2018年7月14日土曜日

14、ボクミーだよ。いま春


 7月半ば、毎日すごく暑い。だから性格には真夏なんだけど、ボクの気分は春なんだ。それというのもモカのおかげ。もう一緒の鳥かごにいるんだよ。

  鳥かごはモカのもので、そこにボクも入るようになったから、となりのボクの鳥かごは空っぽになっている。まだボクのいた鳥かごが片付けられないのは、どうしてかな?

 この間から、みんなと同じひとまわり大きい鳥かごが居間に用意してあって、ボクたちが仲良くなったら、そこに入るのかと思っていたけど、そうでもないらしい。その鳥かごはクリとピヨのところにいってしまった。そして、また次のきれいになった鳥かごがボクたちの目の前に置かれたけど、それもボクたちの鳥かごにならなかった。それは、チーの鳥かごになって、つぎにまた別の鳥かごが目の前に置かれたが、それはメグとランのものになった。

「順番に洗って、前部きれいにするんだ」ってパパがいっていたから、どうもつぎはマイとルミの鳥かごがきれいになって、つぎがスーとトビ、そして最後にボクとモカの鳥かごがくるのかな。

 パパがひとつずつ洗って、それからママとふたりでとりかごの周りに新しいプチプチをはっている。その大きい鳥かごの数は6つあるみたいだから、ボクとモカの分もちゃんとありそうだな。来週には、ふたりで広い部屋に住めるかもしれないと思うと、いまから楽しみだ。それにしても毎日ほんとに暑いな。

2018年7月1日日曜日

十三、シルバー文鳥のピヨよ


 

 
 わたしがこの家にきたのは去年の2月3日だったから、もうあれから1年5か月になるのね。生まれたのはその前の年の10月で、多分、女の子ってわかってから、ここにきたのだと思う。まだミーがひとりで鳥かごに入っていて、ママが「ミーちゃんと仲良くなるといいけど」なんていっていたから、ミーの相手にするつもりだったようだわ。

 でも、わたし、いま、クリの奥さんなの。クリと一緒になって、もう1年以上になる。わたしはミーより、クリのほうがよかったけど、わたしがきたとき、ここではココお姉さんがクリと一緒に暮らしていたのよ。お姉さんはちょっとの間、わたしのとなりの鳥かごにひとりでいたことがあるけど、そのときとっても優しかったのよ。そのうちまたクリのところに戻ったけど、それからあと、死んでしまったの。年齢はまだ7歳になっていなかったみたい。ママが、
「ココは、卵管脱があったから、少し早く死んでしまったのね」っていってた。なんでもふつう文鳥は7年から8年、生きるんだって。わたしは若いから、まだまだ生きられそうだわ。

 それで、ひとりになってしまったクリが最初は寂しそうにしていたんだけど、そのうちに、わたしに一緒にならないかといったの。
ミーはランちゃんが好きみたいで、パパが
「ミーは、帽子をかぶったようなシルバーやシナモンは好きじゃないみたいだな」っていってた。わたしもクリのほうがいいと思って、それで、仲良く暮らしている。けっきょくミーはずっと独身のままで、ランちゃんとメグのいる鳥かごにいってはいやがらせをしていたんだけど、いまは、モカちゃんに夢中みたい。モカちゃんもランちゃんと同じクリーム文鳥だから、いいのね。でも、ミーって、そんなにモテルタイプじゃないのに、自分のことタナに挙げて、ぜいたくいってるわね。まあ、モカちゃんもいやがってはいないようだから、こんどはうまくいくといいけど。