2018年12月6日木曜日

23、わたし白文鳥のトビ

   このごろ若い子たちが、さかんに卵を産んで温めている。だけど、まだ新しいヒナが生まれてきた様子はないみたい。

この前、パパがクリとピヨの卵を取り出してママと話していた。

「もう少しでかえるところだったのに、可哀そうだな。これ、お墓に埋めてやろうか」

「カラから出る直前に力尽きたのかしら」なんてね。

 わたしなんか、以前にユウと暮らしていたとき、3羽も同時にかえしたのよ。みんな若い子たち、卵をうまくかえせないみたいね。だとしたら、わたし、もういい年なんだけど頑張ってお手本を示さないといけないかも。そう思って、わたし卵を産んだの。たった2個だったけど、いま温めているところ。

来年1月には7歳になるんだから難しいかもしれないけれど、とにかく頑張ってみるわ。

 でも、この年で子育てってことになったら大変だわね。まあ、夫のスーが若いから、スーがかなり手伝ってくれるでしょうけど・・・。でも、その前に、生まれるかどうかが問題で、どっちにしても、難しそう。

2018年11月21日水曜日

(10)形はスマートなんだけど


 
  パソコンはその後、新しいものになった。息子に買ってもらったウインドウズ10をいま使っている。おかげで悪夢のようなアップデートの際のフリーズや画面の変化などに悩まされることはなくなったが、使い慣れるには時間がかかった。そしてようやく普通に使えるようになったころ、また別の新しいものに苦労している。

 ケイタイ電話を変えたのだ。本当はこのままガラケイのケイタイを使っていたかったのだが、この11月と12月に解約すれば「しばり」とかいうものから抜けられるとかで、この際電話会社を映って料金を安くするのだという話になった。何でもガラケイは、2年後にはなくなるから、その後はみんなスマホになるんだという。そんなこと、だれが決めたの? と、大いに不満だけれど、私が文句をいったからとて、どうなるものでもない。このさい、前向きに考えてスマホにした。。すると、やはり、大変なことになった。

新しいケイタイ電話となったスマホはアイホンだが薄くて格好がいい。これまでのガラケイと比べると見た目からして別次元。新しいものを手に入れたうれしさはあった。

 しかし、突起したボタンがないというのは、目の悪い者にとってなんと不便なことか。これは設定次第で視覚障碍者でも使えることになっているようだが、間違って触れると、かってに電話がかかってしまったりする。相手から返信があり、そのことがわかるのだけど、これまでのガラケイなら決まった場所にある赤いボタンを押さない限りそんなことは起きなかった。画面に出てくるキーボードも小さくて正確に文字をとらえてうつことも難しい。もうこれは、視覚障碍者はもちろん、老人の震える指先ではどうにもならない。宝の持ち腐れだ。

 そう思っていじってみていたら、このスマートさがとても冷たいものに感じられてきた。

「こんなのちっとも格好よくない。だって不便」

いやな気分になってきた。これはすべすべのプラスチック製品を初めて見たときにきれいだと思い、その後に好きでなくなったときの気持ちに似ている。

 やはり凸凹のない冷たいものには、いくらそれがスマートでも感心しない。愛情がわかないのだ。パソコンのキーボードだって「f」と「j」にちゃんとポッチがあり、電話機やリモコンの「5」にもポッチがついていて、その上が「2」で下が「8」だと見えなくてもわかるようになっている。これが生活の知恵である。

つまり、いまのスマホは不親切で、視覚障碍者には突起が必要で、この機能美を追求した物体は視覚障碍者には適さないと思った。、あまり年寄りには好まれないだろう。

 もっと温かみのある凸凹の使いやすいスマホになれば、それがやがて普及することだろう。このままではまったくの仕事の機器にしか思えない。こんなものに1日中とらわれていたら、あまり意味のない時間ばかりが費やされ人間はおかしくなってしまいかねない。そう思わせる冷たさがそこにあり、私の場合、ただの電話を受け取るだけのシロモノとなってしまいそうだ。

