他人の鳥かごに入ったりする。夫のスーは9歳7か月を過ぎたおじいさんなので、フユも退屈しているのかな。