先日の地震が起きたのは早朝の6時ごろだったけれど、この日、パピは特別な場所にいた。前の晩に鳥かごに戻らなかったため、カーテンレールの上に止まって寝ていたのだ。
その晩パピはいったん鳥かごに戻ったものの、同居人のユウがなかなか鳥かごに入らなかったので、また鳥かごから出てしまった。ところがユウはそのうちに鳥かごに入ったのに、パピは元々動きが不器用な上に老齢も加わって、スムーズに戻れない。そのまま高い場所で寝て、朝を迎えることになったわけだ。そして、まだ目覚めていないときに大揺れに襲われた。
驚いたパピは、その場所からフラフラと飛んで、5メートルほど先の床に落ち、夫があわてて拾って鳥かごに戻したという。、
とんだ災難だったが、パピの災難はそれにとどまらなかった。その2日後の夕方、どこかに消えてしまったのだ。
「あれ、パピがいないぞ」と夫が文鳥たちを鳥かごに戻すときにいいだした。
「さて、どこにもぐってしまったものか」と、また机の下に潜ったり、額の裏や鳥かごの間などを探すけれど、姿はなく呼んでも鳴き声はしない。
「おかしいわね」といいながら、あやさんが電話代の横のカーテンをめくると、ガラスに小鳥のようなシルエット。しかし、動かない。パピがカーテンを背にガラス越しの外の景色を眺めていた。
「パピったら、こんなところに!」
カーテンをむくって手を出すと、パピが飛び出して、一件落着となったが、もうパピは年寄りなのだ。チーのように静かにしていてほしいと思うのだけど、けっこうモテテいるから何かと大変な目に合うのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