 それでもときどき触っていると、何かしゃべるから、その点は少しかわいらしい。

2018年11月13日火曜日

22、ボク、マイだよ


   白文鳥でるみの夫のマイだよ。もう8歳半になったんだ。すっかりおじいさんになってしまって、片足が具合が悪い。だから毎日、大変なんだ。

 つまり、鳥かぼの中を自由に動けなくなってしまってさ。おなかがすいたらツボ巣から鳥かごの下に飛び降りるんだ。近くのスカイカフェに飛び移ってえさを食べるのが難しいわけで、ママが下に用意してくれた平べったいえさ入れのえさを食べることにしている。だけどツボ巣から落ちてからも大変で、なんとかその新聞紙の上をすべるようにしてえさに近づいて行き、それからえさ入れの上におおいかぶさってえさを食べる。食べ終わったら鳥かごの前のほうのフチにつかまっている。

 そのうちにママかパパが気が付いてボクを抱き上げて、スカイカフェの水を飲ませてくれ、それからえさの入ったスカイカフェに入れてくれる。

 そんなときボクは、ママの差し出してくれた手をちょっとカムんだ。それはお礼のあいさつのつもりだけど、ママにはちゃんとわかっているのかな。ときどき「イタイよ」なんていってる。そしてぼっくはお腹がいっぱいになって、ツボ巣にもどるんだ。そこからなら自分で戻れるはずなんだけど、たまに、また下におちちゃって、しばらく下にいることもある。そんなとき、るみが心配してくれて、ボクの様子を見ているんだ。まあ、そのうちにはママかパパが気が付いてツボ巣に戻してもらえるけどね。ボクがツボ巣に戻るとるみがうれしそうな声を出して迎えてくれる。

 水浴びはママの手の中でして、それから抱いてえさを食べさせてくれる。だけど、ママがいないときは、ボクはソファーの上に放っておかれるんだ。パパはその間、みんなの鳥かごの掃除をしているから、ボクの面倒はみられないから仕方ないんだよ。だから、ボクはあまりママに出かけてほしくない。お昼寝だってママに抱かれてするほうが快適だもん。

 そんなわけでボクはなんとかやっているけど、年上のチーのヤツがうらやましそうにママの肩にやってくる。でも、あっちはボクより元気だからな。チーとはもう8年半も一緒にいることになるんだな。昔はよくケンカしたもんだ。なつかしいなあ。

2018年10月30日火曜日

21、白文鳥のメグだよ


  ボクが生まれてから、もう5年9か月になるそうだ。ボクの父さんはシナモンで、いま9歳2か月。母さんはピポで白文鳥だった。母さんはボクがよく追い回していたからかどうかわからないけど、3年前にこの家から出て行っていしまったんだ。もう死んでしまったかもしれない。

 ところでボク、きのう、生まれて初めてママの部屋に入ったんだ。ほかの連中はときどきママの部屋に迷い込んだりしているようだったけど、ボクはこう見えてもけっこう用心深いから、これまではそんなことはなかった。

 そんなボクだったけど、ママの後ろ姿が見えたので、思わず飛んで行ったらママの部屋に入ってしまったんだよ。それもゴミ篭に飛び込んじゃってさ。ボク慌てちゃったよ。そしたらママの手がすぐに目の前にきて、ボクは急いでその手につかまってゴミ篭から出た。ほんと、ゴミ篭に落ちちゃったときにはおどろいたよ。

 それからママが、

「あら、スー、ここにきたの?」なんていって、まさかボクが来たとは思わなかったみたい。そしてボクはしっかりママの手につかまって居間にもどったんだけど、ボクを間違えるなんて失礼だよ。

 それでもママはパパにきいていた。

「いまのスーだったかしら?」って。そしたらパパが

「スーはここにいるよ。メグだろう」っていってね。

「ああ、メグちゃんだったの。そういえばそうだわ。でもメグがわたしの部屋にきたのは初めてじゃないかしら」ってわけで、この年になって、初めてボクは冒険をしてしまった。小さな部屋だったけどテレビみたいなやつが3つも並んでいて、ママはそれに向かっていた。ちょっと面白かったから、また今度、行ってみようかな。でも、怖い気もしたからな。つぎはひとりじゃなくてランのやつもつれて行こうかな。もっとも、ランはいま卵を温めだしたから、無理かもしれないな。

2018年10月15日月曜日

20、2歳になったよ

 わたしはシルバー文鳥のピヨ。きょう10月15日は、わたしの誕生日ですって。ママが朝「おめでとう」っていっていた。わたしが生まれて4か月くらいのとき、このうちにきたから正確な誕生日はわからないらしいんだけど、10月の中はだというんで、10月15日生まれになったらしいわ。

