2022年4月27日水曜日

(9)鳥かご内に血が散って

 

 白文鳥のスー(オス・7歳)は、その日も鳥かご内でフユと追いかけっこをして暴れていた。バタンバタンという大きな音がしたので鳥かごをのぞいたが、菜さしが落ちた様子もなく止まり木もそのままだったので、あやさんはあまり気にしていなかった。また暴れるようだったらスーをいつものように別の鳥かごに移せばいいだろうくらいに考えていた。

 ところが昼頃になって夫が鳥かご内の掃除を始めると、大変なことになっていることが分かった。

「スカイカフェに血がついているぞ。あっ、こっちにも」と騒ぐ夫。

「スーとフユは、どうしているの?」と聞くと、おとなしくツボ巣と止まり木にいるという。赤い血がスカイカフェやえさ、止まり木にもついていて、どちらかが結構な出血をしたようだった。そして夫がいった。

「スーの足の爪だ。なくなっている」

 左足の親指の爪(後ろ側にある爪)がなくなってしまっていて血がついているという。暴れているときに、どこかに爪を引っかけたのだろう。かなり血が出たようなので心配になったが、すでに血は止まっているようだった。文鳥の身体は小さいから、少しの出血でも貧血になってしまう。スーの様子を見ると、すましている。痛いのかもしれない。大事をとって別の鳥かごに移した。そして、その日はそのまま独りで過ごし、翌朝を迎えた。

 朝にはフユも心配だったのか、スーを呼んで、2羽は鳴き合った。しばらくして元通りに一緒の鳥かごに入ったら、2羽はそのまま静かに過ごした。

 そして、3日後の今日もまだ2羽の鳥かご内の追いかけっこは止んでいる。でもスーは一応、元気そうに見える。フユも追いかけないから、けっこう心配して反省しているのかもしれない。

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