2019年3月21日木曜日

(六)春分の日


  桜の花もちらほらといよいよ春らしくなってきた。本来なら明るい陽射しの下でお花見といきたいところだけれど、外に出ればたちまち花粉の匂いに包まれる。とてもマスクなしでは外を歩けない。目には目がね、口にはマスク、さらにフードつきの花粉の付きにくい服装で、せっかくの春なのに、なんて暑苦しいことか。

 なるべく家の中にいて文鳥たちと過ごすのがよさそうだ。

 チーもまもなく9歳7か月になる立派なおじいさんだけど、それなりに元気でときどきさえずったりして可愛い声を出している。あいかわらず日に3度食べさせてリンゴジュースを飲ませているけど自分でも食べているから、ひところよりは調子がよさそうだ。とはいっても寝ていることも多くなって、えさを食べさせるときなど、リンゴジュースばかりを欲しがって、あまりえさを食べずに手の中で眠ってしまう。人間でも年をとると居眠りが多くなるようだから、鳥もそうなのだろう。そういえばあやさんもチーを抱いて一緒によく居眠りをしている。

 マイも8歳10か月を過ぎて歩けない状態だが、羽ばたく力があるので、鳥かごの中を移動して自分でもえさを食べられる。よく上部に止まっているルミと泣きあっている。そういえばルミだっていいおばあさんだ。8歳3か月になる。でもまだちゃんと飛べるし卵こそ産まないがときどきカーテンにも潜って昼寝をしたり、蛇口で水浴びもしている。ルミにはチーという父親もマイという夫もいるから、人間だったら老人ふたりを抱えて大変なところだろう。
その点、文鳥さんは気楽でいいからうらやましい。

 ほかの8羽の文鳥たちもみんな元気で明るい春。

2019年3月8日金曜日

(五」もう春ですね


 
 3月になりだいぶ春めいてきた。先日などは友人から、知り合いにもらったというフキノトウをわけてもらった。春の訪れを知らせるいただきものに喜んで早速、てんぷらにするときれいな黄緑色がいかにもおいしそう。ちょっとすまんでみてお味見をしたまではよかったが、そのあと急に気分が悪くなった。
 なんともいえない旨の痛み。果たして原因はフキノトウなのかと迷いながら、あまりの気分の悪さに胃薬を飲んだ。そのまま横になっていると、気分の悪さはジョジョに和らいだものの、手のひらがかゆくなりだした。あきらかにアレルギー症状だと思ってそのまま寝ていたが、そうだ! と気が付いてわけてくれた友人に電話した。彼女はすでにおひたしにして食べたといったけど、なんともなかったらしい。それでもほかの人にも配っていたので一応、注意の電話をすることになった。
 あとで、インターネットで調べてみたら、けっこうフキノトウを食べて具合が悪くなった人がいるとわかった。やはり、野草はこわいと感じた。そして小鳥たちは独走を食べたりしないのだろうかなどと考えた。
 そのまま思いが家の文鳥たちの食べものに及ぶが、やはり道端で摘んできたものはさけるべきだと思った。彼らはきっとハコベが好きだろうけど、あげるのはお店で買ったサラダ菜や豆苗のほうが間違いなさそうだ。豆苗といえば、シルバー文鳥のピヨの大好物で、ほかの鳥はそれほどこのまないようだけど、なせかピヨだけがきれいに食べてしまう。夫がいうには、
「生まれた家で食べていたんじゃないかな」だけど、本当のところはわからない。そういえば家で生まれた文鳥たちは小さいときに豆苗を食べた経験はない。青菜はほとんどがサラダ菜で、たまにつまみなだったりレタスだったりした。やはり子供のころから馴染んだ味というのがあるのかもしれない。