2022年9月10日土曜日

(18) ピヨちゃん、大丈夫?

 

 5歳10か月になるシルバー文鳥のピヨが高く飛べなくなっている。1週間前の放鳥時に怪我をしたらしい。その日の夕方、夫が何かに鳥がぶつかる音がしてピヨの姿が消えてしまったといい、騒ぎになった。部屋の隅に置いてあるイーゼルの下あたりに落ちたようだということになり、ふたりで探しまわった。床に置いてあるツボ巣やガラクタをそっと片付けてピヨの姿を探すけれど見つからない。名前を呼んでも、こんなとき文鳥は声をださない。猫や犬と違って、静かにしているのが安全だと思っているのだろう。

部屋の鳥かごの下など他の場所にも棒を入れたりのぞいたりして探すが、いくら探してもみつからないのであきらめて夫は鳥かごの清掃作業を続けることになった。

 気絶していたとしても、気が付けばお腹が空いて出てくるだろうというわけだ。 そして、1時間後、夫の声がした。

「ピヨちゃん、こんなところにいたの。どうしたの?」

 ピヨが鳥かごが置いてあるテーブルの下に現れたのだ。その奥に置いてある荷物の陰にでもまぎれこんでいたらしい。そこからどうにか出てきたようだった。 見た目は怪我はなさそうだったが、えさを食べさせても飛べなかった。ぴょんと跳ねるものの飛べない。

「羽の筋肉か何かを痛めてしまったのだろう」

 夫がそういって、元気そうなので、しばらく様子を見ることにした。どこかの筋を巻き上げカーテンから出ようとしてひっかかって、痛めてしまったようだった。ピヨがもぐっていたと思われるカーテンにはピヨが破ったのか小さな穴が開いていた。

 それからピヨはあまり高く上がれなくなっている。とはいえ元気そうで、カーテンレールの上に上がろうと試みているようだから、そのうち元のように飛べるようになるだろう。それほど大事に至らなかったので安心した。

 ほかの文鳥たちも元気に過ごしている。きのうスーとフユのバードバスの水を換え、元通り鳥かごに付けたつもりだったが、突然「グググル」というメグの声がした。続いてスーとフユがピィピイチュンチュンと騒いだ。気が付くと、バードバスはメグの鳥かごについていて、彼らはその間違いをあやさんに教えたようだった。気づいて早速メグの鳥かごからスーたちの鳥かごに付け直すと、彼らは安心したように静かになった。彼らの言葉はわからないが、何かいいたいことがあるというくらいはわかるものだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