2016年5月2日月曜日

3、文鳥さん、だるいのね

 ゴールデンウィークが始まり、日中は暑い日も増えてきた。文鳥たちの鳥かご内には白っぽい小さな羽がいっぱい落ちている。また換羽(かんう)の季節がやってきたのだ。この細かい羽毛はホワホワ浮いて舞い上がるから、鳥かご内の新聞紙はそっとたたまなければならないけれど、軽い羽毛はそれでも床に飛び散って、この時期は掃除に忙しい。
 そして、文鳥たちはいつもよりおとなしい。羽が抜けるのだから全身がだるいのかもしれない。大人の文鳥などは放鳥しても、いつのまにか鳥かごに戻っていたりする。静かにしていたいようだ。
 そういえばチーがこのところ前にもまして元気がなく、ツボ巣に閉じこもりがちだったのは、換羽のせいだったかもしれない。冬毛が抜けて夏毛にかわるのだから、抜け切るまでは体調が悪いのだろう。
 それにどうも、かゆいらしい。チーなどはあやさんの腕に止まって盛んに羽づくろいをしている。かなり体をひねっても、背中のほうまでは届かないから、こちらがかいてやりたくなるけど、それは好まないらしい。そんなことをしようとしたら、みんなすぐに逃げてしまう。
 思い出すのはピポがチーの頭や背中の羽づくろいをしていた光景だけど、いまはだれもチーにそんなことはしてくれない。
「だけど、チーがピポの羽づくろいをしているのを見たことある?」とあやさんが夫にきくと、
「そうだな、パピがフーの羽づくろいをするのは見たけど、チーはないな」という返事がきた。チーはこんなときにもピポがいないさびしさ(不便さ?)を感じてしまっているかもしれない。この換羽は1か月くらい続くだろうか。

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