2016年11月21日月曜日

33、チーにも変化が

 新しい文鳥たちのカップルができるなか、チーは変わらず独りぼっちで、好きなブランコに乗っている。いまでもピポを待っているのだろうか。とにかく、ほかのメス文鳥には目もくれなかった。
 これまでチーが関心を持ったメスは2羽だけ。一目ぼれで好きになったパピの妻のフー、それに自分の妻になったピポで、どちらも白文鳥だった。
 もうフーは亡くなり、頼りにしていたピポまでいなくなってしまってから1年になるのに、周りには関心がないのか、いつもさっさと鳥かごに戻っているから、このまま年老いてしまうのかと思われた。
 それが、ここ数日のことだけど、チーがときどき1つの鳥かごの上に乗って、中を覗き込んでいる。そこには、すっかり落ち着いてきたスーとトビの白文鳥カップルが入っていて、チーはトビに関心が出てきたようなのだ。
「いまさら、遅いんだよ」と、思うのだけど、トビはピポの子ども(チーの子でもある)だけあって、ピポの面影を残している。
 トビのところにスーが入るようになったのは、つい最近のことだから、これまでチーにだっていくらでもチャンスがあったはずなのに、まったく関心を示さなかった。ピポの一周忌がすんだからというわけでもないのだろうけど、いまようやくほかのメスに関心が出てきたらしい。
 でも、もう遅いんだ。マイペースのチーは、またしても「遅かりし由良之助」になってしまうのか。

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