2016年7月27日水曜日

(7)人の価値

 きのう相模原の障害者施設で障害者19人が刺殺され、26人が負傷するという前代未聞の悲惨な事件が起きた。犯人は重複障害者は何の役にも立たない社会の邪魔者と考えて犯行に及んだようで、ビューティフル日本と叫んだらしい。社会の弱者を始末するという思想は、まさにナチズムだと思った。
 人はそれぞれが他人には測れない価値をもっていることを知るべきだ。かなり、前の話になるが、伯母の葬儀での従弟の言葉を思い出す。伯母は認知症になりかなり長い間患って入退院を繰り返していた。従弟をはじめ家族は伯母が亡くなった寂しさもさることながら、さぞやほっとしたことだろうとわたしは思っていた。しかし、従弟があいさつの中でいった言葉は、ハッとするものだった。
「母は長く患いましたが、その間にわたしたちに多くのことを教えてくれました」
 賢い人はどんな状況からもいろいろ学ぶのだ。自分の狭い価値観で人を裁いたりはしない。
 人は生産的なことができなくても、そこに存在するだけで価値がある。その意味も考えずに独りよがりの若者の犯した罪は社会の汚点でしかない。

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