2025年4月26日土曜日

(八) 連休間近

 

このところ朝夕はまだ気温の低い日も多いが日中の気温は20度を超えて暑い日も増えてきた。2羽の文鳥は静かにしていることが多く、そろそろ換羽の季節を迎えるのかもしれない。

先日、もう60歳になった昔の小学4年生たち4人に会った。50年前がそのままよみがえって私も20代の若々しい気分になれた。彼らが若い頃はまだ日本は豊かで楽しかったといった。そのあとの世代が就職氷河期といわれる日本経済が冷え切った大変な時期だった。それからずっと日本の景気は冷え続き、いまでは若い人が貧しく結婚もできないため少子化が激しくなっている。この30年余り、ずっと景気は低迷し最近では国民の不満が沸点に達してきた。政府がここまで無能な国は少ないだろう。無知なくせによくも国会議員などやっていられるものだと呆れるばかりの日ともいるが、それも国民が選んだ人たちなのだからと反省するしかない。けれどもマスコミが報じなくてもいよいよ国民の多くは気づき始めた。「消費税廃止」「財務省解体」を叫び出し「百姓一揆」のトラクターでもまで起こしたのだ。おそらく日本は変わるだろう。変わらなければ滅びてしまう。外人に乗っ取られかねない状態なのだから、いくらお人好しの日本人でも黙ってはいられないはずだ。

 今年の連休は飛び石ということもあって、日本人の多くは行楽気分にもなれないかもしれない。

2025年4月10日木曜日

(七) ラン、スー、ミーが生まれた日

 

数日間の寒い日があり、その後また暖かい春の日がやってきてきょうも先ほどまで晴れの天気だったが、急に曇りだした。そして強い風が吹いてきたから、これから崩れて雨が降り出すのかもしれない。

 4月10日はこの家で最後にヒナたちが生まれた日だ。クリーム文鳥のラン、白文鳥のスー、そしてシナモン文鳥のミーの三兄弟が生まれた日。母親は体の小さな桜文鳥のチビで父親はチビの兄弟の身体の大きなクリーム文鳥のクリだった。

 2015年のことで、その年の2月には白文長のフーが、そして4月の初めにはフーの子供の桜文鳥のナナが天国へ召され、家中が悲しみに沈んでいるときだった。やっと育った小さなチビが3つも卵を産んでかえしたのだからヒナたちが生まれたときは驚いたし、喜びに満ちたのも当然だった。チビは小さな体でエサをヒナたちに与え、必死に育てた。夫のクリも手伝ったものの、頼りない感じで、ほとんどチビが育てたといってもいいだろう。そのためチビはやっと上がれるようになっていたカーテンレールの上に二度とあがれなくなってしまった。そのチビは11月になってまた卵を産もうとして力尽きて12月1日に短い一生を終えた。この年の11月には白文長のピポもいなくなり、4羽が去って3羽が訪れたあわただしい一年だった。

 そんなランもスーもミーももういない。いるのはお嫁に来たフユとモカの2羽だけ。

 あれから10年も経ったのだ。その間、ほとんど遠出をすることもなく毎日、文鳥たちと過ごしてきた。悲しいことも心配なこともうれしいことも楽しいこともあった歳月を、このどんよりした空の下の、ラン、スー、ミーの誕生日に思い返す。そして墓石のある庭を見る。

 いま、人間社会はトランプ関税で揺れに揺れている。世界は新しいフェーズに入ったのかも知れない。