2015年11月20日金曜日

(五)鳥かごが足りない

 最近、ランとミーが犬猿の仲で、寄ると触ると唸り合っている。これまであやさんちでは、こんなに長く1つの鳥かごに3羽でいたことはないけれど、兄弟がこうも仲が悪いのは初めて見る。
 ランはスーとは仲がよく、鳥かごから出ても一緒にいる。一方、同じオスでもミーは近づいただけで追い払われている。部屋に置いた容器の水浴びも、ランとスーで入って仲良くしていて、ミーはそばに寄ると、ランに追い払われる。ミーは、その後で、夫にいわれてひとりで浴びているけど、いまからこんなに女の子に嫌われていたら大変だ。
 ミーだけ別の鳥かごに移したい気もするけど、もう鳥かごを置く場所がない。独り住まいのココのところへ行くか、だれかパピかメグとペアになって、鳥かごを空けてほしい。
 スーは兄弟の中では体も大きく頭もいいので、ポス的な存在だけど、とくにミーと争ったりはしない。それでも小さかったミーが大きくなってきたので、ランとミーの喧嘩は互角に渡り合っていて、もう、スーも止めきれないから、近いうちにランとミーを離さなければならないだろう。
 3か月をすぎてから、ますますミーとランの喧嘩が激しくなった。ランがミーを寄せ付けない。近づくと、頭の上をコツンとやる。このままでは意地の悪い女の子になってしまいそうだ。そこで2羽を離そうと思い、ミーをココの鳥かごに入れてみたり、ランをメグの鳥かごに入れてみたりする。けれども、ココはメグに気があるようで、ミーが入ってきては迷惑そうだし、メグはトビに気があるようなので、なかなかうまくいかない。パピとココが一緒になれば、大きい鳥かごが1つ空くから、いろいろ工夫できそうなのだけど、パピが娘のココを追い出してしまう。妻のフーがいたときにはココにも言い寄っていたのにと思うけど、どうもこの家では白文鳥がモテルようで、パピもトビが気に入っているらしい。
 8月7日、おとといから夫は、夜だけランをメグの鳥かごに入れている。ランは若いおじいさんのところに入ったわけだけど、彼女のほうは気に入っているようで、落ち着いている。メグもおとなしくしていて満更でもなさそうだ。これでオスのスーとミーだけがメグの正面の鳥かごに残ったわけだけど、いまのところ問題ないようだ。
 パピもフーが死んでからは独り住まいで、そこにときどきトビとユウが入っている。2晩ほど3羽一緒にパピの鳥かごで過ごしたものの、やはり朝になって覆いを外すと、パピがユウを追いかけ回す。トビとは一緒にえさを食べていて、どうもユウが邪魔なようだ。ユウは鳥かご中を逃げ回っても自分だけパピの鳥かごから出るつもりはないらしい。ユウはトビと別れたくないようだけど、トビの気持ちはどうなのだろう。
 結局、パピはまた独りになり、ココも同様で、寂しそう。それでもココのほうは、子どものときのようにパピの鳥かごに入ったりしているから、あとはパピ次第だろう。パピはトビがいいらしいけど、そちらはなかなかうまくいかないだろう。パピがフタマタをかけているうちに、ココの気が失せてしまうかもしれない。文鳥さんはプライドが高いのだ。

 ところで3羽のヒナは見た目もあきらかに違うけど、性格はもっと違うように思う。持って生まれた性格というのがあきらかにあって、それは何ともしがたいような気がする。スーとミーはどちらもオスだけど、ミーはまるで子どもで、相手の気持ちなど想像できないから、思うように行動する。最初に唸り合っているのを見たとき、ランがミーを嫌っていじめているように思った。ところが、だんだんわかってきたのは、ミーが乱暴にランに乗ったりするので、ランがいやがっているということで、まるでいたずらざかりの悪餓鬼のように、本人はくったくなく行動するのだけど、これではランに嫌われるはず。わが道を行くというところは、曾祖父に当たるチーによく似ている。
 スーはランとミーの間に入って、ケンカをやめさせたりしていて、もうすでにリーダーの素質をうかがわせる。人にも高い関心を示して、利口なオスの文鳥を思わせ、かつていたピーに似ている。ミーは独り勝手に行動気味だけど、とにかく歌が好き、パピのような鳴き声で暇さえあればさえずっている。
 

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