わたしはシルバー文鳥で、お父さんもお母さんもわたしと同じシルバー文鳥だったから、このいえに連れてこられたとき、わたし、本当はびっくりしたの。

 ここには、シルバー文鳥は1羽もいなかったし、そのかわりに真っ白な文鳥や黄緑色の文鳥がいてね。でも、わたしにちょっと似ている文鳥がいた。わたしよりずっと色の濃い桜文鳥で、それがココ姉さんだったの。少しの間だったけど、わたしの鳥かごのとなりにいたから、そのときは、とてもうれしかったわ。

でも、もういない。だけど、わたし、いま、ココ姉さんのかわりにクリのそばにいるのよ。ココ姉さんがいなくなってからずっとクリは寂しそうだったから、きっとココ姉さんも天国で安心してくれたと思うわ。

 わたしクリには少し不満があるけど、まあまあ仲良くやっていて、また今月になって卵を6つも産んで交代で温めている。こんどこそ赤ちゃんが生まれるといいんだけれど。ココ姉さんに似た子が生まれるとうれしいわ。

2018年9月27日木曜日

19、クリももう4歳7か月


  ボクはクリーム文鳥のクリだよ。誕生日は2月末だから、いま4歳7か月かな。そして、いまはシルバー文鳥のピヨと暮らしている。みなさんも知ってのとおり、ピヨはボクの3番目の奥さんなんだ。最初の奥さんはチビって名前で、ボクと一緒に生まれたんだけど、3羽の子供を残して若くして死んでしまった。小さくて体があまり丈夫でなかったから、子育ては大変だったんだろう。

 つぎの奥さんはココで、チビと同様に桜文鳥だった。でもボクよりずっと年上の奥さんだったから、去年、もう天国に行ってしまった。

 それで、いまのシルバー文鳥のぴよと一緒になったんだけど、ピヨは本当はボクの息子のミーのお嫁さんにと、パパが去年の春によそから連れてきた子なんだ。でも、ピヨが来てからココが死んで、ミーはピヨにあまり気がないようだったから、ちょうどよかったのさ。

 で、ピヨとボクは暮らしているんだけどピヨのやつ、なんだか子供っぽくて、あまりボクに従わないんだ。元気がいいといえば、そうなんだけど、けっこう暴れん坊で、鳥かごの中で、しょっちゅう暴れている。前のふたりとは違うんだよ。だから、ボク、前よりおとなしくなっちゃった。もしかしたら年の成果もしれないけどね。

それに、この頃ボクたちの鳥かご掃除の順番が遅くなったんだ。それまでは1番最初で早くに放鳥してもらえたのにさ。それも多分、ピヨのせいだと思うんだ。遊びまわっていてなかなか鳥かごに戻らないから、そうされたんだ、きっと。ボクにはわかっているけど、ピヨのやつ、わかっているのかな。

ピヨはもうすぐ2歳になるっていうから、まだティーンエイジャーだものな。仕方ないか。

2018年9月13日木曜日

18、わたしはルミ


シナモン文鳥のルミだけど、わたしはこの家で生まれた最初の女の子なのよ。お父さんはチーで、わたしにそっくりなシナモン文鳥で、もう9歳になったけど、お母さんのピポは3年前にどこかに行ってしまったの。お父さんはそれからずっとひとりで、しばらくは寂しそうだったけど、この頃は慣れたのか、元気そう。


 それで、わたしはいま7歳9か月なんだけど、夫のマイはチー父さんより若いのに足が悪いから大変。マイはいま8歳4か月だそうだから、まあ、おじいさんはおじいさんなんだけど、右足が伸びちゃっていてうまく飛びがったり、つかまったりできないから、食べたり水を飲んだりするときに下に上落ちるのよ。でも、わたしは助けようがないから、マイは自分で何とか飛び上がろうとして、バサバサ、バサバサ。

 そのうちにママかパパが気が付いて、手でつかまえてツボ巣にもどしてくれる。

 このままどうなるのかと心配だったけど、最近、また少し前より飛び上がれるようになって、ときどきツボ巣をのぞいたママがいっている。
「マイちゃん、自分でもどれたの? すごいね」なんて。

 マイは満足そうな顔をしているから、ほこらしく思っているのかも。わたしはチーの子だからまだ元気だけど、マイは水浴びもママやパパに蛇口まで運んでもらっているし、えさもときどきママの手の中で食べている。そんなとき、マイはわたしを呼ぶから、わたしも一緒に水浴びしたり、ママの手に泊まってえさを食べたりするのよ。だから、わたしたちは、ずっと仲良し。