2016年7月17日日曜日

15.ピンクの鳥かご

 その後、ココ(桜文鳥・6歳1か月・メス)は、パピ(シナモン文鳥・7歳5か月)とクリ(クリーム文鳥・2歳5か月)の間をいったりきたりしている。3羽とも去年、一緒に暮らしていた相手を亡くした身の上で、独りで暮らすのは寂しいのだろう。
 ココは去年から父親のパピと暮らすようになった。ところが、ココと同じ桜文鳥の妻(チビ)を亡くしたクリが、近頃ココに言い寄るようになり、ココの気持ちが揺るぎだした。というより、ココに本気でモーションをかけてきた初めてのオスだから、そんなクリにココが魅かれたのも無理はない。
 とはいえ、パピを捨ててクリのところへ行ってしまうのも気が引けるのか、夕方にはそれぞれの鳥かごに交代で戻っている。きのうはパピのところ、きょうはクリの鳥かごと公平に正しく交代して、1夜を過ごす。感心するほどちゃんと1日置きで、それが1週間ほど続いていた。
 ところが突然、ココが続けてクリの鳥かごに入った。あやさんが、
「たまには間違えるのかしら」と思っていたら、次の日はパピの鳥かごに入り、その後また2日つづけてクリのところに入った。
「あら、またパピのところに入ってる」
「そうだな。クリ2、パピ1の割合になったけど、まだパピに気を遣っているようだ。やっぱりクリの鳥かごも大きいのにしてやろう」
 夫はそういって、パピのものと同じ大きさの鳥かごを購入した。
 これまである5つはどれもホワイトだけれど、品切れだったのでココのことを考えて、女の子らしいピンク色のものにした。だから、クリの鳥かごというより、ココの鳥かごといったほうがよさそうだけど、新しい鳥かごに移ったら、クリとココはどんな反応をするだろうかと、楽しみにして鳥かごを組み立てた。
 そして今夜、いよいよクリの鳥かごが大きくなったけれど、ココはさっさとパピのところへ入ってしまい、独りになったクリは新しい鳥かごに入るのをいやがった。
「ピンク色じゃなくて水色にすればよかったかな」と夫はいって、クリを捕まえてピンクの鳥かごに入れた。クリは広い鳥かごの中でしばらく暴れていたものの、そのうちあきらめたのか静かになった。隣の鳥かごのミーもなかなか戻らなかった。文鳥さんは変化が苦手なのだ。
 明日、ココはクリの鳥かごにちゃんと入るだろうか。ココが大きい鳥かごを望んでいると思ったのだけれど、今夜は肩透かしをくらった感じ。

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