2018年2月3日土曜日

四、 ボク、いま天国 


  きょうは節分だそうだ。豆を撒いて福をよぶんだそうだけど、もう、ボクには関係ないな。ボク=パピは、もうすぐ9歳になるはずだったけど、1月30日の朝、みんなのところに帰れなくなってしまったんだ。

 その朝、鳥かごが明るくなって、ママの声が聞こえた。順番に鳥かごの布を外していくんだけど、ボクのところが最初なんだ。そのうち、トビとスーのところへ行ったとき、
「トビちゃん、お誕生日おめでとう。6歳になったね」という声が聞こえた。
 トビの誕生日だったんだ。ということは、ボクと最後に暮らしたユウも生きていれば6歳になったんだ。こっちにきてからまだユウに会っていないけど、ユウに会ったら、教えてやろう。
 ママもだれも(つまりボクも)ボクが死んだ瞬間を知らなかった。

 パパが昼頃、ボクのツボ巣を持ち上げて、掃除のためにボクを別の鳥かごに移そうとしたとき、
「パピが死んじゃった」っていって、やっと気がついた。ボク、ツボ巣で眠るように静かに死んだから、だれにもわからなかっらんだ。ママが、すぐに僕を抱き上げてくれて、なでてくれた。
「パピ、きのうまで元気だったのに死んじゃったの? でも、いい子で長生きしたね」っていってたけど、ボクは、このうちでいちばん長生きしたんだ。まあ、フーに助けられて、幸せな一生だった。ココやユウとも暮らせたし、病気もしなかったし、ケンカもあまりしなかった。飛べなくなっても別の鳥かごで水浴びができたし……。
 長い人生(鳥生)には、いろいろあったけど、いい思い出になるだろう。これから、ゆっくり思い出に浸りながら、みんなのこと見守るとしよう。

 (在りし日のココとパピ)

 

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