そんなタマちゃんが32年半も長生きしたのは、何といっても食べ物がよかったからだろう。何しろ、毎日、何種類ものえさをもらって食べていた。覚えているだけでも次のようなものがある。
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インコのえさ ②ボレー ③麻の身 ④ひまわりの種 ⑤小松菜 ⑥りんご ⑦クルミ⑧きゅうり ⑨水
そのほか、ときどきパンのミミやカステラなどももらって食べていた。卵の黄身も少し食べていたように思う。とにかく栄養満点なのだ。放鳥は、体が大きくて、飛んだら家の鴨井にぶつかって落ちたため、その後はずっと鳥かごから出ない生活だった。それもケガをしにくいので、長生きに寄与したように思う。
タマちゃんの生活は、家人や家に来る人々を観察して、結構楽しみ、歌をうたって、昼寝して、おいしいものを食べて、いじめられることもなく、平和な一生だったように思う。
タマちゃんは家の電話が鳴ると知らせていたけど、朝いつまでも寝ている私に、起きろとばかりに、鳴いて寝過ごさないようにしてくれたこともある。やかんのお湯が沸騰しているのを妹に教えたり、タマちゃんなりに何かと気を遣っていたようだ。そして、タマちゃんが亡くなる前夜には雄たけびを上げたとも聞いた。
晩年には少し呆けたものの、ほとんど病気もせず、大往生だった。まさか飼い主の両親より長く生存するなんて、当時はだれも想像しなかったはず。そんなタマちゃんの死を妹から知らされたとき、とうとうタマちゃんも両親のもとへ行ったかと感慨深く思ったものだ。多分、妹たちの様子を土産話に飛んで行ったことだろう。
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