数日間の寒い日があり、その後また暖かい春の日がやってきてきょうも先ほどまで晴れの天気だったが、急に曇りだした。そして強い風が吹いてきたから、これから崩れて雨が降り出すのかもしれない。
4月10日はこの家で最後にヒナたちが生まれた日だ。クリーム文鳥のラン、白文鳥のスー、そしてシナモン文鳥のミーの三兄弟が生まれた日。母親は体の小さな桜文鳥のチビで父親はチビの兄弟の身体の大きなクリーム文鳥のクリだった。
2015年のことで、その年の2月には白文長のフーが、そして4月の初めにはフーの子供の桜文鳥のナナが天国へ召され、家中が悲しみに沈んでいるときだった。やっと育った小さなチビが3つも卵を産んでかえしたのだからヒナたちが生まれたときは驚いたし、喜びに満ちたのも当然だった。チビは小さな体でエサをヒナたちに与え、必死に育てた。夫のクリも手伝ったものの、頼りない感じで、ほとんどチビが育てたといってもいいだろう。そのためチビはやっと上がれるようになっていたカーテンレールの上に二度とあがれなくなってしまった。そのチビは11月になってまた卵を産もうとして力尽きて12月1日に短い一生を終えた。この年の11月には白文長のピポもいなくなり、4羽が去って3羽が訪れたあわただしい一年だった。
そんなランもスーもミーももういない。いるのはお嫁に来たフユとモカの2羽だけ。
あれから10年も経ったのだ。その間、ほとんど遠出をすることもなく毎日、文鳥たちと過ごしてきた。悲しいことも心配なこともうれしいことも楽しいこともあった歳月を、このどんよりした空の下の、ラン、スー、ミーの誕生日に思い返す。そして墓石のある庭を見る。
いま、人間社会はトランプ関税で揺れに揺れている。世界は新しいフェーズに入ったのかも知れない。
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