2018年7月1日日曜日

十三、シルバー文鳥のピヨよ


 

 
 わたしがこの家にきたのは去年の2月3日だったから、もうあれから1年5か月になるのね。生まれたのはその前の年の10月で、多分、女の子ってわかってから、ここにきたのだと思う。まだミーがひとりで鳥かごに入っていて、ママが「ミーちゃんと仲良くなるといいけど」なんていっていたから、ミーの相手にするつもりだったようだわ。

 でも、わたし、いま、クリの奥さんなの。クリと一緒になって、もう1年以上になる。わたしはミーより、クリのほうがよかったけど、わたしがきたとき、ここではココお姉さんがクリと一緒に暮らしていたのよ。お姉さんはちょっとの間、わたしのとなりの鳥かごにひとりでいたことがあるけど、そのときとっても優しかったのよ。そのうちまたクリのところに戻ったけど、それからあと、死んでしまったの。年齢はまだ7歳になっていなかったみたい。ママが、
「ココは、卵管脱があったから、少し早く死んでしまったのね」っていってた。なんでもふつう文鳥は7年から8年、生きるんだって。わたしは若いから、まだまだ生きられそうだわ。

 それで、ひとりになってしまったクリが最初は寂しそうにしていたんだけど、そのうちに、わたしに一緒にならないかといったの。
ミーはランちゃんが好きみたいで、パパが
「ミーは、帽子をかぶったようなシルバーやシナモンは好きじゃないみたいだな」っていってた。わたしもクリのほうがいいと思って、それで、仲良く暮らしている。けっきょくミーはずっと独身のままで、ランちゃんとメグのいる鳥かごにいってはいやがらせをしていたんだけど、いまは、モカちゃんに夢中みたい。モカちゃんもランちゃんと同じクリーム文鳥だから、いいのね。でも、ミーって、そんなにモテルタイプじゃないのに、自分のことタナに挙げて、ぜいたくいってるわね。まあ、モカちゃんもいやがってはいないようだから、こんどはうまくいくといいけど。

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