2016年6月24日金曜日

11.クリとココ、そしてパピ

 そして明日(22日)の夜は、ひどいことになった。放鳥後、素直に鳥かごに戻ったのはいつものメンバーのメグとラン、マイとルミ、それにチー、スーで、また残りのメンバーが複雑なことになっていた。
 元はといえば、クリとココがパピの鳥かごに入ってしまったので、昨夜と違う状態が生じたためで、ミーはそれに乗じていつものように勝手に遊んでいた。
 トビとユウは本来の自分たちの鳥かごが空いていたのでそこに戻ったけれど、ほかの4羽は就寝時刻を過ぎても部屋に出ていた。
 パピはこの家にきたときから飛び方が下手だから、いまでも自分の鳥かごに戻るのがやっとで、とてもほかの鳥かごには移せない。と、なると、やはりクリとココを追い出して、パピが戻れるようにしなければダメなようだ。そこでクリとココを追い出したのはいいけれど、パピも戻らずにややこしいことになっていた。
 夫はほかの鳥かごには布をかけ、ミーを捕まえて鳥かごに戻したが、いつもと違う景色に、パピとクリは鳥かごに下りられない。
「ココは思ったより利口だな」としばらくして夫がいったが、布をかけた鳥かごの上に自分が下りて、パピに鳥かごの入り方を何度か示したらしい。
 ところがパピは動けず(動かず?)、結局、夫が捕まえて鳥かごに戻したという。
「それで、クリとココは?」ときくと、
「そのままカーテンレールの上で眠っているよ」といった。
「少し狭いけど、ココがクリの鳥かごに入ればいいのに」と、あやさんはおもしろくなかったものの、2羽はそのまま朝を迎えることになった。
 そして朝になり、クリとココは夫の差し出す手の上のえさを食べながらクリの鳥かごに入った。パピは独りになってしまったけれど、隣の鳥かごにいるチーと同じ境遇になっただけだから、静かに老後を過ごすのも悪くないと思うけど……。
 ところがこの日も就寝前になると、さらにややこしいことになった。クリとココが、またパピの鳥かごに入ってしまったのだ。夫が2羽を追い出してパピがひとまず入ったものの、クリとココはクリの鳥かごに入らない。するとパピがまた鳥かごから出てきてしまい、3羽がカーテンレールの上で眠ることになった。パピは昨夜、ココのことが気になって安眠できなかったのかもしれない。
 この夜は結局、クリとココに加えて、パピまでが鳥かごに入らず、カーテンレールの上で一夜を過ごすことになった。
 そして、朝、夫がクリとココをクリの鳥かごに戻すと、パピは仕方なさそうに自分の鳥かごに入った。おなかも空いていたのだろう。
 だけど、その前に、カーテンレールの上で、けたたましい鳴き声が数回して、パピとクリが争ったようだった。やはりパピも内心は穏やかではなかったらしい。それにパピにも意地があるとわかった。とはいえ、ココの気持ちはかなりクリに傾いているようだ。
 なぜか今夜、ココはパピの鳥かごに戻っている。クリはまた寂しい夜を過ごすことになったけど、あやさんは今夜はぐっすり眠れそうだ。
   (写真はクリの鳥かごにいるココとクリ)


0 件のコメント:

コメントを投稿